
涼しい風が吹き抜けます。誰もいません。ときたま背側をウオーキングやランニングする人たちの足音が通りすぎるだけ。
こういう場所に来て、どんなふうに時間を過ごしましょう…。

文庫本をもって出てきました。あまりに心地よく、本など読んでいられません。考えごとも煩わしい。
「ぐうたらで、不平家で、ろくでなしで、腹へらし」
「勉強ぎらい、働くこと大きらい、できるのはただ大あくび」
いいえ、いいえ。私はピノッキオではありません。
ですが、何をする気持ちにもなれません。水面のきらめきに目を奪われ、鯉がはねる水音、鳥の声に耳を澄ませ、なにか気配のような、なんだかわからないけれど、静かな周囲の中に感じる何か、を聞きながら感じながら、静かに時間を過ごした午後でした。何もかも独り占め。

思ってもいなかった時間が得られて、たっぷり充電がなった気分です。