吉野つづき。
井光神社八幡宮
御祭神:井光神(井氷鹿神)
国津神の「井氷鹿(井光)」は吉野首(よしののおびと)の祖で、
神武天皇の東征に際し井中より出て迎え、
東征の先導役となったとされます。
簡単に言えば、侵攻に屈して帰順した先住の長です。
帰順せず戦った長脛彦や、土蜘蛛・国栖・鬼だのと称された各地の長たちと違い、
従い貢献すればこうして神として祀ってもらえる。
その子孫や民たちも、命を繋いでいける。
土地と民を守り、戦って滅んでいった者たちとの差を思うと、
何とも複雑な気持になりますが、
帰順した長もまた、土地・民を思ってこその従属なんでしょう。
他を制した者も、いずれ別の者から滅ぼされる。
勝者もいつか敗者となる。
人の歴史はその繰り返しで、双方それぞれに大義名分があるから、
どの時点で切り取るかによって見方は全然違ってくる。
だから、
天津神に制された国津神は、その時点では被害者だけれど、
もっと遡れば、さらに先住の別系統の国津神を制した加害者かもしれない。
天津神も、後世、別系統の天津神に滅ぼされるかもしれない。
そう考えると、国津神だから、天津神だからと、
一概に言えないんだよなあ・・。
なんて、つい思ってしまうのでした。
喜蔵院
大峯山護持院の一つで、平安時代に京都の聖護院の一院として創建されました。
宿坊も営んでいます。
繊細な彫り物が素晴らしい。
こういうの見ると、また彫ってみたいなあと思っちゃう。
楽しいんだよね。木彫って。
櫻本坊(さくらもとぼう)
本堂
こちらも大峯山護持院の一つ。
天武天皇により建立されたと伝わる、
天武・持統帝の勅願寺です。
伝承によると、
天武天皇が夢に現れた桜の木を見つけ、
その場所に道場を建立したのが始まりなのだそう。
また、1594年に催された秀吉の花見の際は、
秀次の宿坊になりました。
鮮やかなピンクがとても美しい、しだれ桜。
みなさん夢中でカメラを向けていました。
年齢国籍問わず、女子はきれいな花々にテンション上がるもんなんです。
かわいいもの、美しいものが大好き。
(私は建築物でテンションMAXですけど(笑))
竹林院
聖徳太子の創建と伝わる寺院で、宿坊としても有名なのだそう。
大和三庭園の一つとされる庭園の群芳園は、
千利休の作、細川幽斎の改修と伝わります。
こちらも、観覧は次回のお楽しみにとっておきます。
なお、
東南院~勝手神社~井光神社八幡宮~櫻本坊・竹林院は、
それぞれ200メートル間隔ぐらいで並んでいます。
では、さらに上へと向かって歩きます。
これ一瞬梅に見えたけど、桜なんですね。
真っ白な桜。きれいだなあ。
桜というと、ソメイヨシノぐらいしか浮かびませんが、
吉野山では色んな桜に出会えるので楽しいです。
あ。かわいい看板ワンコだ。
人慣れしていて、とても大人しい。
撮影に付き合ってくれてありがとね。
その④へつづく・・。