『いくらナタリーポート・マンの主演でも、誰もが知っているバレエ「白鳥の湖」をテーマにいまごろ映画を作ったところで、興業が成功するだろうか?』とスポンサーが思ったかどうか知りませんが、そういう予想を裏切って、まじめで完璧主義のヒロインが、黒鳥としてステージに上がるまでの物語を考えた脚本家に脱帽しました。
ポートマン演じるヒロインが、白鳥と黒鳥の役づくりで悩んでいて、さらに実生活でもなりたい自分とそうでない本当の自分の間で悩むという2重の関係が、とてもリアルに描かれています。またCGを随所に使い、狂気の世界を観客にのわかりやすく表現している表現力はさすがでした。
なによりポートマンにあれほど密着して撮影しながら、各フレームがすばらしい絵になっているカメラワークにプロの技を感じました。また見れたいいなーという、すてきな作品でした。