ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

151.右側に寄った

2021-05-08 23:14:03 | 時代 世の中 人生いろいろ
 「雨が降ってるのに空は晴れている?」「天気荒天なれど波低し?」天気も世相ももやもやしがちなこの頃だが、昨年春先からの1年余を振り返ってみると、まだすっきりはしないものの、悪くはなっていないと思えてくる。
 
 経済・社会活動は、全国的に見れば昨年ほど抑制されていない。日経平均株価は今のところV字回復している。エッセンシャルワーカーだけでなく、働く人々の多くは不安や不便を感じることがあっても、変わらずに自分の仕事をしている。家事や子育ても休むわけには行かないから、主婦はいつもどおり日々の暮らしを守っている。学生の多くは、リモート授業に不慣れやクラブ活動制限などの不満はあっても、学びを続けている。就職活動や受験勉強も行われている。もちろん、様々な事情や問題で苦しんでいる人々を軽視するわけではないが、平穏な日常や生活リズムを守り頑張っている人が多いことも現実だ。

 感染症についても、対策をきちんとして普段通りに生活していれば、必要以上に恐れる必要はないと感じている人が増えた。一方、医療崩壊は実際には、ほとんどの自治体で起こっていない。もちろんそれは現場の医療従事者の方々や保健所関係者等の粉骨砕身の尽力あってこそだが、そもそも医療ひっ迫が起きて、繰り返されて、なかなか解消されないのは、ただ単に感染者数の問題だけではなく、行政や医療体制にも問題があるということも見えてきた。その中で、多くのまじめな飲食店や関係業界が理不尽なしわ寄せに耐え続けている。
 
 メディアの世界でも。批判のための批判や根拠のない偏った情報が、問題解決の邪魔であるということも見えてきた。自己顕示欲が強いだけの者が、他者を否定して自己主張してみたところで、その者が肯定されることもない。一部の情報番組のネガティブ感情の渦に巻き込まれそうになることはなくなった。思えばこの1年、TVニュースはほとんど見なくなったが、仕事にも生活にも特に支障がないことも分かったからだろう。

 政治に対する自分の見方も変わってきた。元々いわゆる無党派層で支持政党は無いし、主義や立場を明確にした団体等にも属していない。ただ、国政選挙と自治体首長選挙には行っている。
 はっきりとした線引きはない感覚的なものだが、日本社会の法秩序の中で許容される範囲の最も右寄り(保守系)を10、最も左寄り(革新・リベラル系)を1として点数にしてみると、一昨年までは判官贔屓なところもあってか「4」くらいだったのが、今では「7」くらいまで右に寄った感覚だ。
 そうなったのは、やはりこの1年でいろいろな事象の本質や人の素性が見えてきたり、これまで以上にリアルに物事を捉えて、できるだけ冷静に自分や事業の立ち位置や方向性を考えるようにしたからだと思う。
 結局、多様な意見や利害の対立の中で、方向性を示し、折り合いをつけながら、落し処を見つけるのは政治の力になる。よって、有事には、権力の暴走は止めなければならないが、迷走の際には批判するだけでなく軌道修正に力を貸すのが責任ある野党の姿勢だろう。選挙を意識したポジショントークやリアリティーのない提案ばかりでは、現実に向き合いながら日々懸命に働き暮らしている多くの人々の共感や支持は得られないだろう。
 今の政権には、批判も多いし逆風も強いし、水面下の足手まといもあるだろうが、ここまできたら完全ではなくとも一旦この事態を治めてほしい。そのためには、経済界の力や多数の国民の力も必要になるが、大局的には何とか治まりつつあると感じている。そして、結果は野党とともに次の選挙で国民が審判したらよい。

 年齢を重ねるにつれて、保守的になる人が多いと言われる。特にビジネスの世界はリアリティーが必要だ。そう考えると、これからの自分の仕事やキャリアの方向性は、緩やかな右カーブをほぼ曲がり切って、平坦ではないがまっすぐな道が見えてきたようなイメージだ。
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