アテネのレストラン入口にあったパスハ(復活祭)の飾り付け。街角にパスハ用のキャンドルを売る屋台が出て買物客で賑わっています。
ワイナリーを見学してサントリーニ島の南東にある漁港ブリカダで見つけたタベルナ・プサラキ。色々な小さな魚と野菜を煮込んだプサロ・スパ(魚スープ)は海岸を歩き回った後の冷えた身体に最高。気分はエーゲ海の漁師さんです。
サントリーニには猫がたくさん住んでいます。観光客にカメラを向けられるのにも慣れているのか、みんなカメラ目線でポーズをとってくれます。まるでプロのモデルみたい。
私のホテルの部屋にも猫たちがにゃ~んと訪ねてくるのですが、マナーが良くて驚きます。テーブルに載ったりしないで大人しくしています。出て行きなさいというと、ちゃんと出て行きます。言ってることがわかるのかなあ。
イアの町の至る所にフードと飲み水が用意されています。自動車が入れないイアで,猫も犬も安心して暮らしているようです。
昨夜からキクラデスの名物、強い南風メルテメが吹き荒れています。
定期航路のフェリーは運行中止で港に避難中。サントリーニの沖にやって来た大型クルーザーも上陸用の小型船が接近できないようです。海岸のタベルナも閉鎖中。
3月のサントリーニはシーズンを前にお化粧直しに余念がありません。
断崖に作られた伝統的な建築、洞穴を利用したホテルの手入れは昔ながらの方法。千年前も今もこのようなラバと人力で資材を運びます。
不思議な力を感じる場所はギリシャ全土にいくつもあるのですが、私にとって最強のパワースポットは、ちょっと意外かもしれませんが、サントリーニ島です。
この島はその美しさから世界中から観光客を呼び寄せ、夏は人が道をすれ違うことも困難なほど混雑します。なので、私はオフシーズンに行くのが好きです。人のいないサントリーニはまさに火の神の住む所という気がします。
幸いなことに、その荒ぶる神は今はおとなしく眠っています。下の動画は6分間でサントリーニのなりたちを見せてくれます。ナレーションはギリシャ語ですが、見るだけでもわかりやすいですし、英語のサブタイトルも付いています。
簡単に説明すると約100万年前に最初の噴火があり海中から島が現れます。以来サントリーニは常に姿を変え続けています。3万年前は丸い島でしたが3700年前頃に中央が陥没してカルデラができました。
その島に最初の文明が現れるのは4500年BCころの都市アクロティリです。その人口は3万人、現在の人口の2倍というのが驚きです、これだけの人口のための水はどうしていたのでしょう?食料や燃料は?
繁栄していたアクロティリは紀元前1613年の大噴火と大地震で壊滅します。その時の津波は30mもの高さがあり、付近の島々とクレタ島の北岸を襲います。噴火ででた石や岩などの総量は6300万軒分の建材に匹敵する量で、それは現在の日本中の家を建てられるくらいだそうです。島は60mも積もった火山灰に完璧に覆われてしまいます。ポンペイと違うのは人骨が一体も発見されていないので、住民は事前に避難することができたのでしょうか。避難先で助かったかどうかはわかっていません。
しかし、この噴火がミノア文明を滅ぼすことになります。影響を受けたのはミノア文明だけではありません。地球の北半球は2週間も真っ暗闇になり、気温摂氏4度の冬が2年間途切れることなく続いたのであろうと思われています。食料不足で多くの人が亡くなったことでしょう。
火の神はしばらく休んでいましたが、紀元46年にカルデラの真ん中あたりから噴火しパリャ・カメニとネア・カメニの二つの新島が生まれます。一番最近の噴火は1950年で、22日間続き住民のほとんどがアテネなどに避難したそうです。
2006年のケンブリッジ大学の調査によるとネア・カメニの地下には巨大なエネルギーが蓄積されているそうです。その溶岩の量は3年間は噴火し続けるくらいの量がたまっているというので、次の噴火がいつになるのか、注意深く観察しているそうです。
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最初にあげた私たちがよく知っている美しいイアの街の景観は、こうした自然の強大な力と、人間の知恵と歴史の営みが作り上げた偶然と必然のおりなす賜物なのです。破壊と再生を繰り返すサントリーニの長い長い歴史の中で、おそらく一番美しい景観を堪能できる稀有な時代に、幸運にも私たちは生まれついたのです。
オフシーズンのサントリーニは神々しさが満ちています。春の野草が花ひらく春の遺跡を歩いていると、時間の帯がねじれているような不思議な感覚と、神々と人間の境もうやむやなほど古い古代人たちの魂の気配がそこここにしてくるのです。
サントリーニの火山の歴史
3月になると赤と白の糸で作ったブレスレットをつけている子どもをギリシャではたくさん見かけます。子どもだけでなく大人の女性も、男性もつけている人がいます。
これはΜΑΡΤΗΣ マルティス、またはマルティッツァと呼ばれるお守りのようなもので、ギリシャだけではなくて、ブルガリア、ルーマニア、マケドニア、モルドヴァでも見られるという早春の習慣です。
3月1日に作って左手首または両手首につけ、糸が自然に切れるまで、つけたままにします。もし自然に切れなくても、3月31日には外します。
なぜ赤と白なのか、そもそもなぜ、つけるのか、様々な人に聞いてみましたがはっきりした答えは見つかりませんでした。
3月に四旬節や復活祭があることから、赤はキリストの血、白は断食を象徴するという人、いや、キリスト教以前の習慣で春の到来を祝う意味なのだという人、春の強い紫外線から肌を守るようにきをつけろという古い知恵なのだという人もいました。
作り方は映像で紹介しているように赤白の糸をねじっただけのものです。凝った造りのものもありますが、ミティリーニでは、自然に切れたほうが縁起がいいから、あまり太く強い糸で凝って作らない方が良いと教わりました。それもミティリーニだけの習慣かもしれません。
今日の東京地方は冷たい雨ですが、春を待つ気持ちで作って早速つけてみましたよ。春よ早く来い!
簡単ですので皆さんもやってみてはいかが。