白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

明日があるということ

2009-01-28 | 日常、思うこと
明日があるということは奇跡なのかもしれない。





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先日の東京滞在中に著しい体調不良に陥り、
ずいぶん申し訳ないことをしたと悔やんでいたところ、
その前日に集った、I氏、BIFF氏、
そしてマイク・ウィリアムス氏(Count Basie Orch.)も
僕が東海道線の車内で横浜まで汗だくで震えていたころ、
練馬、青山、ホテルオークラで、同時多発マーライオンと
それぞれ化していたことが判明した。






どうやら、僕の体調不良の原因は、赤坂で食べた生牡蠣に
潜んでいたノロウィルスだったようである。
激しい悪寒と発汗、嘔吐、下痢という症状からしても
やはりただの飲み過ぎによるものではなかった。
数年前に所属していたビッグバンドのラストライブの日に
ノロウィルスに冒された時の症状と酷似はしていたのだが、
それを忘れていたのか、自己責任として引き受けたのか、
終始飲み過ぎによる二日酔いとして通していたというのは
我ながら、涙ぐましい。自分を褒めてさえやりたくなる。
あまつさえ帰途の東京駅で再び牡蠣を食べて帰ったのだ。
もはや一種の美談であるとさえ思う。





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母の胃に見つかった腫瘍は、幸いにして良性だった。





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昨日、仕事中にインターネットで探しものをしていたところ
突如エクスプローラーが作動を停止した。
おかしいと思い、再起動をしようとして、他に開いていた
いくつかのファイルを閉じようとしたが、全く反応がない。
仕方なく電源ボタンを押してパソコンを強制終了させ、
再び電源を入れたところ、全くウィンドウズが起動しない。
仕方ないので、仕事場に常駐しているSEに連絡をとって
パソコンの症状を告げたところ、

「それはハードディスクが壊れましたね。
 データはたぶん、全部消えてますね。
 バックアップは取ってあります?
 パソコン交換にうかがいます。」

という、東尋坊から突き落とすような返事が返ってきた。
僕はバックアップを全く取っていなかったのである。
今回ばかりは、迂闊、間抜け、ど素人、いかなる罵詈雑言も
甘んじて受けることとしたい。





悄然として立ちつくしている僕のところに、
SEが柔らかな笑みを浮かべてやって来た。
バックアップは取っていない、という僕の返事に、
SEは柔和な笑みを保ったまま、あ、そうでしたか、
それでは交換してきますね、と言って、僕のもはや動かない
パソコンを携えて去っていった。
この3年間の仕事の蓄積が一瞬で消えたのである。
もはや怒りや笑いを通り過ぎて、ある種のすがすがしさ、
清涼感すら感じられて、思いがけず心が弾んで、
死んだはずだよお富さん、と春日八郎を鼻歌などして、
周囲からとてつもなく冷徹な視線を浴びた。





1時間後、SEが変わらぬ柔和な笑みをたたえてやってきて、
バックアップは取りましょうね、という、死神の鎌一閃を
食らわして帰っていった。
日付変わるまで、紙に打ち出していた膨大な資料のなかの
ほんの一部のみをベタ打ちし、帰宅し、
眠ったのか眠らぬのかわからない夜はあっという間に明けて
前夜のやけ酒抜けきらぬ眼で再び今朝からベタ打ちを再開、
昼過ぎに小休止しようとインターネットを開いたところ、
突如エクスプローラーが作動を停止した。





おかしいと思い、再起動をしようとして、他に開いていた
いくつかのファイルを閉じようとしたが、全く反応がない。
仕方なく電源ボタンを押してパソコンを強制終了させ、
再び電源を入れたところ、全くウィンドウズが起動しない。
仕方ないので、仕事場に常駐している再びSEに連絡をとり
パソコンの症状を告げたところ、

「それはハードディスクが壊れましたね。
 データはたぶん、全部消えてますね。
 バックアップは取ってあります?
 パソコン交換にうかがいます。」

という、華厳の滝から突き落とすような返事が返ってきた。
僕はまだ、バックアップを取っていなかったのである。
今回ばかりは、迂闊、間抜け、ど素人、いかなる罵詈雑言も
甘んじて受けようと、悄然として立ちつくす手前で、
ふと停止した。





昨日交換したばかりのパソコンが、どうして今日吹っ飛ぶ。





憮然として立ちつくしている僕のところに、
かのSEが柔らかな笑みを浮かべてやって来たので、
くぁwせdrftgyふじこlp;@:「」と言ったところ
技術者総動員での復旧作業となり、何とかデータは救えた。
また、別のSEによって、昨日吹っ飛んだデータもどうやら
救えるかもしれないという知らせももたらされた。
感謝の一念である。





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F氏からのメールと、I氏からの電話がなければ、
僕は彼の訃報に接し得なかった。





彼の訃報に接したとき、
僕には1999年1月6日にニューヨークで亡くなった、
ミシェル・ペトルチアーニのことが真っ先に思い浮んだ。
精いっぱいのことをしてくれたH氏には、
心から感謝したいと思う。





彼の音は、愛らしかった。
こんなことになるとは夢にも思わずにニューヨークへ
赴いたことだろうし、
おそらく、想像を絶する苦しみだったと思う。





悔しい。









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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2009-01-28 22:30:07
ハードディスクがいかれたとしても確かデータを抜きだすことはできるハスです。
基本的にデータ本体を粉々にしないとデータは残ったままになるんですよね。

どういった方法で取り出すのかは忘れたので、それ以上を示唆することはできませんが。
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Unknown (lanonymat)
2009-01-28 22:54:32
どなたか存じませんが、ありがとうございます。
明日、SEとともに朝から復旧作業を試みる予定。
電磁情報の破損と物理的な破損は違いますから、
何だか腑に落ちなかったのです。
復旧してくれることを祈るばかり。
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