( 8½ )(51 rev.)VR奥儀皆伝 TP-VR Attract. 謎解き・テーマパークVR Web版

2022-05-13 | バーチャルリアリティ解説
Number51 rev. / パーク VRアトラクションの 品格
                          【( 8½ )総目次 】
 日本の品格「四書五経」が作った(11) VR之極意:③

 Ⅶ. 日本の品格 は「四書五経」が作りました
《 本Blogの 今回の頁は引用できます。本頁は近く鋳型化されます。2022.05.xx 鋳型化ここから 》

 □ 義を為すは、毀を避け 誉に就くに あらず 『墨子』
 ■ 道義を行うのは、誹りを避け 名誉を受けるためではない。 人として 当然、だからです。

 (51 rev.)「家紋つき自動車 ⑥」 小林美術科学

 今回は、予定を変更しました。デジタル修復小林美術科学(小林泰三氏)の ご業績を取り上げます。私の考える「万国博などの国際的な場で 日本人としての VR展示 を海外に示せる」お仕事をされているのが、小林氏だからです。

 2022年5月13日に 本Blog(51)を公開しましたが、ちょっと、失敗しました。霊柩車とか お墓の話は、若い人に ピンと来ません。若い人だって 考え事をしながら 道を歩けば、「野良いのししを避けようとした 自動運転車」に 跳ねられるかも知れない というのにです。ともあれ 旧(51)の「阿弥陀来迎図」の話は(52)に移すつもりです。それで(52)お墓の話「増補拡大版」にしますので、若い方は 参考にして下さい。(52)の公開まで、ここは(51 rev.)としておきます。(→ (52)は欠番。九州王朝 の話を はさんで、阿弥陀来迎図 を うしろのほうで 詳説します。)

 なお、VR奥儀皆伝での「歌物語」「日本の国宝」の関係が 良く分からないと思います。説明を下に 加えました。ところで ご紹介する 小林氏の『日本の国宝、最初は・・・』が、出版社の Web頁にありません。絶版でしょうか。ゼミ生の人数分を、研究室に置いておくと良い本だと思ったのですけれど。。。

 今回から 日本を代表する デジタル復元の 第一人者(デジタル修復師)、小林泰三氏の『日本の国宝、最初はこんな色だった』についてのご紹介を始めます。同書には「東大寺大仏殿」『地獄草紙』『平治物語絵巻』『檜図屏風』『花下遊楽図屏風』の デジタル復元が取り上げられています。ちょうど、現在の我々が  HMDを使って 3D体験に没入するように、当時の大工や絵師たちは 作品の彩色で、観客に 深い没入感を感じさせ、魂を揺さぶろう、と考えたようです。作者たちは、当時の 絵巻物、工芸品、建築物などで「超絶技巧」の 彼岸のイメージ を駆使しました。ところで、この本には載っていない事例ですが、小林氏がブログに 面白い話を書いておられるのを 最初に転載しておきましょう。

 小林氏が 高松塚古墳 石室の デジタル復元をされて、原寸大のレプリカが作られた時のことです。造られた当初、内部は白い漆喰 塗の背景が 本当に綺麗だったそうです。石室の中の、その場所に 死体が横たわっていた所に 自分も寝てみると、

   「あまりの居心地の良さに、本当に寝てしまいそう」になった、そうです。



 次回(52)に(増補拡大版として)棺桶や お墓にまつわる話を特集するつもりです。「阿弥陀来迎図屏風」は 臨終の際の「実用品」でした。死者の魂を あの世に送り届ける(あの世に迷わず成仏するようにと 遺族が願う)ための VR装置だった、ことも 述べようと思います。(→ (61)以降に)

 さて、以下、Q1、Q2 については 旧(51)のままの内容です。

Q1:(学生)「私たち学生は、VR の国際会議の 技術展示に採択される事
 を目指して、VR作品を作ろうと考えています。
 何を作れば 良いでしょう。」

A1: 作品のテーマは、何でも良いのです。(1)に「人工現実感の 応用可能
 な分野」を載せておきました。IVR'93 セミナー(GT-2-B)で 私が発表を
 した内容です。皆さんは、どんなテーマでも、VR作品 のために選べます。

 ただ、一つ注意して欲しいことは、発案者(つまり 開発作品のテーマを
 思いついた人
)が必ず、チームの一人で いるか、あるいは (試作機の)
 お披露目に 必ず 参加して貰う必要があります(32)。 Goalが どこか、
 開発の方向が 間違っていないか を判別できるのは、着想が「天から」
 降ってきて、作品になったところ を見たい!と感じた人だけだ、と 私
 は 知っているからです。他人のアイデアを 横取りした人には、

 作品開発の前提が変わった場合に、応用が 全く効きません

 米国映画では、原案を出した人を、必ずクレジットします。それは、
 そうしないと訴訟されるからですが、バーチャルな世界観の構築には、
 最も望ましい しきたりです。

 (38)には  そのこと(優れた工学の成果)が 伝統芸能や 人間国宝の
 創る工芸品に近いこと(着想を、天から得た こと)を 示唆しました。
 量産のできる製品であれば ロボットでも複製できますが、全く新しい
 新製品の試作一号機は、天才の仕事(ひらめき)です。このことは 梅棹
 忠夫氏らの 芸能の研究 に負っています。
 従って、例えば 「海外で AIが 猫 を認識できるようになった」ことが話題
 になり、同社の株価を押し上げた、などの「トレンド」に振り回されて、
 目の前のテーマにとびつき、自分が、本来 取り組み、自分が成果を出す
 筈だったテーマが おろそかになる事には 感心しません。それは、本末の
 転倒 です。

 □ 義を為すは、毀を避け 誉に就くに あらず 『墨子』
   自分のアイデアで「科学的研究」を することは、当たり前のことだから です。
 □ 人に勝つ者は 力あり。自らに勝つ者は 強し 『老子』(50)
   目の前の利権に 創造的な科学を放棄して 技術力を誇示し、来月の収入を確保したいと
   思うひとも多くいますが、成果を出す人は 勝ち負けに こだわりません。
 □ 物に 本末有り。事に 終始有り。先後する所を知れば、則ち道に近し 『大学』(41)

 まだ、年少で経験の浅い CG作家や VR開発者は、若いうちに「したほう
 が 良いこと」と「すると 良くないこと」を見極め、「身体の動きを通し
 て身につける」ことが必要です。
 手抜きは 無限にできます、が、もしも 指導される先生が黙認されている
 ようであれば、あなたは「その程度の学生だ」と見下されているのです。


 東大寺大仏殿 / 大仏殿の四天王(デジタル復元) 小林著『日本の国宝、最初は・・・』pp.19-54

Q2:(学生)「『作品のテーマは、何でも良い』と言われても困ります。
 母親も『夕ご飯の おかず 何が良い?』と聞いたとき、『何でも良い』と
 父親に言われて 困っていました。」

A2: 私がお薦めするのは、もし将来、欧米でバカ売れして 外貨(ドル)
 の稼げるものを作りたい、という(ありがちの)目的の開発だったら、
 東南アジアからの留学生に「現在、東南アジア(や 深セン)のパーツの
 マーケットで 品薄の部品」を調べて貰い、なぜ それが 足りないのか、
 その理由を考えてみるのが一番、てっとり早い と思います。

 その東南アジアの留学生は、これからも大事に付き合い続ければ、将来、
 VR作品の共同開発者になる可能性があります。共労の結果、量産される
 製品は、東南アジア工場のブランド名で販売すると良いでしょう。

 しかし ながら「本末」を考えると、現在動いている VR製品市場に関する
 情報については 気にせずに放っておき、むしろ捨てたほうが良い場合も
 多いはずです。現状で 動きが見られる開発目標については「フィードバック
 型開発」の競争に巻き込まれる場合が多く、先行しているステルス型の
 特許に引っかかり、訴訟されるリスクも、少なくありません。
 訴訟などに応対していては、研究が 前に進まないからです。
 また、科研費など公的な助成が関わっている場合、予算配分してくれた担当者に
 も影響が及ぶので 注意が必要です。当然、
   その意匠が「GAFAMの 後追い」に見える研究 などは、もっての他です。
 どうしても やる必要があって、戦前から日本で研究されている分野である、
 などの 大義のある研究であれば、伊勢・源氏や、信長の 事績 などに 良く
 似た意匠を探して下さい。必ず、見つかります。
 古典文学に既出されたアイデアであれば、先行事例なので、ステルス訴訟の
 対象になりません。
 歌物語の意匠で 外見を仕立ましょう。

 それが「源氏物語の 先進性」です。例えば、映画『禁断の惑星』1956年で、生霊が
 実体化して を守る精神分析 SFは、六条御息所の生霊の振る舞いと同じでした。
 レムの『ソラリス』も、親切な宇宙生命体(生霊)による「願望実体化」でした。

 そして、世界貿易での「ドル」の価値が下がっています。

 もしも 官僚が 惰性で、「米国市場で 外貨(ドル)を稼いでくれる人工
 物」を優遇するため、日本人科学者の GAFAMの後追いを黙認・推奨して
 しまっていたのであれば、その官僚は
 (米国への投資を推進されてきた 大物の 与党政治家と 共倒れに)
 政治的 影響力を 失います。
 ドルが大幅に変動して 現在の決済価値を失う事が、20年以上前から
 予告されていたからです。割を食うのは GAFAMの 後追い研究をして
 いる 現場担当です。

 現在(世界の国数で)3分の1が 貿易決済通貨で ルーブルを使っている
 ことは ご存じの通りです。ルーブルが、金本位制に なったから です。
 ウクライナの戦争で 米国がロシアを経済制裁したことでは、安定している
 ルーブルからドルが切り離されたことで、ドルの価値を 大きく失速させ
 ました。ドル円は、オバマ大統領の頃から、大幅な 変更を示唆されており
 「弱含んで」いたからです。

 ドルを取り巻く環境は、オバマ氏の頃から変わっていません。

 米軍は、年間100兆円の 米国の財政赤字を消滅させるため、トランプ大統領
 から(沖縄や 日本本土を含めた 全軍が)即刻 米本土に 戻れ! と 2018年に
 大号令 されました。それで ドルは、日本国内での 経済優位を失いました。
 本土から米兵が一人もいなくなったら 米軍の現地調達は なくなり、米国の事情
 を詳しく説明できる日本人も いなくなります。

 1ドルの価値は、2004年から 50年間 下落し続けます、と 大胆な予測をした香港の投資
 銀行のマネージャーの名前が『ニューズウィーク』の ペリスコープ欄に紹介されました。
 彼は、D. ロックフェラー氏に、そのことを報告したそうです。

 また、少し前ですが、日本経済の将来の隆盛について リチャード・クー
 氏は、「日本は、ある法律の条文を一行 書き換えるだけで、1960年代の
 高度経済成長をもう一回起こせるだけの原資を手に入れる」と指摘して
 います。何が言いたいのかというと、GAFAMの後追いの研究を日本でして
 いる日本人は、
   一言で言えば 米国経済と一緒に沈むから 危険だ、ということです。

Q3:(学生) 私たち学生の取り組むべき作品が、チームに「天から」降っ
 てきたテーマで、その意匠が「他国の後追い」とは 全く似ていないもの
 であることは 分かりました。では、どんなテーマが良いのでしょう。

A3: 次に挙げる本を読んで下さい。私は、この本を読んだことで 歌物語
 の VR化に、無限の可能性がある事に気づきました。小林泰三著『日本
 の国宝、最初はこんな色だった』 です。必ず ヒントが得られます。


 狩野長信 Wikipedia

 例えば『花下遊楽図屏風』では、その 右隻中央の 2扇が、関東大震災のとき 焼失していました。小林氏は天才的な探究心で調査を進め、江戸城お抱えの絵師 狩野長信が この屏風を完成させたときの とても洗練された衣装の色合いを、専門家の知見を得て、見事に復元されました。(次回以降に詳説します。)ここでは ごく簡単に「美術探偵」小林氏の活躍を一つだけ、ご紹介しておきます

 「右隻」の中央は、関東大震災で焼けたそうです。そこには、貴婦人たち(淀君説もあります)と童女が桜を愛でています。この童女の裾が「ほんの少しだけ はみ出して」描かれていました。そこは焼けていない部分です。
 東京国立博物館の専門家に尋ねると「黒紅」という高貴な色だったことが分かりました。江戸初期の上流社会の落ち着いた上品な黒です。服飾史の切畑健氏からは「高貴な人の服装が 次の流行を先取りしている」という言葉も、教えて頂いたそうです。

 こうした一連の復元プロセスで、小林氏の感じた 疑問、そして専門家への 的を射た正確な質問が、VR デジタル復元に そのまま役立ちます。それは、例えば、日本画の専門家が 日本画家として復元する とか、服飾史の立場から復元する といったこととは 違ったアプローチです。VRで 第一に必要な技術は 観客の没入感 で、それによって オリジナルの製作者の感動も復元できるからです。私はこの書籍をゼミの副読本にして、学生実習には Photoshopで 小林氏と同じ復元作業をして貰うと学べることが多いと感じました。

 そして、「歌物語の VR化」や「日本の国宝のデジタル復元」をベースにした作品であれば、VRの国際学会でも 博覧会などでも「日本製」だと一目で分かるので、海外からも歓迎されるのではないでしょうか。信長の美意識が歓迎されたことと同じように。

 小林氏の『日本の国宝、最初は・・・』の事例は、これからも何度も紹介します。

   《 鋳型化ここまで 》
   フェロー武田 「家紋つき自動車 ⑥
」( VR奥儀皆伝(8½)(51))
   Blog TP-VR Attract.のトリビア 2022.5.xx

 「世界の国からこんにちは」吉永小百合 『世界の国からこんにちは』♪三波春夫 音頭取りの名人

 ところで、ここまでに ずっと VR奥儀皆伝で述べてきた「四書五経と歌物語」と 小林氏のデジタル復元された「日本の国宝」が どういう関係なのか分からなくて、戸惑っている方のために、注釈を少しだけ書いておきます。

   ① 織田信長が上洛したとき披露された四書五経と歌物語」(そして 茶器)に対する 彼の深い知識は、朝廷から馬鹿にされない 高い品格を 武士も持っている、ことの証しでした。茶器は非常に高額で、審美眼があっても裕福ではない朝廷は、信長の 優れた茶器のプレゼントを歓迎しました。
   信長の美意識(35)に まとめてあります。信長は「国主」として外国との折衝を任されたので、信長がローマ法王に届けさせた金屏風は 現在で言えば「日本の総理大臣からの 公式みやげ」です。信長の庭園美についても、近く 述べる予定です。( VRによる世界観の構築です。)
   秀吉と家康は、信長の美意識を かなり忠実にコピーしました。
   ② 信長からバチカン市国に届けられた金屏風には 安土城 城下の「神学校」も描かれていて とても評判になったので(私見ですが)対抗してルイ14世に『鏡の部屋』を造らせました。また 金屏風は、ベルエポックや クリムトの絵画などに影響しました。
   ③ (これも私見ですが)16世紀に日本の金屏風が西欧にインパクトを与えた理由は、古代ギリシャで『ミロのヴィーナス』が造られていた頃に「母系制社会の価値観で歓迎されたゴージャス感」が西欧の王室文化と日本の桃山文化の中で再燃したためではなかったでしょうか。(そもそも、アテネ・アクロポリスの丘の「パルテノン神殿」の ご本尊 アテネ像 13m が 金と象牙で彩られていました。)日本では「歌物語」が、屏風や絵巻物、調度品の格好の題材でした。そして、おそらくですが、デジタル復元された東大寺大仏殿 四天王の豪華な截金 きりかね 模様」が、その後の日本の細かい金箔細工の原点の一つになったと思われます。『日本の国宝、最初は・・・』で、また紹介します。
   ④ 東大寺の大仏殿の 比較するものがない 豪華さについては、白村江の戦いで「九州王朝+大和王朝連合軍」が惨敗したことが理由で 東大寺の大仏が造られ、唐の軍隊などにも「日本は軍事産業ではなく仏教という平和産業に税金を全額使う平和国家です」と 風評を送り 唐と交戦する意思が 全く ないことを広くアジアに知らせる 象徴でした。面白いことに、中尊寺の金色堂も全く同じ理由です。高額な金箔をべたべたと ぜいたくに貼って建てられていますが、謀反の疑いをかけられた 奥州が「大和朝廷に恭順します」と示すためのポトラッチでした。おそらく、その金色堂の噂を聞いたマルコポーロ物語の作者が日本をジパングと紹介したことから「ジアパン島」(彌永信美著『幻想の東洋』)が私たちの国名になりました。ええと、何の話をしているのでしたっけ。そうです。信長の美意識「歌物語」とデジタル復元された「国宝」の関係が何なのか、でした。
   ⑤ 私は単純に、こう考えています。東大寺の大仏を建立したとき、仏像の最高の表現は(道教の影響もあって)「金色」でした。仏法は日本の国教で、東大寺も鎌倉の大仏様も全身が金色であることが 最高の品格を示しました。仏法が あまねく世界を遍照していることが表象されています。真言宗は、弘法大師を遍照金剛とお呼びします。それが護国鎮護の仏教理論となりました。パリで 歌舞伎やお能を 日本人が公演すると、必ず首相が大感激して「文化勲章」を度々頂いています。あれはお世辞でもなんでもなくて 金糸銀糸で彩られた絹の衣装の豪華さと芸の力が、まぎれもない感動を与えたのです。世界最高クラスの文化遺産だから ということで、フランスの最高ランクの 文化勲章が与えられました。そして 小林氏が国宝の東大寺 大仏殿を CG デジタル復元してみたら、四天王も(唐様に)とっても「カラフル」な お姿でした。それが元の装飾だったのです。その豪華さに彩られた品格が、信長の金屏風を生み「Made in Japan」の名を世界に輝かせました。「安土城の復元模型を、関西・大阪万国博に 凱旋展示しましょう」と私が言っているのは、そのためです。そして、VR開発者も これから小林美術科学の VG デジタル復元を良く勉強して「歌物語」の文脈で 日本製のオリジナルな VR製品を彩りましょう と 私が言っているのも、そんな理由からでした。

   次回以降に「宝相華 ほうそうげ 」を解説して、天平時代のおしゃれに酔って頂きます。


 薬師寺東塔の宝相華文様 大山明彦 奈良教育大学教授作成

 ※ 今回はIBM産業スパイ」事件や「セガ vs. コイル訴訟」が 先行研究の模倣では決してありませんでしたが、米国の裁判官が それに近い判断を下して 賠償額を増やしたこと。しかし(それは誤解で)日本には( ITについては、例えば)独自の AI 研究の歴史があり、自動車設計の研究についても 戦前からの日本市場に向けた独自の設計思想の 長い歴史があったこと。従って、経済産業省は、それらの 日本人先達の研究の歴史について 2025年の 大阪万国博の前までに「海外の陪審員」を納得させるだけの 十分な情報を世界に発信しなくては いけない といったことを書くつもりでいました。そのため、米国の自動車業界に大きく貢献した田口玄一氏の著書を読んで タグチメソッドという(統計的)品質管理手法の SN比 の秘伝 について調べたのです。が、次号以降に送ります。

 ちなみに、熊本の永井明氏が発明した プリメイン・アンプを構成する「SATRI回路」という魔法(逆転の発想)では SN比が ボリュームのどこの位置でも変わりません。(興味深いでしょう。)波形が、録音時の波形と寸分違わずに再生され、打楽器や 特にピアノの音色が 他のアンプに比べて 抜群に綺麗です。永井氏は 最初、高性能の計測器を作っておられました。このアンプの設計にも 計測器のセンスが生かされています。

 メーカー直販の【 SATRI オンラインショップ 】を 新しく 開設したそうです(2022.10.02追記)
 販社サイト:SCL CAP-1001 スモール・パワーアンプ by SCL
 ( SCLは、SATRI Circuit Laboratory。旧 Bakoon Products )

 ※ 音響を使った VR心理の実験などに、SATRI回路は 波形が崩れず 再現性が高く正確です。

   SATRI回路」誕生秘話(AudioAmigo誌 No.6号インタビュー記事。試聴屋ブログ)

 今 思い付きましたが、万国博では「日本オリジナル」の技術で SATRI回路を ふんだんに演出に使用するアイデアもありそうです。例えば、外山雄三氏作曲の『ラプソディ』は N響が 海外公演のアンコールに用意した名曲ですが、打楽器を多用しており SATRI回路に向くかも知れません。

 ※ 5分半の短縮版 ラプソディ(沼尻竜典氏指揮、都響の全曲版も あります) 

 VR奥儀皆伝( 8½ )(50) → こちら
 ( 8½ )「
暫定総目次
 VR奥儀皆伝( 8½ )(53)に続きます。 → 
こちら 
(52欠)