白河夜舟

水盤に沈む光る音の銀砂

adagio

2007-03-22 | 日常、思うこと
死を引き裂くようにマーラーの第九交響曲を浴び 眼は悲しく笑い狂おしい響きに愛された 漆黒の闇へと陥入していく寂漠と 孤独をさかさまに飲み込む虹橋は 花のような傷を味わいながら 途方に暮れるように小さく崩れて風に折れる 夏の破片が微かな音をたてて流砂を偲ぶとき 海のなかで弾けた飛魚の鱗をかき集めて 空いっぱいに象眼して天球を拵えたのは 僕たちのせいいっぱいの償いだったのだろう 抱きしめるものもなく . . . 本文を読む

Q&A

2007-03-12 | 日常、思うこと
三島由紀夫が大蔵官僚であった頃、その文才を見込んで 国会答弁を書くように命じられたという。 三島が書き上げた答弁は、その簡潔明瞭な事態の分析が 「言い逃れが出来ない」ように完成されすぎていたために 没になったという。 経済産業省から取り寄せたデータの解析を終え、 これを提出して居並ぶ諮問委員会の面々を驚嘆させて 卑近な自負と満足に基づいて、一連の仕事にようやく 大きな分節をすることが出来 . . . 本文を読む