宅建のススメその②。
さて、宅建攻略のコツとか勉強法みたいなものは、
いろんなサイトを見れば、とっても分かりやすく書いてあるので、
そちらをご参考に。
ここでは自分が経験して思ったことを、つらつら述べてみようと思います。
<読む・解く トレーニングの必要性>
「知っている」と「解ける」の違い
知っている、理解できている(つもり)と
解ける とは違う。
ひっかけや、紛らわしい表現、
基本を使った応用問題の数々はもとより、初めのうちは、
そもそも『問題が一体何を聞いているのか』が、読み解けなかったりします。
そうなると、
持っている基本知識を、問題を解く時に使えないわけです。
せっかく知識があるのに、理解もしているのに、
解くことができない・・
そんな勿体ない話はありません。
だからこそ、より多くの過去問や予想問などを解いて、
出題の特徴に慣れていくことが重要なのだと思います。
個数問題の増加
試験そのものについては、
基本的に、「正しいもの(間違っているもの)はどれか」
というマークシート4択だから、その点はラクだと思います。
最悪、○か×か判断つかない肢が3つあっても、
「絶対自信ある」肢さえ一つあれば、OKなわけだから。
(ただ、終始それだと、いけてもギリ合格ボーダーラインかなぁ・・。
私の場合、過去問(※10年分)の1~3巡目あたりまでの、
“わーいラッキー♪” で得点してた頃は、取れても35~6がマックスでした。
でも過去問が5巡目あたりを超え、さらに模試やら予想問やらやり始めた頃には、
4肢すべて自信もって○×がわかる状態になってきて、
それに比例するように得点も40点代になりました。)
しかし近年は、「正しいもの(間違っているもの)の数は、何個あるか」
という、4肢すべての正誤がわかってないとマルにならないという、
シビアな出し方が増えたようで、今回の試験でも、
そういった「個数問題」が、業法で6問も出ましたねー。
これやられると、一般的に正答率が一気に落ちます。
(4拓なら、最悪どれか1肢わかれば何とかなるけど、
個数問題は4肢すべて分かってなきゃダメなので。)
応用力・理解力
それから、基礎的な力、読解力はもとより、
応用力がかなり必要とされる試験だと思いました。
理解力というか国語力というか。
たとえば、「A=Bである」「C=Dである」というルールに対して、
ストレートに「Aとは何か?」「Cとは何か?」と聞かれれば、
「Bです」「Dです」と答えればいいんですが、
勿論、そうは聞いてこない。
「○○という事象について△△という事態が起こり、さらに××がこう動いたから、
□□はこんな結果になっちゃったよ。さて◎◎はどうなるんだろうね~??」
.....的な、長く遠まわしな一文のどこかに、ひっそりと「A」や「C」が隠れている。
更には「E」やら「F」やらまで仕込んであったりする。
なので、まずはその問題が何を聞こうとしているのか探すところからスタート。
判決文なんて、まず「日本語になおす(笑)」ところから始まるかんじですし、
読解力に自信がない人の場合は、やはりこれも慣れるしかないのかなあと
いったところです。
法律用語に慣れること
宅建試験は、民法が軸になっています。
法的な考え方を身につける必要性があるのはもちろん、
法律用語や判決文の言い回しなどに慣れなければいけません。
そういうものに無縁だった私からすると、
ちょ、そこ日本語で書いてくんない??って言いたくなる事がしばしば。
『~であることに懲すれば~かかるやむをえない事由が~』とか、
『~につき責めに任ずる趣旨でなされるするものと解するのが相当であるから』とか・・。
しかも、一文がダラダラ長い上に、ほぼすべて読点(、)で切ってるもんだから、
現代文(笑)に直しづらい。
なんで句点(。)で話を区切らないんだよ・・って、
判決文問題みるたび毎回萎えました。
(※その点、本年度の判決文は分かり易くて良かったです)
<アウトプットの重要性>
過去問は最低でも10年分×5回
過去問を繰り返し解くことが大切だと言われますが、
本当にその通りだと思います。
なぜなら、「ひっかけ問題」や「出し方」に慣れる必要がある事がもちろん、
「気付いていない自分の知識の穴を埋める」「認識の間違いが見つかる」
という点において、とても有効だからです。
答練を繰り返すと、「え。それってそういう意味だったの!??」
「やっだーー。勘違いして覚えてたわ」「そこ、そんなに重要だったわけ??」
という発見が、マジで毎回起こってビビリます。
そのたび、自分の知識を上書き&修正しまくりです。
(私、なんと試験前日に気付いた間違いもありましたよ。
しかも35条書面で(笑))
テキスト読んで、簡単な答練をして、過去問何年分かやって、
理解したつもりでいたことが、実は理解できてなかった・・なんてザラでした。
奥が深すぎますよね。特に民法。
だから、
一つの事象に対する何パターンもの問題を解くことで、
その穴に気付く。
そのためには、過去問を最低でも10年分×5巡。
プラス、模試や予想問題を解くことが、
知識を正しく定着させるために非常に大切だと思いました。
引っかけ問題対策
「ひっかけ」に慣れるには、
どんな出し方をしてくるか?を知ることが大切かなぁと。
たとえば、
「必要な指示」→ 指示処分のこと
「建築主事の確認を受けた」建物 → 建築確認を受けた建物のこと
「地方公共団体の条例に規定する確認などの処分」→ 建築確認のこと
のように、わざわざ別の小難しい言葉に変えて出題してきたりします。
相当注意すれば引っかからずにミスを回避できるんでしょうけど、
特に、時間との戦いになる本試験なんかだとつい読み飛ばしてしまって、
知識としては正しかったのに、うっかり失点してしまうという、
非常に残念な結果になる。
これほんと悔しいのよね・・。
なのでこれも、答練の繰り返しをして慣れるしかないと思います。
(※主なひっかけ表現はこちら※)
『知る』ことを行ったら、それを必ず何度も解いて『吐き出す』。
これが本当に大事だと思います。
『知る(学ぶ)』を100とすると、『覚える』が200で、『解く』が500かな。
それぐらいの比率でやらなきゃいけない。
インプットで終わりではない。
それだけで満足していたら絶対にダメで、
アウトプットにこそ、3倍ぐらい力を入れないといけない。
むしろ、実はそこからが本番なのだと思います。
<捨てない>
捨て問は無い
報酬計算は捨てる、税法は出る確率が少ないものは手をつけない・・など、
ついつい、面倒なものを捨てがちなんですけど、
捨てたものが出題された時のダメージは計り知れないので、
できれば満遍なく、ちゃんと地道に勉強したほうがいいかな思いました。
(たとえば本年度は、どのテキストも模試も予想問題集も、
「固定資産税&印紙税」が出題予想ペアでしたよね。
それがまさかの「固定資産税&所得税」!・・。
手抜かずにやっといて良かったーとホっとしました。)
テキストなどに「重要度・高!」とあるものだけ力を入れるとか、
重要度低かったり、過去問頻出じゃないヤツは、
ちょっとした予備知識程度で終わっちゃうとか。
・・・ってのも、どうかなーと思います。
“最低限これさえ覚えればラクラク合格!!!” みたいな市販テキストもあるけど、
個人的には、そうは思えなかった。
だって、意外と出るんだもの。これが。
ていうか、その『捨てたもの』『一読しただけで終わったもの』が、
合否を分ける重要パーツになるので、こわいんです。
(ちなみに、つい“捨てて”しまった、抵当権の順位の譲渡が、
本試験で見事に出題されましたよ・・泣)
確かに、基本をきちんと押さえれば、合格ラインには達するはずです。
ただし、
「基本を100%正確に理解&解ける」ならば。
だと思います。
<正解だった時こそ>
正解したら終わり、ではない
問題を解いてマルつけをした後は、
その問い自体の正誤はもとより、
4肢それぞれの内容をちゃんとチェックすることに力を入れました。
「正しいものはどれか」という問題なら、
4肢のうち3つは「誤った文章が書かれている」事になるわけですが、
「正しいもの」を見つけ出してマルになったからと言って、
そこで終わりではない。
例えば、
肢①が「正しい」、肢②③④が「誤っている」という場合。
肢①を「正しい」と思ったのなら、その知識においてはちゃんと理解できている。
でも、②③④について、自分がその文章を読んで「誤っている」と思った理由が、
必ずしも実際の「誤りポイント」であるとは限らない。
一文の中で、自分が「違う」と思った箇所が実は正しくて、
合っていると思った別の箇所が、「間違い」だった・・。
そうなるとトータル的にはマルでも、
誤った知識がいくつもあったことになる。
だから、違うパターンで問題を出されると間違えてしまう。
この『「誤りポイント」の間違い』が無くなることが、
本当の意味での「正解」なので、
答え合わせをしてマルだった時こそ、
中身を分解して要チェックする必要があるのだと思います。
実践編その2へつづく・・。