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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

モリのいる場所

2018年12月12日 | 映画・観劇

「もっと生きる、もっと描く」 画家・熊谷守一 モリ94歳  (山崎努)
「ああ、そうですか」 妻・秀子76歳  (樹木希林)

おかしかった。おかしくて何度も笑った。
この風貌、頑固なお爺さん? いえいえ、そんなことなくて、人嫌いなどではない。30年間、自宅の庭の豊かな自然の中に住む生き物を観察して暮らすモリ。聞きたかった「蟻は左足から歩く」の言葉だが、「蟻は左の2番目の足から歩き出す」と、より具体的だった。

二人の間の子供は早くに亡くしたらしい。その代わりにたくさんの人の出入りがある。
大勢で楽しく日々暮らしているようにみえるが、「毎日いろんな人が来て、なんだか疲れますねえ」と秀子さん。同感同感。
モリのいるところに人が集まる。ワイワイ、ガヤガヤ、乱れ飛ぶ言葉にも、分かち合うコミュニケーションがあり、人との交わりが絆をつくっている。
妻・秀子の飄々とした味もなかなかのものだった。 

杖2本を支えに歩くモリは94歳。年齢を重ねることでそなわる人間の美しさ? 存在の美しさとでもいいたいものが漂う。老齢だからとは済ませたくない、泰然とした大きさがある。人が集まるのにも訳があるのだ。

10月の上映時に一度映画館を訪れたが、開始1時間前で既にほぼ満席状態。そのままスルーしていた映画「モリのいる場所」。再度の上映を知った友人からの声がかかり、肩が詰まり首が回らないという不調も幾分か回復傾向にあったので、いそいそと出かけ楽しんできた。でもやっぱりなぜか首筋が詰まる。




コメント (4)
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