
「近江の中でどこが一番美しいかと聞かれたら、私は長命寺のあたりと答えるだろう」
白洲正子さんが「沖つ島山」(『近江山河抄』収)で冒頭に綴っている。
琵琶湖岸の道を近江八幡にある長命寺目指して出かけた昨日。
初めて行ったのは12年ほど前、小説『群青の湖』(芝木好子)を読んだのがきっかけとなった。

前回のしんどさは忘れてしまっている。「石段で上がるわ」という同行者を「ではご自由に」ともいかず、再度の挑戦となった。
車での参道(下から1.3キロ)も用意されていて、その駐車場からなら8分の1ほどだろうか。

後方へよろけたたら転がり落ちるしかなさそうで、その怖さが頭を離れなかった。

「あそこまで」を何度も繰り返しては息を整え、整えし、
駐車場わきから設えられた手すりに手を添え出したら、足が重くなった。

見あげて、「あと少し」と思ったことでちょっと気合いがキレた、かな。
実は本堂まで、この奥から少しばかり階段があったのだ。

本堂で無事お参りさせていただけたことに感謝し手を合わせ、縁にあった腰掛でひと休み。うっすら汗をかいた身体に風が心地よい。

山内、楓の花盛りだった。

この景色(↓写真は’13年のもの)の記憶はあるので、鐘楼のある高台まで行かなかった。
それが10数年経過の証かもしれない。

長命寺は西国33霊場の第31番札所。
景行天皇の世に竹内宿祢(たけうちすくね)がここで長寿を願い、その後、聖徳太子が寺を創り、十一面観音を祀って「長命寺」と名付けたと伝わる。808段の石段を上り詰めると正面が本堂、右手に三重塔が目に入り、護摩堂や鐘楼など建ち並ぶ。
歩かなければ見られない琵琶湖の風景を望み、シャガの花の群生に目をやりながら、帰りは車の道を歩いて降りた。
生かさるる喜びに鶯の声が降る。
近江八幡は行ったことがありますが、
長命寺は行ったことがありません。
いい味わいの、長い石段があるのですね。
何段くらいあるのでしょうか。
此処を登ると、神聖な場所にたどり着くのですね。
シャガの群生があったのですか?
私はシャガが好きで、以前の家にはシャガを植えていました。
お邪魔しました^^
808段です。どこまでも続く石段です。
そうですね、「いい味わい」かもしれませんね。
宿祢の長寿にあやかれますでしょうか。
長生きしたいけど年を取るのは嫌、などとは言いません。
鐘楼まで上がれば、美しい屋根の反りが一望できます。
シャガはあちこちに咲いていました。小さな群生は各所に。
石段の足元には菫が咲いて。でも「なにやらゆかし…」の余裕はありませんでした。
安かりし 今日の一日を 喜びて み仏(おや)の前に ぬかずきまつる♪
と口ずさまれたのでは、などと勝手に拝察申しております。
keiさん一流の素敵なセンテンスと美しい画像に感情移入しきりでした。
恥ずかしながら長命寺さんに一度はと思いながら果たせぬままに。
800段の石段は今の私にはとても。駐車場まで車では「ご利益」もありませんでしょうし。(W)
私にとりまして琵琶湖は心のふるさとです。取り分け西近江、奥琵琶湖、そして西近江辺りが好きで四季折々に訪ねてきました。今年もそぞろ・・・。
「生かさるる喜びに鶯の声が降る。」
けだし名言ですね。
どうも有難うございました。今宵これにて。称名
と記しましたが、
取り分け北近江、奥琵琶湖、そして西近江辺り・・・
でした。失礼致しました。
車で駐車場までという気持ちが多少なりともあったのですが、
気が遠くなりそうな石段も休み休み上がらせていただけました。
その足取りにウグイスの応援歌はすばらしかったです。
12年の歳月を経て、上りきれた再びの機会はやはり生かされている喜びにつながりますね。
帰路の足取りは軽く、ウグイスの声は観音様からの有難い贈り物です。
下りてからは眼前の長命寺港でひと休みし、
一冊の小説から長命寺、そして菅浦へと導かれましたこと思い出しておりました。
駐車場からでも100段以上はありそうですから、きっと「ようお詣り」と導かれますでしょう。
ご縁を結びにぜひお出かけになられては? 今です(笑)
ありがとうございました。
20年近く前に「西国観音巡拝」でこの石段を上りました。
60歳代後半でしたが結構しんどかったことを覚えています。
上りよりも降りるときの方が石段が怖かったですね。
四国八十八か所巡りもその前年終えてお陰さまで
お大師様に守られて元気で過ごしています。
「びわ湖百八霊場」としても「72番 湖東19番長命寺」が紹介されています。
どこまでも続くうえに段差が大きく異なり、かなりきつい石段です。
お参りされてらしたのですね。
そうでしょうね。これだけの石段ですから膝に来ては困ると思って帰りは車道にしました。
そのおかげで周囲に目をやる余裕もでき、ウグイスが鳴きかわす声に安らぎました。
コメントありがとうございます。
お元気にされてらっしゃるのが何よりのご利益ですね。