京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

楽しみの種まき日

2023年10月19日 | 日々の暮らしの中で
楽しみを待つようなタネをつくっておきたい、というわけでプランター3つにオオアマナの球根を植え付けた。

これは義母が、どなたかにもらい受けて庭に埋めていたのだった。気づけば消滅寸前の危機。
草っ葉の中から拾い上げたのを機に、プランターに移した。
花殻も摘み、葉が枯れたら毎年掘り上げて、と珍しく手をかけている。

 
        桜が咲いていた

鎌を手に、あたりをちょこっと草刈りするだけで汗ばむ夏日の今日。大きなひと仕事を終えたあとは、縁の階段に腰を下ろして空を見上げてのひと休みが続く。虫の声が高らかに耳に入る。

畑帰りの文子さんが自転車を止めて声をかけてきた。「花いらん?」
(いらんことなどないわ。有難くいただきます)。
彼女とは込み入った話を、もう何十年と交わしてきた間柄だ。しゃべりたいという心の内がわかるので、ずいぶんと聞かせていただいた。お互い歳を重ねた。なんだったんだろうね、あの頃…。

   ダーリアも仏に供へ奉る  

明日は雨の予報だ。
〈たのしみは人も訪ひこず事もなく心を入れて書を見るとき〉 こんなふうに過ごせるだろうか。

長谷川等伯ゆかりの本法寺を訪ね、墓にもお参りし、『等伯』を読むための心の準備などしながら、横入りの本に先を越され続けている。
こうも後回しということはきっと何かある。(読まんでもいい)(読むに値しない?)(楽しみは先にとっておけ??)

 先に『中陰の花』をと取り出した。玄侑作品、この際再読しておきたい。
コメント
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