芒穂の迷子の風を招きをり
「少子化というのは結局、(中略)・・・未来を信じられないことが原因で子孫を残すことをためらうという、一種の「自傷行為」なのではいかと。(中略)人間の価値は、誰かに「あなたはかけがえのない人だ」と言ってもらえるかどうかで決まる。人との絆を回復することで、そして自分を生かしてくれる自然の恵みとのつながりを回復することで、ようやく「自分は自分でいいんだ、かけがえのない自分なんだ」ということを実感できる。そのとき初めて人は、心の底から子どもが欲しいと思うようになる。(中略)この自分の幸せを、生きている幸せを、子どもにも味わって欲しいと心の底から思うとき、ようやく人は子どもを持つ一歩が踏み出せる。」(藻谷浩介他著「里山資本主義」角川書店)