クロカメ日記

カメを中心に読んだ本のこと、見た映画のことや日々感じたことを書いていきます。

キャンディーについて

2017-04-20 12:33:29 | リクガメ


 ようやく少し落ち着きました。思い悩んだ10日間でした。

 食べないなと思ったら、そこからの展開は、一瞬でした。ずっと寝たまま。昏睡状態でした。食べる、食べないの問題でなく、目を開けさせるのに苦労しました。温浴をすると、少したって、短い時間目を開ける。次の日は、温浴をしても目を開けないので、キャンディーの顔に近づいて、大声で、”キャン!!キャン!!”と叫んだら、目を開けました。抱卵していて、産む時期に、物凄い冷え込みが訪れ、産む機会を逸してしまい、成長した卵が、内臓を圧迫し、既に産む力も残っていない。病院に連れて行くと、レントゲンを撮って、産卵促進剤を打つ、しかし、もう、産む力は無いので、苦しみを倍増させるだけ。ならば、このまま、眠ったまま、逝かせてあげようと思いました。これが、キャンディーにとって、最も苦しまない方法だと、そう思いました。

 日光浴をさせると、不思議と少し動く様になりました。しかし、踏ん張りがきかず、体を持ち上げられず、お腹を引きずって歩く。日光浴を終えて、みんなの居る水槽に戻しても、少し動いていましたが、やはり、眠ってしまいました。その寝顔を暫くじっと見つめて、キャンディーにとって、一番苦しめない方法について考えました。寝顔に向かって、”キャン!!キャン!!”と叫びました。”キャン、しんどいか?”っと言った瞬間、目を開けて、僕を見つめて、また、眠ってしまいました。キャンディーの目は、”しんどい!!”って言いました。眠っている様に見えるけど、苦しみと戦っているのか!と。それが、土曜日の夜でした。苦しいのなら、その苦しみから、救ってあげなければと、次の朝一番に獣医さんに診てもらう決心をしました。

 獣医さんは、飼育当初から、ずっとお世話になっている先生です。診察室に入ると、どうされましたか?と聞かれたので、1週間何も食べず、排便も無く、ぐったりしていますと答えました。カメの事は、詳しいでしょ?それで、あなたの見解は?抱卵していて、産卵機会を逸し、衰弱し、産む力が無くなってしまったのだと思います、と答えました。それならば、まずは、レントゲンを撮ってみましょう。レントゲンを見ると、お腹の中に大きな卵が3つあり、その大きさから、内臓、特に肺が圧迫されているのが、よく分かりました。先生からの説明も同じでした。それで、骨盤を通過出来ますか?と聞くと、今なら、おそらく通ると思いますと答えられました。直ぐに、産卵促進剤を打ちましょう。僕は、暫く考えました。産気づいて、、、。そこからの想像が出来ませんでした。そこで、まず、栄養剤と水分を打って貰う事は出来ますか?このままでは、産む出す力も無いと思うので、と答えました。勿論出来ます。それでは、栄養剤を点滴用の液に混ぜて注射して、それから、促進剤を打ちましょう。ただし、促進剤の効果は長くて5時間。それでも、産まなければ、火曜日に、もう少し強い、促進剤に換えて打ちましょう。

 家に帰ると、直ぐに、産卵床を用意し、そこにキャンディーを置きました。目は開けていますが、全く動きませんでした。暫く様子を見ていましたが、しっぽを動かす仕草も無いので、キャンディーを別の場所に置いて、土を掘り始めました。何度も見た、キャンディーが掘る穴と同じものを掘って作り、そこにキャンディーを掘り終わって産む体制にし、前足を強く固定する様に置きました。こうする事で、卵が排泄口に降りてきやすいだろうと考えたからです。それから、約2時間、しっぽを動かし始めました。しっぽが膨らみ、卵がそこまで来ている事が分かりました。何度も何度も首を引っ込めて力むキャンディーでしたが、なかなか出て来ません。そして、もがいた後、ようやく1個目が出ました。埋める仕草も出来ない状態なので、直ぐに僕が取り出し、次を待ちました。それから、30分位経って、再び、しっぽを動かし始め、しっぽが膨らみました。そこからは、1個目よりもスムーズに出ました。これも、取り出し、様子を見ていたのですが、ここで、キャンディーは、眠ってしまいました。”キャン、もう1個、頑張れ!!”と何度も叫びましたが、5時間が過ぎたので、温浴をさせ、個別の水槽に入れてその日は眠らせました。

 翌朝、温浴をさせると、楽になったのでしょう、かなり動く様になっていました。そこで、個別の水槽に入れて、餌を与えてみましたが、食べませんでした。午後から、いつものみんなの居る水槽に入れて、餌を置いて置くと、歩いて来て、食べ始めました。それでも、まだ、1個残って居るのが影響してるのでしょう、いつもの表情ではありませんでした。

 火曜日、夜勤明けでしたが、朝、獣医さんに連れて行きました。日曜日に留守電に、2個産みましたと残しておいたので、スタッフのみなさん、僕を見ると、口々に留守電聞きましたと笑顔で答えて下さいました。効果がはっきり認められたので、前回と同じ促進剤を少しだけ多めに打ちましょうと言われたので、はいと答えました。もし、これで産まなかったら、1日あけて木曜日に別の強い促進剤に換えて打ちます。との事でした。

 家に帰ると、日曜日と同じ様に、僕が穴を掘って、そこに置いたのですが、身軽になったのか、登ってしまいました。しかし、掘る仕草をしなかったので、もう一度、穴に置くと、やはり、登りました。しかし、登りきる前に、しっぽを動かし始め、それから、一気に産み落としました。勿論、下で僕が手を広げていましたが。これで、3個目!!温浴させて、個別の水槽に入れ、獣医さんに電話しました。今度は、電話に出られて、良かったですね!と。

 翌朝、というか、夜勤明けだったので、昼ですが、みんなと一緒の水槽に移し、餌を与えると、争う様に食べました。表情も、歩く様子も、いつものキャンディーに戻っていました。

 獣医さんとも相談しましたが、今回の原因は、20歳を超える、キャンディーの年齢からくる体力の低下だと思います。なので、家族とも相談し、今後、キャンディーとアンソニーのペアリングはやらない事にしました。しかし、今後も、キャンディーは、抱卵するでしょう。抱卵を止める手立てはありません。ですから、これまで以上に注意深く見守っていきます。

 今回、何度も何度も、もうダメなのかと思いました。諦めかけた事も何度もありました。そんな時、キャンディーに何をしてあげたら、苦しますにすむだろうかと考えました。頭の中が暗闇に包まれている時、みなさんからのたくさんの励ましがあり、寸前のところで、諦めずに踏みとどまる事が出来ました。本当にありがとうございました。これから、キャンディーがどの様になっていくのか、全く想像もつきません。しっかり見守って、今後同じ状態になる方のアドバイスが出来る様に、脳裏に刻み込んでいきたいと思っています。

 本当にありがとうございました。これからも、応援をお願いします。

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« キャンディー、完全復活!! | トップ | ベストセラー »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
追伸 (クロカメ)
2017-04-20 14:14:03
 日曜日に、診察を待っている、不安のどん底の時に、ひとつ前の方が、大きなクサガメを連れておられました。その方が診察を終えられて出て来られた時に、大きなクサガメですね、どうされたんですか?と。産卵しないんで、促進剤を打って貰いに来ました、産卵の度に打って貰いに来ていますと。どんな環境で飼われています?と聞くと、産卵をする土の部分が無いこと、1匹だけ飼われていると答えられました。僕も、おそらく同じで、そんな僕が言うのもなんですが、カメは土に穴を掘って産卵します。ウミガメと同じです。その子の大きさから言うと、60センチの水槽に、園芸用の土を2/3位入れて、崩れない程度にお湯で湿らせてください。産卵する時期は様子で分かりますが?と聞くと分かると答えられたので、その状態になったら、土に入れてあげてくださいと。そうなんですか!分かりました!やってみますと答えられて、帰られました。
 こんな時にも、、、本当に僕は、どこまでカメバカなんだと思いました。
返信する
お疲れ様でした! (イシガメ飼い)
2017-04-20 22:32:33
やー、クロカメさんもお疲れ様でした。

メスの産卵は大きな問題ですね。私もメスガメと生活を共にしているのでよくわかります。しかしメスガメの産卵をどう対処するかは飼育哲学の問題ですから、飼育者が自分の信じるままにやるしかないですね。正解がない。きっとどれも正解という課題だと思います。ただ、獣医さんに連れていった判断はたぶんキャンディーさんにとって適切な選択だったと思います。入院でなければ患者にとっての不安も限定的ですし。

ただ、私が信じるところでは、おそらく老いたカメもたぶん産めなくなって生命の危機を迎えることはほとんどないのではないかと思います。たぶん危機を迎える可能性ゼロではないでしょうが、卵の硬さを考えると、なんとかして産むのではないかと想像します。というか、生物としてそう行動するんだと思います。なので、私はそれを信じて基本的に「産ませる」方針で考えています。私の考えが正しいとも思っていませんが、飼育者としてはカメと共にがんばって応援するしかないと考えています。最後の砦として獣医さんがいるのですから。メスを飼っているのであれば普段からよく獣医に相談しておくべきと考えています。

なんにせよお疲れ様でした。これからもきっといろいろあるでしょう。私もこちらで勉強させてください。
返信する
イシガメ飼いさんへ (クロカメ)
2017-04-21 06:08:14
 産むのをやめさせることは、出来ないと僕も思います。ですから、僕も産ませる方向ではいきます。しかし、ペアリングをさせて、積極的な繁殖は、キャンディーとアンソニーに関しては、終わりとします。
 メスを飼っておられるということですが、やはり、ニホンイシガメですか?また、教えてください。
返信する
Unknown (イシガメ飼い)
2017-04-22 00:46:42
はい、ニホンイシガメです。ただ、産卵するようになったばっかりで私もたいして経験はありません(昨年は孵化させられませんでした。もとから変形していました)。そろそろシーズンなのでたぶんカメ自身よりドキドキしています。
返信する
イシガメ飼いさんへ (クロカメ)
2017-04-22 06:41:34
ニホンイシガメは、リクガメ同様、絶滅が懸念されています。そこで、繁殖個体を流通用として、野生個体の乱獲を少しでも防いで欲しいと思っています。ですから、繁殖を頑張って頂きたいと思っています。
返信する

コメントを投稿

リクガメ」カテゴリの最新記事