ライフ&キャリアの制作現場

くらし、仕事、生き方のリセット、リメイク、リスタートのヒントになるような、なるべく本音でリアルな話にしたいと思います。

103.会社づくりは人づくり

2019-03-31 23:31:04 | 仕事 キャリア ライフキャリア
 「夢なき者に理想なし。理想なき者に計画なし。計画なき者に実行なし。実行なき者に成功なし。故に夢なき者に成功なし。」「夢を持つことは勇気がいること。その夢が利己心や損得勘定から野心に変わった時から夢はブレて行く。」「うまく行った時は、おかげ様。悪い事は、自ら反省。」

 先日、八天堂の社長の講演を拝聴する機会があった。内容は、自らの経験から得た経営哲学や先人の処世訓、有名な経営戦略の理論なども織り交ぜられていたが、その情熱的な話しぶりに胸を打たれた。

 社長の話の中で、私が一番印象的だったことがあった。「会社をつぶしかけた私に最後までついてきてくれたのは、私があまり仕事ができないと思っていた社員達だった。」つまり、あまり要領は良くないかもしれないけれど、仕事に愚直にこつこつと向き合って、困難から逃げなかった(逃げるところがなかった?)社員ということだ。だから、社長は業績が回復しても驕らず地道に、社員を恩人のように大切にする姿勢を貫いている。「会社づくりは人づくり」という理念を本気で思い続けて、小さなことから実行し続けている。

 よくありがちな格好の良い成功談や上から目線の精神論にはない共感があった。それは、社長が大きな挫折や苦悩を乗り越えても、まだ会社づくりは道半ばとおっしゃり、粉骨砕身の思いで社員一人一人を大切にする姿勢が感じられたからだろう。

 社長はこうも言った。「経営には羅針盤となる戦略や数字も大事。」当然のことだ。しかし、どんなに綿密な戦略やきれいな経営デザインなど作ってみても、それらを実行するのは社員である人間だ。絵に描いた餅に終わらせないためには、理念や思いの共有と、特にリーダーの夢、情熱、行動が必要。もうひとつ。どんな仕事も、お客様という「人」からの目線や「人」への気遣いを忘れたら、画竜点睛を欠くことになるのだろう。大切なことを思い起こせた講演だった。
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102.人生の先輩Mさん

2019-03-23 23:59:07 | 時代 世の中 人生いろいろ
およそ10年ぶりに、Mさんから突如電話があった。前に連絡があったのは、私が会社を辞めた後だった。Mさんは、私が20代半ばの若手だった頃、同じ支店の他部署にいた先輩だ。当時30代後半で、専門職として主にタフな交渉事を担当していた。

 事務所から帰宅しようとした時、携帯電話に登録していない番号からかかってきた。「Mです、久しぶりだね、元気?まだ仕事?今度そっちへ遊びに行くことになって、覚えてるかな、Kさんと会うんだけど、来る?」昔と変わらない声と話し方だった。

 「これから飲みに行くんだけど、来る?仕事なんかやめて、明日の朝来てやれよ。」よく飯や飲みに誘ってくれて、お酒の飲み方も教えてくれた先輩の一人だ。バブル時代の終わりの頃、当時携帯電話はなかったので、よく内線電話で誘われたり、残業中に強制的に仕事をやめさせられ連れて行かれた。そんな時代だった。

 「体は元気なんだけど、頭がついて行けなくなって、もう仕事は完全にやめたよ。」最近は、好きなテニスと近くに住むお孫さんの世話の日々とのこと。「毎年年賀状に来てくださいって書いてくれてたから、元気なうちに行っておこうかと思って。」会うのは、MさんもKさんもおそらく30年ぶりくらい。

 「ありがとうございます!いつ来られるんですか?」とつい声を弾ませて答えると、「相変わらずだねえ。」とMさん。相変わらずと言われて、心の中で苦笑しつつも、会社を辞めて10年の私にも声をかけてくれたことが嬉しかった。中部地方の都市からの電波に乗ったリアルな音声に、内線電話で呼び出されたあの頃にタイムスリップしたような感覚になった。

 Mさんはどんな人生を歩んで来られたのだろう。これからどんな人生を考えているのだろう。昔ほどは飲まなくなったという酒を一緒に飲みながら、話を聴くのが楽しみだ。会うのは、次の時代のスタートの月。






 



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