ギリシャへ そして ギリシャから From Greece & To Greece

ギリシャの時事ニュース、文学、映画、音楽がよくわかる
ギリシャの森林再生を支援する『百年の木の下で』の公式ブログです。

Kavafis Project 2011

2010-02-25 | ギリシャから
Alexandros Karozas - George Dalaras - The Kavafis Project - coming 2011


カヴァフィス・プロジェクト・2011」Youtubeにあるofficial映像です。


カヴァフィスの詩にカロザスが曲をつけてダララスが唄う!!

こんな素晴らしい組み合わせのクラッシック音楽の
プロジェクトが進行しているようです。

発表されるのは2011年だそうですが、 詳しい情報はまだありません。
来年を待つ楽しみができました。

コンスタンティノス・カヴァフィス Wikipedia Kavafis
アレクサンドロス・カロザス official web site
ヨルゴス・ダララス official web site


ハルーラ 歌の力

2010-02-19 | ギリシャ音楽
Πόσο σ΄αγαπώ - Χαρούλα Αλεξίου


35年のギリシャの思い出をプレイバックすると、どのシーンにも彼女の歌が流れています。私のギリシャ物語は常に彼女の声で語られてきたのでした。

ギリシャの人たちは彼女を愛情をこめてΧαρούλαハルーラと愛称で呼びます。ハルーラことハリス・アレクシウの声と歌には比類のない力が宿っているように思います。

その歌の力をこの映像がよくものがたっています。

アクロポリスを見上げるあの古代劇場において、これほどシンプルなメロディーを最小限の伴奏で唄って、5000人のおしゃべりでうるさいギリシャ人たちを黙って聴かせることができるのは、この人以外にはいない、と私は太鼓判を押します。

彼女の歌は愛される故に、コンサート会場で彼女の歌声だけを聴くことは不可能に近いのです。観客全員が一緒に大声で唄うからです。それにしても、歌詞をみんなが全部覚えているのはどういうことなんだ!といつも思います。
(こういう私もここ数年、毎夏参加する彼女のコンサートで、誰にもまけないくらいの大声で唄ってます。周りの方、どうもすみません。)

というわけで、この歌「ポソ・サガポ」のように、観客がシ~ンと静かに聞き惚れているアレクシウのライブ映像は珍しいのです。


「ポソ・サガポ」 

作詞:レフテリス・パパドプウロス Λευτέρης Παπαδόπουλος
作曲:マノス・リツォス Μάνος Λοΐζος

こっちへいらっしゃい あなたに薔薇をみせてあげる
緑の葉 赤い花びら 中庭のある家

旅をする小鳥 こんなに愛している
こんなにも あなたがいとおしい

わたしの恋人 こんなにあなたを愛している 
こんなにも あなたがいとおしい

こっちへいらっしゃい キスってどんなものかしら
深紅の薔薇のよう? そして 朝陽のよう?  

旅をする小鳥 こんなに愛している 
こんなにも あなたがいとおしい

わたしの恋人 こんなにあなたを愛している 
こんなにも あなたがいとおしい




アリとキリギリス

2010-02-16 | ギリシャから
このところ毎日のようにギリシャの経済危機ニュースが日本の報道にも溢れています。皆さんに心配していただいているようなので、わかりやすいように少し整理してみました。

EUは11日の臨時首脳会議で、ギリシャの財政再建を支援することで合意しましたが、具体的な対策は打ち出していません。
現在ギリシャ財務省が国庫に保有するのは約70億ユーロですが、4─5月には約200億ユーロ(275億ドル)の国債償還が予定されています。お金が全然足りなくなるのは明らかです。
元の記事

そのEUはギリシャ政府に対して疑いを持っています。

というのも2001年ユーロに加盟しようとしていたギリシャが、不正会計で赤字を意図的に隠していたことが明るみにでたこと、米紙ニューヨークタイムズに、ギリシャが将来的な空港着陸料や宝くじ収益を担保に現金を受け取るデリバティブ取引に関与していた疑いがあると報道されたことです。得られた現金は債務償却に利用されていたとしています。
元の記事

ギリシャ政府(前政権)と米国のゴールドマン・サックスが行ったとみられる取引は為替スワップであり、EU規則に違反している疑いがあるというのです。
元の記事

ドイツ政府はギリシャを支援すると言及しましたが、
14日付の独紙ビルト日曜版に掲載された世論調査によると、必要であればギリシャをユーロ圏から除外すべきとの回答が過半数に上り、また、3分の2以上がギリシャ支援に反対すると答えました。
元の記事

これは無理もない意見だと思います。

欧州統一通貨「ユーロ」は、キリスト教とギリシャ文明を共有するヨーロッパの共同体への架け橋。しかし通貨と金融政策は統一されたものの、財政政策の不統一により、欧州共同体の中で、ある国の人達は長時間働き、多くの税金を納めるが、ある国の人達は短時間の労働時間で、少ない税金、多くの年金を享受できる不公平が生まれることになるからです。元の記事

この記事ではイソップのアリとキリギリスの寓話を例えに出していましたが、キリギリス(ギリシャの公務員)の年金のためなら、税金を余分に払いましょうというアリ(ドイツ人)がいる方が不思議でしょう。

EUは11日の臨時首脳会議でフランスのサルコジ首相と抱き合うパパンドレウ首相の笑顔の写真がギリシャの新聞の一面を飾りましたが、これでひと安心とはいかないようです。

さて、この巨額に思えるギリシャの借金よりも、さらに大きな負債を抱え国債を発行し続けている国があります。それは私たちが住む日本。ギリシャの問題、決して人ごとではありません。




時間が変える 

2010-02-11 | ギリシャへ
Hassapiko,sirtaki,ΧΑΣΑΠΙΚΟ



ハサピコを踊る若い人たち。みなほぼ同じ年齢のようです。
大学のサークルでしょうか、グループで旅行にきて、
歓迎あるいはお別れパーティーのような機会でしょうか。

この映像からは、たくさんのことが読み取れます。

女性がジーンズ姿でハサピコを踊ることも、この動画の投稿者がトルコ人であることも、踊っている場所がトルコのエーゲ海側にあるボドルムの城壁であることも(ボドルムはヘロドトスが生まれた古代ギリシャ都市ハリカルナッソスἉλικαρνασσόςです)まるで「昔」のギリシャでは「ありえない」ことの集大成のようです。

なにげない、この映像を見ていて、私はふと泣きそうになるのです。

時間が解決するよじれた諍いや根深い紛争、時間が変えていく人間の社会。そのスピードは考える人によって速かったり、遅かったりするでしょう。

しかし、私たちは変わることを怖れてはいけない、伝統も変わることによって生きながらえていくように思います。人間もその文化も変われるからこそ素晴しいのだと。


私の想いは寒いみぞれ空の東京からエーゲ海の風が吹き抜ける香しい夏の夜のボドルムの城壁へと飛んで行きます。





50年前

2010-02-09 | ギリシャから
インターネット版のKATHIMERINIに「50年前の今日の出来事」
という欄があります。1960年2月8日のところを読んだら

ダッシンもサルトルもメリナ・メルクーリも元気で活躍中で
「日曜はダメよ」はまさに世界にデビューする直前。
今は日本と同じに大胆な改革を必要とされている年金IKAも
希望の制度として本格的に始まったばかりだったのだなぁ~と
とても感慨深いです。

1960年2月8日の主な出来事:KATHIMERINI
「ダッシンとサルトル」
映画監督ジュールス・ダッシンは今週パリを訪れた。わずか24時間の滞在の間にジャン・ポール・サルトルに会い、彼の最新作を元に自身で執筆予定のシナリオを元にダッシンが新しい映画を撮る相談をした。
ダッシンが不在の間も、彼の脚本・演出でメリナ・メルクーリ主演の映画「日曜はダメよ」の編集はアルファ・スタジオで進められている。
最終的な仕上げはパリで行われるものの、映画の撮影のすべてはピレウスで行われた。

「年金」
昨日国会では、農業に従事していた人たちへの老齢年金を支給する法案が引き続き話し合われた。

「塗装業」
アテネの住宅塗装業者と内装工の組合は首相と労働大臣に対し、70歳以上の組合員で社会保障年金IKAを受ける資格を認められないとされた100名に対して年金を支給するよう要求書を提出した。また、組合は、業界の高い失業率を下げるために、労働省の建物の外壁を塗り替える工事をするように提案した。

ミハリス・カツィゲラス:Michalis Katsigeras編