息子の大学入学③

実は娘も違うユニクロでバイトをしていました。
娘は大学生活にも、またサークルやバイト先でも
上手に仲間と楽しくやっていました。
なので、息子も姉からの話を聞いて安心だったのか
ユニクロでバイトをしたのでしょう。

娘は違う店舗でしたが
ある日、店長さんに呼ばれたそうです。
「弟さんがバイトを無断欠勤しているよ。連絡取れないか？」と。
同じ東京に居ながら、絶対に同居はしないと言いあった姉弟です。
２歳違いですが
仲はあまりよくありません。
娘はずっとしっかり者という評判だったので
弟からすると、煩くコンプレックスの対象だったのでしょう。
だから、近くに居ながら連絡をとったり
ましてや相談をするような間ではありません。

娘も連絡を取ったようですが、携帯も繋がらず。
仕方なく、息子の下宿先を訪ねました。
（と、ものずごく不機嫌に話してくれました。迷惑だったんでしょうね）

何度ベルを押しても出ない。
携帯を鳴らすと、部屋には居る様子。
何度も何度も扉を叩いたと言いました。
やっと出てきたのは、髪もボサボサ、ひげ面で幽霊のようにふにゃふにゃした
息子でした。
部屋にも入れてくれなかったと言います。
玄関先で、無断欠勤の訳を聞いても要領が得ない。
ただ、自分でもどうしていいのかわからない、
わからないけれど自分で考えるから放っておいてくれ、と。

娘としてはそれ以上立ち入れず、
そのまま帰ってきたそうです。
ご飯に行く、なんて雰囲気にもなれなかったと。

バイトにも行かず、下宿でただ籠城している息子。

私の漠然とした不安は、やはり的中していました。
そして、ここから私の闘いが始まったのでした。