水早 -mizuha- 神社と写真と一人旅。

カメラ片手にゆるり神社めぐり。
公共機関&徒歩での日帰り参拝記録をメインに綴っています。

瀧原宮-3

2020-03-25 | ├ 三重(ひとり旅)

 

瀧原宮つづき。

 

 

 

 

 

しばらく歩くと、社殿が見えてきました。 

 

 

・・の前に、まずは古殿地(新御敷地)。

古殿地とは、
式年遷宮(伊勢神宮で20年に一度行う遷宮)に伴い、
旧社殿が建っていた土地のことです。
(式年遷宮のための空き地)

瀧原宮でも、伊勢神宮に準じて20年ごとに遷宮が行われます。

 

 

現在小さな小屋(覆屋)が建っていますが、
ここに遷宮前の御正殿(本殿)が建てられていました。

すなわち、次の遷宮では再びここに社殿が建てられ、
現在社殿が建てられている場所が、今度は更地になるのです。

それまで社殿が建っていた土地は、
遷宮から約半年間は「古殿地」と称され、
それ以降は「新御敷地(しんみしきち)」と呼び名が変わります。

※伊勢・外宮の古殿地
※伊勢・荒祭宮の古殿地

※猿田彦神社の古殿地 

 

 

ちなみに、伊勢の内宮・外宮の御正殿の下、及び、
古殿地にある覆屋の下には、
直径約30センチ・長さ180センチほどの「心御柱」が埋まっています。

 

 

古来、きわめて神聖視され、
別名を「忌柱」「天御柱」などとも称する心柱。

遷宮後もそのまま古殿地に残され、
次の遷宮において、旧心柱の位置が踏襲されて、
立てられる御正殿の中心位置と一致させていたようなので、
宗教上の神性と、
建築上の目印(正殿の中心位置)の、
両方の意味を持つ、
重要な神籠・依り代なのでしょう。

ただし、この心柱は伊勢の両宮にのみ立てられており、
瀧原宮や、同じく別宮の伊雑宮には存在しないそうです。

 

 

御船倉(みふなくら)

瀧原竝宮と古殿地の間にある、横長の建物です。
納められているのはご神体を入れる御船代とのことですが、
倭姫命が使用した御船とも、天照大御神の御神体とも。

なお、御船倉を持つ別宮はここだけです。

 

 

色の違う玉砂利が、参道・結界の役割を担っているのが
見た目にも素敵。

 

 

 

では、社殿へ。

同じ形の別宮がふたつ鎮座していますね。

 

 

他にも所管社が2社ありますが、
それぞれ参拝順序があるようなので、
その通りに手を合わせます。

 

 

まずは、向かって右手から。

 

 

内宮(皇大神宮)別宮・
瀧原宮(たきはらのみや)

 

 

 

御祭神:天照坐皇大御神御魂

 

 

天照皇大御神の和御魂とされますが、
「倭姫命記」における御祭神は、水戸神(別名:速秋津日子神)。

 

 

 

内宮の雛型になったという説もある、瀧原宮。

 

 

神宮で感じた、「ここは特別だ」という感覚が、
再び蘇ってきます。

 

 

体の中から風が吹き抜けていくような、
爽快感にも似た、すがすがしさ。

 

 

 

こんな場所、ちょっと他にないよなあ・・

 

 

この後、お伊勢さんを再訪する予定なんだけど、
ここがあまりにも心地よすぎて離れられない(笑)。

 

 

社殿の造りで一番好きなのは、尾張造り。
他に、習合色の強いものや、桃山・室町期の建築も大好きです。

でもやっぱり、神さんを一番感じられるのはこの神明造りですね。

 

 

神明造りのうち、内宮・外宮の正殿(本殿)は「唯一神明造り」となっており、
他の神社では同じ建築様式にすることはできません。

「唯一神明造」の定義はいろいろありますが、
神宮の正殿は一般に写真くらいでしか見ることができません。

 

 

ただ、内宮の参道にある御稲御倉も、実は「唯一神明造」。

なので、
さりげなく参道に立っているので見逃しがちですが、
正殿の姿を窺い知ることのできる貴重な社殿だったりします。

 

 

 

滝原宮の本殿は、
内宮に準じた造り。(唯一神明造ではないですが。)

 

 

千木は内削ぎ、鰹木は6本(偶数)ですね。

 

 

 

瀧原宮の鳥居横に立つ木に目をやると、

 

 

ずいぶん遠くまで伸びた根が、
玉砂利から顔を出していました。

 

 

 

 

つづいて、お隣へ。

 

 

内宮(皇大神宮)別宮・
瀧原竝宮(たきはらならびのみや)

 

 

御祭神:天照坐皇大御神御魂

 

 

天照皇大御神の荒御魂とされますが、
「倭姫命記」における御祭神は、水戸神の妃神・速秋津比賣神。

 

 

瀧原宮が、天照皇大御神の和魂を、
瀧原竝宮が、天照皇大御神の荒魂を祀っているというわけです。

 

 

どちらも同じくらい清らかで、
眠ってしまいそうになるほど気持ちがいいです。

 

 

あらためて思う。

伊勢関係ってすごいなあ・・

 

 

神さんがすごいのか、
そこに積み重なってきた人々の崇敬の念がすごいのか。

 

 

きっと、
天照皇大御神の神性と、
人が同神へと馳せる崇高な思いや祈りが、
神宮や別宮を、最強の神域として造り固めていくんだなぁ。

 

 

綺麗すぎて、尊すぎて、
邪なものは寄ってこれないね。

 

 

この場所に、来てよかった。
もっと早く来ればよかった。

 

 

社殿を前にして、
感謝の念しか浮かんできませんでした。

 

 

その4へつづく・・。

 

 

 

 

 

 

 


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