はじめて会う人にまずされる質問がこれ「どこの出身ですか?」である。東京に生まれ育った人間として不思議な感じを受ける。東京なら「どこに住んでいるのですか?」だろう。田舎の人は、地元意識が強くそこで生まれれば、今どこに住んでいても同郷の人なのである。両親のどちらかが山形県出身でも準山形出身者の扱いである。私見を述べさせていただければ、地元を捨てて、地方に行ってしまった人より地元に住んでちゃんと税金を納めている人の方が、山形県人だと思うのだが。いつまで経っても私は、山形県人にはなれない。
話は変わるが、私たちの前にも山形弦楽四重奏団という団体が、10年位まで存在した。一流の音楽家達を年に一回山形に呼び、山形弦楽四重奏団という名前で演奏会をさせていた。その後、名前を文翔館カルテットに変え、発展的解消した団体だ。その頃私たちは、何で地元に密着して、そこで生活している音楽家は無視されているのだろうと思っていた。弦楽四重奏団を結成する時に、名前をどうするか考えていたが、その山形弦楽四重奏団の名前をもらうことにした。山形弦楽四重奏団は、やはり山形に住んでいる人で活動してなければとの思いからである。正式に山形弦楽四重奏団の名前をつけるにあたって、その運営母体であった山形県生涯学習文化財団に確認をとってから名乗ることにした。年4回の定期演奏会と施設等へのボランティア演奏を主目的としている。
つづく。