この本(ピーター・ローベンハイム著、日本教文社)は、題の通り、子牛が生まれてから、その牛がハンバーガーになるまで(成長するまで)を記録したものです。
最後は、ハッピーエンドなんです。著者のローベンハイム氏は、牛をハンバーガーにするのではなくて、「ファーム・サンクチュアリ」という動物保護施設に預けます。
ウシが成長するまで=畜産業、というのは、人間が管理しているのだな、と思いました。鶏が狭いケージに入れられているがごとく、です。
でも、農場での作業に添って書かれているので、読んでいると、愛着が湧いてくるのです。朝から晩まで、農場での仕事って、本当に大変だなあと。
この本に登場する労働者は、善良で働き者の人たちが多いです。読み終えた時、私は彼らに好感を持ってしまっていました。
それにもかかわらず、やっぱり、牛さんが可愛そうだ、と思いました。
アメリカの畜産業の仕組みなんでしょうか? 日本も似たようなものではないかと思うのですが。
この牛さんたちの姿は、未来の人間の姿、のような気がして、心が寒くなったのです。
ローベンハイム氏の子牛が生まれた農場(1000頭を飼育)のスーザンは、ウシに抗生物質やホルモン剤を注射する時に、「恐がってても仕様がない。増産につながることなら、やらなきゃならないってことだもの」と言われていました。
私はこの発言がどこから出てきたのかを追求していったら、これから先、どういうふうにしたら良いか、が分かると思います。
アメリカは、儲け優先だと思うから、この理由を考えることなんかしないと思うから、暇な私がやらせてもらいます。