水仙のこぼれ話

         風に揺れる水仙の花から時折余談が零れ落ちてくる

扇子のけむり

2015-07-20 | 頭の空回り
(風景写真について)「作品はあくまでも作者からの発言です。
ただ色が美しい、構成が目に心地よい、というだけでは
物足りないと感じてもらいたいものです。ここが風景写真の難しい点です。
作者の肉声がなかなか聞こえてこない映像になりがちなのです。
声が聞こえたとしても、ほとんどの場合、嘆声です。
美しいなあ、というため息のような一言です。
もちろん美しいことはすばらしいことですが、
その美しさがかなり類型的である点も大きな問題です。
簡単にため息をついてもらっては、というすこし意地悪な思いが
こちらにはあったりします。(中略)
風景撮影の場合にも、シャッターチャンスという考えを
できるだけ取り入れるということです。子どもの写真とか、祭りの写真では、
どの瞬間を選択するか、当然のように作者は頭を捻り、行動していくのですが、
静かな風景を前にしても、この瞬間しかない、というタイミングを意識して
撮影していくのはどうだろうか(中略)。
風のそよぎ、霧の流れ、水の波紋、自然は移ろいを見せています。
そのようなことを頭の隅に入れて自然界にカメラを向けていくと、
類型的な映像から少しは脱却できるかもしれない(中略)。」
《秋山亮二著『扇子のケムリ』法曹会発行》より。

プロの写真家の文章ですが、写生俳句にも全く当てはまるような気がします。

新国立競技場の建設現場

2015-07-12 | 散歩の写真


今日は今ホットな話題になっている新国立競技場の建設現場を見にいきました。
国立競技場は完全に撤去されて更地になっていて、ブルドーザーが数台作業をしていました。
さて、どんなことになるのやら。奇々怪々な話で、つけは若い人々に回っていきます。








千駄ヶ谷には富士塚がありました。江戸時代に盛んになった富士講が今も続いているのですね。







昼の酒槌目の乱す青葉光

富士塚の山すそ涼し風の道

二の腕の母親らしく枇杷熟るる

石田波郷の墓

2015-07-11 | 散歩の写真


久しぶりの良い天気の今日、調布の深大寺に行きました。
調布は高校・大学時代に住んでました。高3の時の深大寺の初詣で引いたおみくじが凶でした。
大学は無事合格しましたが、少し心配な気持ちで数か月を過ごしました。古い話です。
深大寺には石田波郷の墓があります。波郷先生に俳句上達をお願いしてきました。




深大寺境内には句碑がたくさんあります。
石田波郷:吹き起こる秋風鶴を歩ましむ
星野麥丘人:草や木や十一月の深大寺
「鶴」の初代と二代目の主宰の句碑が並んでいます。




深大寺裏の都立神代植物園に行きました。
睡蓮の池のほとりに落羽松(ラクウショウ)が植わっており、小さな実がたくさんなっていました。
落羽松に呼吸根という珍しいものがぼこぼことつきでていました。呼吸をするための根だそうです。




蝉が鳴いていました。私の記憶の中ではこれが今年初めての蝉の声です。夏の実感です。





撓む実の沼に落ちなむ落羽松

初蝉の杜を一変賑しむ

方丈へ威圧一輪蓮の花