ギリシャへ そして ギリシャから From Greece & To Greece

ギリシャの時事ニュース、文学、映画、音楽がよくわかる
ギリシャの森林再生を支援する『百年の木の下で』の公式ブログです。

古代オリンピアに若木を植える

2007-11-28 | 百年の木の下で
            photo by ekathimerini
この記事を読んで「百年の木の下で」の寄付金も早く届けたいという思いを強くしました。
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古代オリンピアに植えられたオリーブの若木 KATHIMERINI 2007/11/26 

11月24日土曜日、古代オリンピア/Ancient Olympiaでは多くの市民グループが参加して植樹が行われた。8月の大火災で打撃を受けたこの地域を再生しようと、義援金を届けに自然科学者たちが古代オリンピアへやってきたのだ。

アテネ/Athens東部のKalyviaでも数百人のボランティアグループが植樹活動に参加した。SKAΙテレビとラジオが主催するこのプロジェクトの目的は、夏の火災で焼失した多くの木の代わりに15000本の木を植えようというもので、テサロニキ/ThessalonikiのSeikh-sou森林でも約400人のボランティアが植樹に参加した。

(原文 PETROS GIANNAKOURIS/AP 訳責:かわまさ)
地図で見やすいように地名は英語表記にしました。

ギリシャの山の恵み

2007-11-27 | 私のギリシャ物語
                
初めてギリシャに行った知り合いの方からおみやげにと頂いたのがこのチャイ・トゥ・ヴヌー(山のお茶)。風邪をひいて喉を痛めていたので、早速いれて飲みました。

あたたかな山の陽だまりの香りがします。レスヴォス島では、山へキノコ狩りに出かける季節です。狩猟の時期と重なっていて草むらでガサゴソとキノコを探すのは危険なので、ひとりで行ってはいけないことになっています。

複数でいるギリシャ人が黙って作業をするなんてあり得ないのでしょう?大声のやり取りや、笑い声が山や谷に響き、ハンターに対する警告信号となっているようなのです。

松の木の根元に生えるマニタリア(キノコ)は採るとすぐに色が変わってしまい、味が落ちるので、その日のうちに天ぷらのような衣をつけて島の特産エメラルドグリーンのオリーブオイルで揚げて食べます。この時だけの贅沢です。

キノコ狩りの季節が終わると本格的なオリーブの収穫が始まり、島は一気に活気づくのです。

ギリシャの地図

2007-11-24 | ギリシャへ
ギリシャのニュースを読む時いつも気になるのが事件の起っている場所です。
ギリシャ好きな方ならアテネ、テサロニキやデルフォイ、スパルタ、オリンピアなどはおよその場所がわかるでしょうけれど、山火事のニュースが最初に入ってきた時、被害のひどかったイリア県の山村の場所を見つけるのにずいぶん時間がかかりました。

このブログを訪問して下さるkyotakabaさんが英語表記で詳細な地図を見つけてくださいました。拡大もできますので、ブックマークにお薦めします。
http://www.alpha-omegaonline.com/map_greece.htm

ギリシャに再び非常事態宣言

2007-11-20 | ギリシャから
               photo by ERT
風邪を引いて寝込んでいる間にギリシャはまた大変な状況になっていました。山火事で森林を失ったイリア県は豪雨の被害に再び打ちのめされています。「来年の夏また火事にならないように、雨が降ればいいな」と皆言っていましたが、どうも自然がこれまでのバランスを失っているように見えます。理由はやはり私たち人間の経済活動なのでしょうか。
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悪天候ギリシャを襲う ERT 2007/11/18

土曜日の悪天候で大きな被害を受けたアルカディア県、ロドペー県、カヴァラ県そしてイリアでは復旧に全力を注いでいる。
開けて日曜日にはアルカディアの状況には改善がみられたが、ゴルティナ村とトゥルコレカ村は橋の崩壊でまだ孤立状態が続いている。

ファライシア、メガロポリ、ヴァルテツィの被害は深刻である。カルブナレイキ、パナイア地域ではアルフィオス川の発電所の一部が破壊され、夏の山火事で打ちのめされたイリア県のピルゴスもこの豪雨で再び甚大な被害を受けた。スキルゥンタ-ザコラとアンドリツィナ-アリフィラでは土砂崩れが報告された。アルフィオス川は決壊の危機にある。

土曜の夜、悪天候による非常事態宣言が出されたロドペー県では重大な危機は遠ざかり、避難命令の出ていたメレティ、イファイストスの住民は自宅に戻り始めた。

ロドペー県では数百軒の家、店が浸水し農地や家畜が失われ、道路や送電線が寸断される広範囲な被害が出た。警察、消防への救助要請が360件を越えた。

エレフセロウポリ、カヴァラでも多くの自動車が流され浸水した家や店舗から孤立した4人のお年寄りが救助された。

プラタイエス県ヴィオティア県では豪雨で自動車が流されたり竜巻で屋根や電柱が吹き飛ばされるなどの被害が出た。
(全訳 訳責:かわまさ)

県の地図はwikipediaの「ギリシャの地方行政区画」で見ることができます。
ギリシャの地図は観光を中心に考えて作られている物が多いので、なかなかインターネットに良い物がありません。どなたかご存知の方教えて下さい。

必然が奇跡を生み出す国

2007-11-13 | 私のギリシャ物語

どうして、そんなにギリシャが好きなの
いったい、ギリシャのどこが良いのと
尋ねられると 答える代わりに
カザンツァキスの「その男ゾルバ」の
文章を教えてあげることにしています。

東京はみごとな秋晴れでした。
こんな日にぴったりの名文です。
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海、秋の穏やかな気分、光に浸っている島々、永遠に裸のままでいるギリシアの上に、透明なヴェールを拡げる繊細な雨。死ぬ前にエーゲ海を渡る幸運に恵まれたものは幸いなるかな、と私は思った。
この世の喜びは多いー女たち、果実、もろもろの思想。しかし、穏やかな秋の季節に、島々の名をひとつひとつ口ずさみながら、この海の水を切って進むことほど、人の心を天国へ運ぶにふさわしい喜びはないように私には思われる。ここをおいて、人が容易に、しかも平静に、現実から夢の世界へと移行できるところが他にあるだろうか?
水と陸の境界線がだんだん小さくなってゆく。太古の時代の破船のマストから枝や果実が生え出ているようであった。
ここギリシャにおいてこそ、必然が奇跡を生み出す国のように思われた。

「その男ゾルバ」ニコス・カザンツァキス著 秋山健訳 1967年 恒文社
 ギリシャ語原作の初版は1946年

ギリシャ名物ストライキ

2007-11-10 | ギリシャから
          Photo by eKathimerini
ギリシャを10日旅行してデモやストに遭わなかったら、あなたは幸運かも
メトロ、バス、タクシーだけではない。ゴミ収集、大学、病院や美術館だって例外ではない。世界中でニュースにとりあげられてしまうので、政府が一番困るのはパルテノン神殿のストライキではないかしら。このときアテネに来た人は不運?不平をいう観光客に「女神アテネがあなたを気に入って、またきて頂戴と言ってるんですよ」とのたまった観光局の女性に、私は思わず拍手しそうになった。
同じ日付の新聞に二つのストライキが出ていました。
『「モー我慢できない」といった牛?』と『ギリシャの生徒vs熱血市長』

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抗議行動 KATHIMERINI in Brief 2007/11/8

経済的支援を要求する農家のグループは、彼らの家畜を伴ってナフプリオンにあるアルゴリダ県庁に現れ、県庁前に家畜を放ち辺りを占拠した。約一時間後、県の役人は農家代表の面会要求に応じた。


市長障害を跳び越え生徒に面会 KATHIMERINI in Brief 2007/11/8

ギリシャ全土で百以上の学校が生徒のストライキにより閉鎖されている。要求は「国の教育予算を増やせ」など、それぞれの学校で異なる。
北ペレポネソス地方では座り込み抗議中の生徒たちとの協議のテーブルについた市長自ら問題解決のイニシアチブをとり、授業に戻るように説得した。
メッサティダ市長アサナシオス・コリツィダス氏は生徒と話し合うためにロックアウトされた校庭に自ら乗り込み、教室施設の改善を要求する彼らに歩み寄る案を提示した。
「フェンスを跳び越えて中に入りました」と市長はいう。そして、市長は生徒らに市が所有する土地の一部を提供し、教室を増築することと、それまでの期間プレハブ教室を二部屋作り、現在のすし詰め状態を改善すると約束した。

(全訳 訳責:かわまさ)

お礼と報告

2007-11-07 | 百年の木の下で

新小金井の駅のすぐ南に、とてもかわいくて、ちょっと不思議な感じのお店があります。鳶色の縞々猫とタートルシェル柄の猫が、アップライトピアノにのって外を眺めている窓はロワール川沿いのジョアンヴィルという街で見たお店にとても良く似ていて、ドアを開けると、いつもラベンダーの清浄な香りが静かに漂っています。

そのオルゴールとギリシャ雑貨のお店Saturdayさんを通して匿名の方から寄付金を頂きました。お名前を明かしたくないというご希望なので、この場を借りて心よりお礼を申し上げます。お預かりした寄付はお気持ちと一緒にしっかりと届けさせて頂きます。経過は随時このブログで報告いたします。

協力して下さった皆様より「百年の木の下で」がお預かりしている金額は11月7日現在で131,390円になりました。カードを印刷したときに、全部売れれば50万円くらい寄付できるのではと考えました。まだ、たくさん残っていますので、新たな企画を考えています。皆様もなにか良い案がありましたらお聞かせください。

支援する団体はまだ決まっていません。その理由はギリシャをご存知の方ならおわかりになるかもしれませんが、こちらから質問を投げかけても、答えがなかなか返ってこないからです。

しかし、そういうのんびりした部分も含めてギリシャを愛しているのですから、私たち(日本)のやり方を押しつけたくはありません。主体はあくまでギリシャの人たちで、私たちはお手伝いしたいのだということを忘れないように、これからも関わっていきたいと思っています。

目標として、春までにはWWFを通して支援先の選考も終え、今よりもまとまった金額をギリシャに届けたいと考えています。今後とも皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

カード1組では、何ほどにもならないだろうけど、とおっしゃいながら買って下さった方があります。この活動を記事にしたいといってくれたギリシャの新聞記者に、実は私も同じことをいいました。「私たちの活動くらいでは大した金額にならないかもしれないし、恥ずかしいから・・」彼女の答えはこうでした。「全ての人の行動が助けになるんですよ」

曲がり角 カフェ

2007-11-05 | 私のギリシャ物語
カフェ・ストロフィ(曲がり角カフェ)という名の通り、パトモスの港からヨハネが黙示録を書いた洞窟教会へ続くのぼり坂の急カーブに、このカフェはある。

カフェのご主人はお気に入りの外の席に奥さんと掛けて夕日を見るのが日課だ。お客も一緒に太陽がゆっくり傾くのを眺める。急ぐことはない、時間はたっぷりある。ご主人の愛犬のマルチーズもまた。それにしても、夕日を眺める犬なんて初めて見た。

カフェのキッチンで働く奥さんは編み物の名人で、彼らのサロン(居間)には美術館に収蔵したいような美しいレース編みがいっぱい飾られていた。娘が小さいうちから、母親はすこしづつテーブルクロスやベッドカバーなどを編み貯めて、嫁入り時に持たせるのが習わしだったが、このごろは編み物をする女性をあまり見かけなくなった。

カフェの長女はクレタ島へ嫁ぎふたりの子に恵まれた。長男はアテネへ出て、神に仕えるギリシャ正教の司教になった。次男は島に残りやさしい嫁を貰った。

大きな大きなオレンジ色の夕日が沈みきるとご主人は満足そうに微笑んだ。
「これ以上いったいなにを望むかね?」

ギリシャ政府に「緑」省?

2007-11-03 | ギリシャから

今回の山火事で私も初めて知ったのですが、多くが未登記のギリシャの森林には正確な地図がないのです。昔から森は誰の物でもない、みんなの物でした。でもそのせいで責任の所在も所有権もはっきりしなくて、山火事の被害も広がり、どさくさにまぎれて、現金をカバンに入れ、土地を買い漁る開発業者が出没したりしています。実はハリケーン・カトリーナで洪水の被害を受けたニューオリンズでも同じことが起こりました。弱い人が一番ひどい目に遭う_そんなことがないように早く法の整備が必要とされています。ギリシャの「緑」省はその救い主となれるでしょうか?
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「緑」省が2、3年のうちに実現? 2007/11/1 KATHIMERINI

カラマンリス首相は昨日国会討論の中で、環境保護策が不充分だと指摘する野党4党の党首からの批判に、政府を擁護する答弁をした。

「環境保護は政府の政策の基礎であり中心軸でもある」と首相。
森林の登記簿のドラフトを作り、森林を詳細に地図化するのが最初にやらなければならない課題である。8月の山火事で焼失した森林は全て再植林される」とつけ加えた。また、環境保護と経済発展は切り離せないことを首相は強調した。

計画をより効果的に進めるため、環境省から「緑」省を独立させるべきという要求には、現在進行中のEU基金による事業が完了する2、3年後の見込みだとスーフリアス環境大臣は答えた。

これに対し、自分が首相なら今すぐ「緑」省を創設するとPASOKの党首パパンドレウ氏は述べた。また森林保護のための憲法24条の修正案への政府の見直し計画を批判した。

質問の中で、左派連合SYRIZASのアラバノス氏からの批判が最も厳しく、大企業の利益を優先していると強い言葉で政府を批判した。数万の市民の水源であるコロネイア湖とアソポス川の水がクロムに汚染されたというのに政府は市民の健康に無関心だとアラバノス氏は糾弾した。これに対しスーフィリアス環境大臣は河川に汚染物質を垂れ流した会社には罰金を課すと述べた。

環境問題に関してもうひとつ。昨日EEA(European Environment Agency)から、ゴミのリサイクルにおいて、ギリシャは最下位から2番目という発表があった。オランダ、デンマーク、スゥエーデンではゴミの50%以上がリサイクルされ埋め立てるのは10%以下であるのに対して、ギリシャではゴミの90%を埋め立て処理していて、リサイクル率はたった10%以下。わずかの差で最下位をポーランドに譲った。

(全訳 訳責:かわまさ)



ギリシャの森林再生のために

2007-11-01 | 百年の木の下で
原画展「ギリシャの島から」が10月31日無事終了しました。
予想を上回る反響を頂いた素晴しい一か月は、あっという間に終わってしまいました。会場にわざわざ足を運んで下さった方、ポストカードを買って下さった方、ご自分のブログで協力を呼びかけて下さった方、カードの袋詰めを手伝って下さった方、みなさんありがとうございました。

ポストカードの販売による支援活動はこれからも続けていきます。
ギリシャレストラン エーゲ海、ギリシャ料理 スピローズ、ブックファースト梅田3階店オルゴールとギリシャ雑貨の店 Saturday、
 ハイドロカルチャーの観葉植物専門店『レインフォレスト』、ギリシャこだわりの店ノスティミアで引き続きお取り扱いしていただいています。事務局からメール便でお送りすることもできるようになりました。「百年の木の下で」事務局hyakunen-noki@hotmail.co.jpにご連絡ください。