福井ラスト。
若狭彦神社をあとにして、駅方面へ戻ります。
天気はいいし景色は最高だし、
やっぱ徒歩旅はいいなー。
知らない土地を歩くって、本当にたのしい。
おもむろに、鐘楼が登場。
県指定文化財の銅造梵鐘だそうです。
思わぬところで文化財に出会えると、嬉しさ倍増です。
若狭姫神社の社頭にとうちゃく。
ここから駅まで徒歩10分ほどなので、
公共機関で来る場合、通常、参拝はこちらが先になるのかな。
境内を囲むように流れている水路は、
「若狭の御神水」と呼ばれている前川です。
さすがに水の中に入るわけにはいかないので、
神橋を渡って禊完了。
注連縄や鳥居、水路など、神域と常世の間に存在するものは、
禊の水、結界といった意味を持つと考えれば差し支えありません。
一の鳥居
豊富に水をたたえる手水舎。
参道左手には、遥拝所が設けられていました。
若狭彦神社 遥拝所
元宮である白石神社の遥拝所。
楼門(随神門)(県指定有形文化財)
若狭彦神社に引き続き、素晴らしい楼門です。
あぁ。だめだ素敵すぎてクラクラする(笑)。
時間はもう16:30ですが、
薄暗さを感じさせないほどの清浄さ。
こちらも同じく吉祥八人が鎮座しております。
上社・下社は、元寇防御の祈願成就の御礼として、
鎌倉期に造営が行われましたが、
八体が対面するというこの珍しい様式は、
当社が唯一であったと言われているそうです。
門越しにみる景色って、なんでこうもステキなのかしら・・
頭上の釣り灯籠は、いずれも天保12年製作のもの。
優美で繊細な釣り灯籠ですね。
文化元年作の扁額。
楼門内より。
そして、こちらも神門前にスペースが。
あーいいわこれ。
神門(県指定有形文化財)
1803年造営。
御祭神:豊玉姫命
神門前に、私好みの2つが立てかけてありました。
向かって右は、1803年造営の神門の屋根の鬼板です。
わーい。手の届くところに鬼板がっ。(☆ω☆)
左は、本殿屋根の一番高いところの両端に飾られていた鬼板。
寺社建築でよく見かけるこのハート型は、猪目(いのめ)という文様です。
その名の通り、イノシシの目に由来し、
強い獣の眼力で、厄を退け福を招くとされ、
日本では古来より寺社の建築装飾に多く使われています。
実際は尖ったほうが上に来るので、
ハートというよりは桃ですね。
若狭姫神社で特筆すべきは、
やはり、社殿左手にそびえる千年杉(県・天然記念物)でしょうか。
幹周6. 0m、樹高30m、樹齢約500年。
色んなところで杉を見てきましたが、
こちらも御神木と呼ぶに相応しい、素晴らしい巨樹です。
今にも動き出しそうな、生命力に溢れたお姿。
神門内にあるのでこれ以上近寄ることはできないけれど、
日暮れ時のひんやりとした境内にあって、
巨樹が発する熱のようなものがヒシヒシと伝わってきます。
こういった歴史の生き証人と対峙すると、
しばしば感情のようなものがこちらに流れ込んできますが、
リアルに古木と話せたらどんなにいいかと、
いつも本気で思ってしまいます。
本殿(県指定有形文化財)
1802年造営。
神門右手、玉守神社
御祭神:玉守明神
潮盈珠・潮乾珠を守護するお社です。
能舞台
本殿右手にある、オガタマの木。高さ18.50m、胸回り2.08m。
明治期に、京都御所より拝受、植栽されたそうです。
この公孫樹は、別名:枝垂れ銀杏。
枝の下から豊富な乳根が垂れ下がっているので、乳神様と呼ばれています。
安産祈願の霊験あらたかな御神木。
中宮神社
御祭神:玉依姫命
御祭神(豊玉姫)の妹神さんを祀っています。
日枝神社
御祭神:大山咋神
相殿神:夢彦神・夢姫神、宗像神、愛宕神、琴平神、稲荷神
近隣の神社の御祭神が合祀されているんだと思いますが、
夢彦神・夢姫神という神名は初めて聞きました。
その名の通り、夢を司る神さんなんでしょうかねー。ステキ。
もひとつ、手水。
桂の井という名の神水です。
どこ行っても、
水に引き寄せられ、癒される。
この立派な石燈籠は、神社前の道(鯖街道)に沿う
音無瀬川の下流100メートルに位置する丹後街道にあったもの。
昭和40年代に、交通事情により境内へ移築したそうです。
かつては常夜灯として、道ゆく人々を見守っていたのかな。
木も灯篭も、ここでゆっくりと余生を送っているんだね。
楽しかった福井旅もそろそろ終わりです。
若狭彦神社に惹かれて訪れた小浜ですが、
参道に巨樹に基壇にと、予想以上の宝に出会えた参拝旅となりました。
光と癒しに満たされた一日は、
3年近く経った今でも鮮明に心に残っています。
新緑の季節に、また会いにいきたいなあ。
若狭の神さん、ありがとう。