水早 -mizuha- 神社と写真と一人旅。

カメラ片手にゆるり神社めぐり。
公共機関&徒歩での日帰り参拝記録をメインに綴っています。

吉野 千本桜⑤ ≪上千本2-雨師観音堂跡~花矢倉展望台≫

2018-04-23 | ├ 奈良(ひとり旅)

 

吉野その④

 

 

 

 

 

 

 

 

竹林院を過ぎてしばらく行くと、景色が山っぽくなってきました。

 

 

 

ほどなくして、雨師観音堂跡に到着。

 

 

竹林院から雨師観音堂跡までは、
徒歩で5分少々の距離です。

 

 

 

かつてこの場所には雨師観音堂がありましたが、
明治の神仏分離により取り壊され、現在は龍王社が鎮座しています。

 

個人的にとても好きな神社で、社を見た瞬間すごく惹かれました。

閼伽井不動さん(※別記事)とともに、
ここの神さんにお会いするために吉野へ来たと感じました。

 

 

御祭神:八大龍王

実は、来訪時はこの社が何なのか分からなくて、
社号標や案内板なんかも全くないので、
何の祠だろう?とずっと思っていました。

でも、とにかく惹かれる神社だなと。

 

 

で、帰りの電車内でググってみたところ龍王社だと判明。

龍好きな私は、やたらと惹かれたその理由が何となく分かったのでした。

 

 

 

観音堂跡のある辺りは「御幸の芝」と呼ばれておりまして、
その所以は1300年代にさかのぼります。

 

 

五月雨降り続くある日、吉野の行宮におられた後醍醐天皇は、
大勢のお供とともにこの辺りへ御幸されました。

空模様はますますあやしくなったため、
後醍醐天皇はそばの観音堂でしばらく休まれることに。

 

 

その際、
ここはなほ 丹生の社にほど近し 祈らば晴れよ 五月雨の空
と詠まれたところ、雨はやみ空は急に晴れ渡ったのだそうです。

以来、「雨師観音堂」、「御幸の芝」と呼ばれるようになりました。

 

 

 

雨師観音堂跡のそばにある展望台。

 

 

 

ここからの眺めもまた趣があって素敵。

茶店もあるし、時間があったら帰りに寄ってみます。

 

 

上千本の桜を楽しみつつ、さらに上へ。

 

 

 

 

ここ吉野山では、白山桜(シロヤマザクラ)を中心に、
約200種、
3万本の桜が咲き誇ります。

千本桜って言うくらいだから、
山には千本もの桜が咲いてんのかしらーなんて初め思いましたが、
千本どころか、3万本桜なのですね。

 

 

下・中・上・奥の4箇所に密集している白山桜の様子が、
“一目で千本見える豪華さ”ゆえに、「一目千本」なのだとか。

だから「千本桜」。

表現さえも素敵ですね。

 

 

 

そもそも吉野にこんなに桜が多い理由は、
桜が蔵王権現のご神木とされた事に由来します。

 

 

修験道の開祖「役行者」は、金峰山で修行を積み金剛蔵王菩薩を感得し、
桜木に蔵王権現像を彫ったといわれます。

以来、行者たちは桜材に権現を彫刻して祀ることが習わしとなりました。

 

 

これにより桜は神木として大切にされ、
蔵王権現への祈願の折には、桜の苗を寄進するという風習がはじまり、
平安時代頃から多くの桜が植えられるようになったそうです。

 

 

この豪華絢爛な景色は、人々の信心の賜物なのです。

 

 

 

では、しばし桜景色をご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

雨師観音堂跡を出て15分ほどで、花矢倉展望台につきました。

 

 

距離にして1キロ弱。

 

 

この展望台は獅子尾坂を上りきった所にあり、
吉野の桜を一望できます。

 

 

眼下に広がる上千本、中千本の桜。

ため息が出るほど素敵です。

写真右上に見える茶色の屋根は、先ほどお邪魔した金峯山寺の蔵王堂で、
そこからこの花矢倉まで約2.7キロ。

 

 

平地なら、金峯山寺から30分(※一般的な速度なら40分ほど)で来れる距離ですが、
山なので、移動のみで1時間ぐらいはかかっています。

のんびり歩く場合は、1時間半ほど見ておいたほうが良いかな。

桜を愉しみながらの山登りなので、
全く苦にならないと思います。

 

 

 

その⑤へつづく。

 

 


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