水仙のこぼれ話

         風に揺れる水仙の花から時折余談が零れ落ちてくる

エリック・カール展

2017-05-25 | 展覧会


散歩がてら世田谷美術館へ「エリック・カール展」を見に行った。
エリック・カールは「はらぺこあおむし」で有名な絵本作家。
「色の魔術師」と云われる独特な色使い。活き活きとした動物たちは子供達の心をつかんで離さないだろう。
独特な世界は大人も引き入られてしまう。




美術館への途中、NHK技術研究所で一般公開をしていた。折角なので覗いてみた。
背広姿のおじさんたちが殆どで、散歩がてらの一般住民は私ぐらいなものだった。
専門的なことはちんぷんかんぷんであったが、ただ「8k」とかいう画面のきめ細かさ、鮮明さには恐れ入った。
白鵬を破った稀勢の里の場面を映していたが迫力満点であった。



光琳・其一展

2017-05-12 | 展覧会


根津美術館へ「光琳・其一展」を見に行った。今週日曜日までの展示なので、今日は暑いけれど思い切って出かけた。
光琳の「燕子花図」と其一の「夏秋渓流図」は根津美術館所蔵の作品で今までに展示され私も見に行ったことがある。
何度見ても素晴らしいもので見とれてしまう。
今回は美術館の庭園に燕子花が見頃に咲いている。これを見るのも今回の私の重要な目的だ。
毎度のことながら、ここの庭園は西欧人の見学者が多い。本格的な日本庭園を都心で手ごろに観れるのでここに集まるのだろう。
根津美術館付近の表参道は洒落たお店が軒を並べ、この辺を歩いているだけで自分も上品でお洒落になった気がする。
青山通に面した洒落たレストランでスパゲティセットを食べたが、980円で得した気分になった。






木漏れ日の池に集ひぬ燕子花

花森安治展

2017-03-18 | 展覧会


世田谷美術館へ「花森安治展」を見に行った。暖かくてセーターに春ジャケットで汗ばむほどだった。
「花森安治展」は氏の情熱と才能が満ち溢れていた。時代状況を的確に把握し、その上に立って行動を起こした。充実した67年の生涯であったと思う。羨ましい気がする。
(追記)世の中に情熱と才能の溢れる人を時折見かける。このブログを書き終わったときに、大学教授をしている友人から新著が届いた。フランス滞在中の回想録だそうで、専門外なのにフランスの各地域のことをよく調べて写真も挿絵も自作の400頁の大著。数年前に500頁の専門書を出版したばかりなのに、大した人がいるものだ。




公園では梅の花は散っていたが辛夷の花が満開であった。美術館のテラスでランチを食べた。噴水の水が日の光を散らしていた。



あしたへの気持ちは白く辛夷咲く

円山応挙展

2016-11-06 | 展覧会


根津美術館に円山応挙展を見に行った。まだテレビで大きく取り上げていないので混んでいずゆったりと見ることができた。「応挙の幽霊」で有名な人だが、幽霊の絵は展示されていなかった。
写生画で有名な人で、写生帖も展示されている。昆虫や草花など画材になるものを精密に写生している。現物を写生した絵を基に更に自分なりの写生画を描き、作品の絵にはその第二次写生画を基に描いているようだ。単なる写生を超えて現実を絵画的に再現している。

国宝「雪松図屏風」の雪は、色を付けずに紙の白さであらわしているが、雪のある場所ごとに雪の質感まで描いている。まるでマジックのようだ。





「藤花図屏風」は藤の花もいいが、墨の濃淡であらわす幹や枝は見事に描き出している。




「七難七福図」は応挙の出世作になったもののようだが、実にリアルな描きぶりである。

仙厓ワールド展

2016-10-30 | 展覧会


目白台にある永青文庫で開催されている仙厓ワールド展を見に行った。
永青文庫は細川家が収集した美術工芸品(国宝8点、重要文化財32点を含む。)を所蔵している博物館で、細川家下屋敷跡に建てられている。旧細川侯爵家の家政所(事務所)が使われている。






永青文庫創設者の第16代当主の細川護立氏が100点以上の仙厓作品を所有しており、今回4期に分けて展示される。
現在の第Ⅰ期には、龍虎図、南泉斬猫図、指月布袋図、朝顔・夕顔図など、仙厓の代表的な禅画が見られる。
仙厓の禅画は何回見ても飽きない。ユーモラスな中に厳しい教えがある。自分や弟子の僧侶には厳しく生きた仙厓は隠居後には庶民の人々にやさしく禅の教えを伝えた。悟りの生き方とはこういうものかとも思うが、悟りには無縁な私は、隠居生活はひとに優しく生きようと思う程度で、お茶を濁している。




この秋、禅に関する展覧会は、東京国立博物館の禅展、出光美術館の大仙厓展、永青文庫の仙厓ワールド展の三つが開催されている。私はこれで三つともに見ることができた。禅が少し身近に感じることができそうだ。