水仙のこぼれ話

         風に揺れる水仙の花から時折余談が零れ落ちてくる

インドの寓話

2014-10-01 | 頭の空回り
面白いインドの寓話に出くわしました。少し長いですが紹介します。

「昔、大変賢い友達が四人、インドの草原を旅していたところが、
そこに百獣の王のライオンの骸骨がばらばらになってありました。
 第一の人は、その骨を丁寧に集め、骸骨をすべて整えてライオン
の形をつくりましたところ、これが非常に見事にできました。
 それを見ていた第二の人は、よし、これだけ立派に骨組みができ
たのだから、それじゃおれはこのライオンの骨に肉をつけ、皮をか
ぶせようとやったら、これまた見事にできたわけです。
 そうすると第三の人は、あまりにもそのライオンのようすが見事
だったものですから、おれは一つこのライオンに命を吹き込んで、
猛々しいライオンにしてみせると意気込みました。それは自分の腕
をふるい、知恵を絞り、才能を誇ろうという気持ちから、そう申し
出たのです。
 ところが第四の人は、いや、それは困る。命を吹き込むと、世の
中にどれだけ危険なことをするか分からないから、ここまで見事に
できたところでやめにしようといったのです。
 第三の人は、聞き入れません。自分にはそれができるんだからや
るんだといい張ります。
 第四の人は、いくらやめさせようとしても聞いてくれなかったの
で、高い木の上に登って難を逃れました。そして第三の人がライオ
ンに命を吹き込んだとたん、ライオンは怒り猛って三人を食べてし
まったということです。」
(小堀宗慶著「美しい心 茶のこころ」婦女界出版社刊より)


地球儀の海青々と鬼やんま


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