伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

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視察報告1 香川県における水道事業の広域化

2024-07-23 12:57:00 | 水道

先週の市議会建設水道委員会の視察は

3件訪問しましたので順次ご報告します。

今回は香川県の水道事業について

 

視察先の企業団におかれましては、

お忙しい中視察を受け入れてくださり

誠にありがとうございました。

心より御礼申し上げます。

 

訪問日 令和6年6月17日(水)

訪問先 香川県広域水道企業団本部(高松市内) 

内容  香川県における水道事業の広域化について

調査目的 水道事業広域化の取り組みについて

 

 

 

1 調査ポイント

水道事業は全国的に給水人口の減少、施設の老朽化、

職員の減少、技術継承の困難化等多くの課題を抱えている。

小さな自治体が単独で水道事業を継続するのは難しくなっており、

近隣の自治体と連携し、水道事業の広域化が進んでいる。

その中で香川県は全県で一つの事業体にまで合併した

全国唯一の地域である。

広域化における課題の調整方法や、広域化の利点、

今後の課題などを学ぶ。

 

 

 

2 広域化後の利点

・施設等の維持管理・運営の効率化

・財務基盤及び技術力の強化

・施設の合理的統廃合

水不足時における広域的配水調整が可能

 

 

 

3 香川県広域水道企業団概要

設 立 平成29年11月1日

企業長 香川県知事

事 業 水道事業及び工業用水

事業開始 平成30年4月1日

給水区域 水道 香川県内8市8町

     工業用水 2市1町

給水人口 91万7千人(うち高松市約42万人)

組織体制 センターを5つ設置(四国本島は4、小豆島1)

     小豆島地区は、島内のダムを独自水源としている。

     また、瀬戸内海の直島は岡山県から給水されている。

 

 

 

 

4 香川県の水事情

南北を山脈に挟まれた瀬戸内海にあるので、

歴史的に雨が少なく渇水による断水が多発していた。

そのため昭和49年に阿讃山脈に8kmのトンネルを掘り、

徳島県の吉野川から水を引く香川用水を作った。

現在、香川県内の水道水源の51%が香川用水。

その後も、吉野川の早明浦ダム枯渇により

取水制限が繰り返されてきた。

注)農業用水は季節による変動が大きい

(多田コメント)

・長年県内が水源不足に苦しんできたことが、

 一本化実現の背景として大きいと思います。

 

 

 

5 香川用水

香川用水全長106kmのうち、吉野川からの取水工等

上流部の約47kmは水資源機構香川用水管理所が管理している。

(多田コメント)

・地理上の利点として、香川県の南部に東西に横たわる阿讃山脈と

山の南を流れる吉野川はおよそ西から東へ傾斜があるので

池田ダム付近で取水すると、香川県内を東まで自然流下で配水

が可能と思われます。

 

 

 

6 水道広域化の取り組み

平成20年 県・市町の水道担当者の広域化勉強会開始

平成21年 知事・市町長によるトップ政談で話題になる

平成22年 水道有識者による専門委員会設置、

     知事へ一元化を提言

     ・大規模事業者が中心となって取り組む

     ・県も積極的に関与し調整的役割を果たすべし

平成23年 知事・8市長、9町長による協議会設置

平成27年 法定協議会設置

平成29年 県・8市8町が基本協定締結

平成30年 香川県広域水道企業団 事業開始

(多田コメント)

・全県において歴史的に水不足の共通認識があった。

・県の主導的役割が大きいと思います。

・トップ政談がカギだったと思います。

 

 

7 今後の課題

(1)料金の統一と配水調整

令和9年度までは旧事業体の料金体系で、

令和10年度に高松市の料金を軸に統一する予定。

(多田コメント)

・全体の半分の需要を占める高松市の料金を軸に検討する

予定だが、近年は人件費や材料費の高騰が著しいので、

必要額を積み上げ方式で再検討する必要があると思われる。

・料金統一前の各事業体の財務内容に差があるのが懸念される。

・水不足ぎみの中で工業用水料金の決定が難しい。

・渇水時の飲用水、農業用水、工業用水の調整が難しい。

 

(2)施設老朽化

今年6月24日に三豊市西部浄水場の送水管に

こぶし大の穴が空く大規模漏水事故発生。

香川用水の建設から50年を経て電食による

老朽化が進んでいた。

当時は掘った場所の土でそのまま管を埋め戻していたが

粘土質の上に鉄の管を敷設すると腐食しやすい。

現在は管の周りを砂で巻く工法にしている。

(多田コメント)

・老朽化による予想外の事故が発生しました。

・香川用水は給水の要であると同時に、

 同じ時期の工事なので、他の幹線も心配です。

・より一層の点検が必要と思いました。

 

(3)PFAS対応

・令和4年から浄水場と井戸の水質検査をしている。

 

(4)DX技術の導入

DXはいろいろあるが、検針業務のDX導入実験をした。

・電波がうまく届かず、従来の人による検針を続けている。

(多田コメント)

・配管の劣化診断にもDXを取り入れても良いと感じました。

 

 

 

(参考)

香川県水道広域化基本計画(概要版)

 

 

 

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