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2017年版の「俳壇年鑑」の宮坂静生氏の巻頭言に、戦後70余年の俳句界を省み、昭和40年代までを「俳句の社会化」と概観したうえで、それ以降について次のように書かれている。
「昭和50年代以降の高齢化社会を迎え、俳句愛好者も高齢化するとともに、伝統も革新もなく、縛られない、ただ今を好きに楽しみたいという老いの意識が戦後という社会意識を希薄にする。(中略)俳句から規範意識が希薄になれば、同時に結社意識も師弟関係も薄れ、気が合う者同士のお楽しみ俳句が蔓延するのは必然である。俳句はいきおい自在さへの模索が始まる。」
また、同誌の「鼎談:俳壇展望」では、坂口昌弘氏が「各協会の60歳以下の会員は数パーセントです。」「会員の平均年齢が75,6歳でしょう。ということは、十年後は85,6歳になります。寿命を超えるということで統計的には半数になります。そして、二十年後に結社も協会員もほとんどなくなる。」
高齢化や人口減少傾向は俳句の世界にもくっきりと影響を与えているということでしょう。師弟関係にしっかり縛られる結社システム、結社システムに乗っかっている協会システムは今の時代に合わなくなってきているのでしょう。時代に合った新しいシステムに俳句界は脱皮していく必要があるのでしょうね。とは言いつつ私は旧来のシステムに浸かっています。
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亡き人の名ばかり浮かぶ藤の花