面白いインドの寓話に出くわしました。少し長いですが紹介します。
「昔、大変賢い友達が四人、インドの草原を旅していたところが、
そこに百獣の王のライオンの骸骨がばらばらになってありました。
第一の人は、その骨を丁寧に集め、骸骨をすべて整えてライオン
の形をつくりましたところ、これが非常に見事にできました。
それを見ていた第二の人は、よし、これだけ立派に骨組みができ
たのだから、それじゃおれはこのライオンの骨に肉をつけ、皮をか
ぶせようとやったら、これまた見事にできたわけです。
そうすると第三の人は、あまりにもそのライオンのようすが見事
だったものですから、おれは一つこのライオンに命を吹き込んで、
猛々しいライオンにしてみせると意気込みました。それは自分の腕
をふるい、知恵を絞り、才能を誇ろうという気持ちから、そう申し
出たのです。
ところが第四の人は、いや、それは困る。命を吹き込むと、世の
中にどれだけ危険なことをするか分からないから、ここまで見事に
できたところでやめにしようといったのです。
第三の人は、聞き入れません。自分にはそれができるんだからや
るんだといい張ります。
第四の人は、いくらやめさせようとしても聞いてくれなかったの
で、高い木の上に登って難を逃れました。そして第三の人がライオ
ンに命を吹き込んだとたん、ライオンは怒り猛って三人を食べてし
まったということです。」
(小堀宗慶著「美しい心 茶のこころ」婦女界出版社刊より)
地球儀の海青々と鬼やんま
「昔、大変賢い友達が四人、インドの草原を旅していたところが、
そこに百獣の王のライオンの骸骨がばらばらになってありました。
第一の人は、その骨を丁寧に集め、骸骨をすべて整えてライオン
の形をつくりましたところ、これが非常に見事にできました。
それを見ていた第二の人は、よし、これだけ立派に骨組みができ
たのだから、それじゃおれはこのライオンの骨に肉をつけ、皮をか
ぶせようとやったら、これまた見事にできたわけです。
そうすると第三の人は、あまりにもそのライオンのようすが見事
だったものですから、おれは一つこのライオンに命を吹き込んで、
猛々しいライオンにしてみせると意気込みました。それは自分の腕
をふるい、知恵を絞り、才能を誇ろうという気持ちから、そう申し
出たのです。
ところが第四の人は、いや、それは困る。命を吹き込むと、世の
中にどれだけ危険なことをするか分からないから、ここまで見事に
できたところでやめにしようといったのです。
第三の人は、聞き入れません。自分にはそれができるんだからや
るんだといい張ります。
第四の人は、いくらやめさせようとしても聞いてくれなかったの
で、高い木の上に登って難を逃れました。そして第三の人がライオ
ンに命を吹き込んだとたん、ライオンは怒り猛って三人を食べてし
まったということです。」
(小堀宗慶著「美しい心 茶のこころ」婦女界出版社刊より)
地球儀の海青々と鬼やんま