ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

135.賢く保険を選びましょう

2020-07-23 18:49:12 | 生活 お金 ファイナンシャルプランニング
 自身や家族の健康と安全を守りたいと思うのは、誰しもそうです。不安な出来事が身近に感じられるとなおさらでしょう。不安な気持ちから、今のうちに保険に入っておこう、入っている保険を見直しておこう、と考える方もいるでしょう。様々なメディアによる保険に関する広告・宣伝、保険のセールスや保険ショップ等での勧誘もさらに増えるかもしれません。そんな時、考えたいことがあります。それは、「新たに保険に入る必要や、保険を変える必要が、今本当にあるだろうか」という事です。

 保険は、病気、けが、事故、火災、地震など、万一の時の経済的備えとして役立つものです。例えば、医療保険なら入院や手術をした時などにかかる費用に対する備えです。そうすると、入院した場合にいくら保険金がもらえるのか、どのくらいの期間もらえるのかという点は、選ぶポイントになるでしょう。一方で、その保険でもらえるお金は、健康保険などの公的保障、貯蓄、勤務先や個人で加入している保険や共済があれば、それらで賄えないものかと考えてみてください。

 そうは言っても、保険のことはよくわからないという方も少なくないでしょう。「こんな場合に保険金はもらえるの?」「説明書を読んでもよくわからない」など、気になることは外交員や販売代理店に、あるいは保険会社に直接に、遠慮なく質問しましょう。誠実な方や会社なら、あなたに寄り添って話を聴き、十分な説明をしてくれることでしょう。一方的に話を続けたり、情に訴えるような話をしたり、何か違和感を感じたらその場で判断することはやめましょう。 また、「皆さんこの保険に入ってますから、安心ですよ」「今、うちのおすすめの新商品です。お任せください。」などと勧誘されたら要注意です。売る側の都合で物を言っているかもしれませんから、あなたやあなたの家族にとってその保険が必要な理由を納得行くまで聞いて下さい。全てを理解することは難しいかもしれませんが、できれば信頼できる第三者にも相談したり、一つでもよいので他の保険会社の商品と比較検討したりしましょう。面倒かもしれませんが、何となく相手を信用して〝お任せ”してしまうと、後悔することにもなりかねません。

 保険に入っても、必ずしも不安は解消されません。不安の程度や感じ方は人によって違うからです。一時的に不安が解消されたとしても、事情が変わればまた不安の度合いや保険の必要性は変わってくるでしょう。そう考えると、たとえ安い掛け金でも、必要のないことにお金を払い続けるのは無駄ではないでしょうか。ましてや、いざという時に使えない保険だったとしても、契約時の担当者が退職していたりするとどうしようもないこともあります。

 昨年、大手保険会社の保険契約の不正、不祥事が社会問題になりました。私も、ご相談を受けたことがありますが、「いまだにこんな稚拙で悪質なことをやっていたのか。」と、その会社のコンプライアンスや社員の倫理観に、怒りを通り越してあきれたものでした。組織のモラルが歪んでいたらそこで働く多くの人は保身に走り、良心がマヒし、その組織の常識は社会の非常識になっていることに気づかなくなるのです。

 ネット通販で契約したり、自ら下調べした上で保険ショップ等に相談に行く方は、必要性を認識されて一定の理解や納得もされている方が多いかもしれません。一方で、知り合い等から勧誘された場合は、慎重になったほうがよいでしょう。多くの保険会社は、自粛していた"訪問活動”を再開し始めています。一部には、これからが〝ビジネスチャンス″と営業にハッパをかけている会社もあるようです。保険のセールスは保険を売って生活しているのです。目標数字を達成しないと仕事が続けられなくなる厳しさもあって、手ぶらでは帰れない時もあるでしょう。TVCMに出てくるようなモラルを持ったマナーの良いセールスは歓迎ですが、残念ながらそうではないセールスからムダな保険を契約てしまった、解約したいが解約に応じてくれないという類の相談は、私が知る限りでも後を絶ちません。もちろん、お客様に寄り添い役に立ちたいと、まじめに誠実に仕事をしているセールの方が多いと信じていますが。

 賢い保険の選択のためには、「今、我が家に必要だろうか」「勧誘している相手はこちらの話をしっかり聴いて、こちらのことを考えてくれているか」と、落ち着いて考えてみることが大切と思います。
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114.老後2,000万円・・・?

2019-08-18 23:07:17 | 生活 お金 ファイナンシャルプランニング
 老後の金融資産が2,000万円必要という金融庁の報告書が問題となったのはつい数か月前のことだ。参議院選挙前だったせいかマスコミも大きく取り上げ、その論調が批判的だったゆえに与党側は火消しに躍起となった。その後、金融機関等が主催する資産運用をテーマにしたセミナーの参加者が急増したというニュースもあったが、今はどうなのだろう。そもそもが騒ぎ過ぎで、本来は国の方向性や社会保障制度と合わせて、国民的な議論が必要な問題だという指摘もあった。個人的にも、ニュースで将来不安にかられて右往左往する都会の若いサラリーマンや、セミナー参加者の急増を得意げにアピールする主催者を見て、少なからず違和感を感じていた。

 もちろん、セミナーや個別相談で情報収集したり生活設計を考えること自体は大事なことだ。一方、お金に対する価値観や生活レベル、仕事や家族の事情も人それぞれだから、将来必要なお金も人によって当然変わってくる。だから、あまり情報に振り回されずに、自分自身や家族にとって必要なお金の見通しを立ててみて、問題が見つかればそれに対してできることから考えてみればよいと思う。
 
 どんなにきれいなライフプランも緻密な課題解決策も実行できなければ意味はない。そして、実行するためにはお金(収入)は必要だ。その収入は、多くの場合働くことによって得られる。このあたり前のことを忘れて、「お金にだけ働かせよう」と思っても無理だ。つまり、若い世代も高齢者もできるだけ長く働いて、〝自分という資産を運用する”ことが大事と思う。

 あまり先々のことを考えてみても、計画通りの人生がすべてではないのだから、できるだけ健康でなるべく長く働き、身の丈に合った暮らしをしていれば、何とか生きて行けるだろうと思うと気が楽だ。いくらお金があっても、自身に関わったり支えてくれる人がいないと生きて行けないと考えると謙虚になれる。

 
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66. 6の魅力

2016-12-06 22:34:53 | 生活 お金 ファイナンシャルプランニング
 今回は、ライフ&キャリアとはあまり関係ない話。66回目だからという訳ではないが、私は数字の「6」が好きだ。昔から、電話番号や住所、車のナンバー、その他の自分に関係する番号の中に「6」が含まれることが多かったから比較的親近感を感じるのかもしれない。

 それだけでなく、6という数字が持つイメージや存在感にも好感を持っている。何故かと言うと、基本フォルムは丸いが「8」と違って上の部分が切れていて左右対称ではない未完成感がいい。ナンバー「1」やベスト「3」、ラッキー「7」などのように人気が高そうな目立つ数字と違って、地味だけど1から9の真ん中あたりにあって、1でも2でも3でも6でも割れるし、ひっくり返すと「9」にもなる。野球のクリーンナップの後に続く6番バッターのような存在感と変幻自在感もいい。

 「6」の魅力はこのくらいにして、私が「6」という数字が好きな理由が別にある。それは、物事「6割でまあ良し」という感覚が自分の価値観にも合うからだ。例えば、人間関係で言うと、10人中6人とまあうまくやれたら良し。仕事なら、完璧を目指す前にまず6合目あたりを目指し足場を固めて行く。なお、サラリーマン時代の成績は、概ね上位2割、下位2割を除く中間の6割の中にいた。生活の中では、最低6時間くらいは眠る。また、今度受検する検定の実技試験は、100点満点中60点以上が合格。その意味は、まず最低必要な基礎が固められているかを評価して、その先は現場でより高い評価を得られるよう自己研鑽を続けるようにという意味かと勝手に解釈している。

 自分のキャリア形成も、今は還暦までを一つの目標にしている。その後も続いて行くと思うが、具体的な目標や生き方はまたその時考えようと思っている。私の「6割よし思考」は、何でもそれでよしではないが、時に自分の思考や行動を楽にしてくれる。



 
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30.問題は相談室でおきてるんじゃない

2016-07-02 11:33:02 | 生活 お金 ファイナンシャルプランニング
 相談室では、相談者の方の様々な話を聴く。仕事のこと、お金のこと、家族のこと、人間関係のこと、心の問題、生き方などいろいろな人生の問題や悩み、迷い、不安、不満、ただ聴いてもらいたいことなど、幅広さや深さも多様だ。問題はその人だけのものだから、同じような話でも百人百様である。

 相談を受ける側も人間だから、体調や気分のすぐれない時もあれば、問題や悩みを抱えていることもある。一定の資格やスキルは持っていても、相手の話の受け止め方や対応には、個性や価値観、経験の違いなどが表れることも多い。そう考えると、誰に話を聴いてもらうかということは、ひとつの縁のようなものだと思う。

 相談を受ける側には、原則がある。「問題の解決は、最後は相談者本人が決める」ということ。こちらはあくまで必要な情報やヒントを提供したり、考え方や行動に寄り添ったり、時に背中を押したりするような援助をする立場ということ。時には、アドバイスしたり、褒めたり、叱咤激励することもあるが、基本は本人の自己決定と自立を支援するスタンスだ。相手の長い人生の最後までは責任を持てないのだから、こちらの物差しで善悪や評価、可能性を決めつけることはしない。「カウンセリングがうまくいった」とか「自分が相手の問題を解決してあげた」などと得意になっている時こそ、ひとりよがりではないか、相手がこちらに合わせてないか、次も相談に来るかと振り返ってみる。

 相談者の抱える問題は、確かに相手の話の中に解決のヒントがあることが多いが、相手は相談室を出ると、現実の問題や職場や生活に向き合わねばならない。よって、こちらには一人で解決できない問題があるからこそ相談に来ているという現実への感性や、現場への想像力も必要だと思う。大切なことは相手に誠実に向き合い、傾聴し、自分のできる範囲を謙虚にわきまえて対応することだと思う。

 
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23.数字を見るより話を聴く

2016-06-18 23:47:52 | 生活 お金 ファイナンシャルプランニング
 家計の見直し相談を受けることがある。よくあるのは、無駄の節約とか保険見直しといった、まだ余裕のある方々の相談である。借金で首が回らないような切迫した状態でなければ、まずは相談に来た経緯や現状に対する考えなどを聴くようにしている。1回の相談時間は限られているが、いきなり収支明細や保険証券を見て、ここを節約しましょうとか、この保険は解約しましょうとか、金額に着目したアドバイスをするよりも、まず話を聴いた方が相談者の納得感がある。
 
 最初に話を聴こうとすると、「えっ?」という戸惑いを浮かべる相談者もいるが、聴く姿勢を示すことで、多くの相談者は安心感が増したり気持ちや頭の中が整理できたりするようだ。
 

 先日もある50代女性が相談に来た。子供は手を離れ、週4日パートで働いているが、夫が役職定年で給料が減り家計が厳しくなったと言う。何かを節約しなければとは思うが、生活レベルは下げたくないと言う。そこで、世帯収支の明細を見せてもらうと平均以上の世帯収入はあり、貯蓄は少ないほうだが、支出に特別過大なものはない。この状態でどこに生活の厳しさを感じるのか聴いてみた。すると、以前はもっと生活に余裕があり、旅行に行ったり高級ブランド品なども買えたという。それが、今はできないので夫に相談したら、我慢して節約しろと言われたと辛そうに言った。

 その女性の話を聴いて気持ちを認めた上で、ただ節約しろと言われても難しいだろうから、節約して貯めたお金で何かを買うとか、定年後資金を増やすような目標を作ったらどうかとアドバイスしてみた。それから、具体的に節約できる費目や保険見直しを行うと、現状の生活とほぼ同水準で年間にそこそこのお金が手元に残ることがわかった。

 女性の行動が本人の気づきによって散財から貯蓄へ変わるきっかけができた。

 



 
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17.地震に備える

2016-06-09 22:11:02 | 生活 お金 ファイナンシャルプランニング
 この写真は、阪神高速道路である。今から21年前、この道路が横倒しになった。阪神淡路大震災の時である。当時の勤務先の本社から、損害調査の応援部隊として現地に赴いたことを思い出す。鉄の焼けた臭いと砂埃のなか、二人一組でカメラと地図を持って対象の家屋を1件づつ訪問した。「地震保険」に加入している家屋である。しかし、自分が地震保険に加入しているという認識がない方も多かった。おそらく、銀行融資で家を建てた時に加入する火災保険に付帯したことを忘れていたのだろう。だから、地震保険に加入していると知って「えっ、ホンマですか!そら助かるわあ・・・」と、驚く人も多かった。当方としても、できるだけ壁の亀裂や柱の傾きを見つけて、保険金の一部でも出るように調査報告書を作ったものである。地震保険は、倒壊した家を建て直すには十分でないが、当面の生活再建にかかる諸費用の足しにはなる。少しは気持ちの余裕にもなる。

 一方、東日本大震災の時、津波から命からがら生き延びた商店主がいた。店も自宅もすべて流され、途方に暮れていた。商店主は、生命保険会社から勧められた高額の保険に加入していたので、生活再建の足しになる何らかの保障がないか相談してみた。しかし、保険金は支払われなかった。なぜならば、生命保険は基本的に死亡や重度の後遺障害があった場合に保障するからだ。幸運にも助かったのだから、保険金の支払い対象にならない。このような場合、その後の保障は捨てて保険を解約し、返戻金を生活費等にあてる場合はある。しかし、ほぼ掛け捨て型の保険だとそれも適わない。

 地震に限らず、ライフプランやキャリアプランにも大きなダメージを与えかねないリスクいろいろある。それに対して、予防、軽減、転嫁(保険)などの対応があるが、それらが現実的に必要で有効なものか、時々見直す必要はある。私も地震保険には加入している。
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