白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

10時のニュース

2006-08-28 | 日常、思うこと
徳島県の1河川に偶然迷い込んだ一頭のアザラシの死を 近隣の老若男女が悼み、涙し、花さえ供える光景を伝える ニュースを見た。 大阪・西成区役所のある職員は、1年に2,3度、 行き倒れた路上生活者や日雇い労働者の、黒紫色に変色して いまそこに腐敗しつつある屍体に出くわすそうだ。 誰にも看取られずに、埃と泥と垢と排泄物にまみれた襤褸に 侵食されていく、「かつて人間であったもの」は、 大阪市の職員 . . . 本文を読む

煉獄のなかで

2006-08-26 | 純粋創作
鋼鉄の橋が捻じれ曲がり 焔立つ祈りから崩れ落ちるのを守るために 狂おしく僕の骨が燃える 地底湖から血液が渦を巻いて飛龍のごとく上昇し この脊髄を洗い 叫び 口から噴出し ちりちりと 燐粉が 漆黒の闇に明滅する ああ、たったいま死を超える速度で破壊される僕を見てくれ 巨樹の樹皮のような疱瘡に覆われて 化身を引き伸ばしながら その内側へと巻き込まれる 僕の顔 仮面  この裂け目から覗い . . . 本文を読む

おめでとう。

2006-08-21 | 日常、思うこと
そして、ありがとう。 これ以上は、ちょっと言葉に出来ません。 中央道の車中で、いろいろなことを思い返して、 込み上げるものを堪えきれなくなって、 誰にも見られぬよう、そっと涙を拭いました。 ほんとうにありがとう。 そして、おめでとう。 また、会いましょう。 . . . 本文を読む

お還りなさい

2006-08-11 | 日常、思うこと
死者の魂が還る、とされる日を前にして、 86歳となった祖母は座敷に盆提灯を掛けた。 僕は納戸の奥に納められた先祖代々伝わる日本刀を磨き、 清めの酒を吹きつけ、鞘に収める。 生きていれば88歳である祖父の遺影の前に 冷の天狗舞の杯を置き、一献。 ********************* 中学3年の夏、盆過ぎの、 父親が出張で不在の暑い日の夜のこと。 祖母が、我 . . . 本文を読む

一期一会、光と熱

2006-08-10 | 日常、思うこと
「人権について考える会」というものに、公職にあるものは 月に一度は参加することになっている。 その日講師として招かれた女性は、1980年生まれ、一昨年 愛する人と結ばれた経歴を持つひとだった。 会が終わったあとで、何気なく会話しているうちに ボブ・マーリーやCOCCOの話になり、 JAZZの話などしているうちにEGO-WRAPPINなる 名前が出てきたり、と、いうことで意気投合して、 亭主 . . . 本文を読む