
牛尾剛著「世界一流エンジニアの思考法」文芸春秋
世界一流のシステムエンジニアたちは
なぜ圧倒的に仕事ができるのでしょうか。
頭の回転の速さや天才的記憶力でなく、
主に「思考法」が高い生産性をもたらしているのです。
著者は日本人ですが、現在マイクロソフト社で
シニアソフトウエアエンジニアとして勤務。
システムエンジニアの仕事ぶりは
事務系の仕事や行政の仕事にはあまり関係ない
かもしれないと思いましたが、
高い生産性の秘訣が「考え方」であるならば、
多くの仕事に応用できそうです。
参考になりそうな部分をいくつかご紹介します。
関心を持たれた方はぜひ本書を読んでください。
1 感覚で問題個所を決めつけない
自分の感覚やお客さんの声で原因を決めつけず、
ファクトを検証して問題解決しないと
思い込みの穴に落ちてしまう。
(多田コメント)
・思考の第一歩
・企業や行政においても要注意ですね
2 頭の中にメンタルモデルを持つ
巨大システムの場合、超複雑なので
それらを全部知っている人など存在しない。
しかしメンタルモデルを持つと
驚くほど細かいところまで仕組みを理解し
記憶できるようになる。
メンタルモデルとは、世界を理解し新しい状況に
適用するための自己の心の中のイメージや理論。
(多田コメント)
恐らく多くの方が、
頭の中に仕事のイメージを持っていると思います。
3 ウォーターフォールは一切メリットが無い
アメリカではソフトウェア開発手法では、
「アジャイル」や「スクラム」が常識となっているが、
日本ではいまだに「ウォーターフォール」。
日本の大手企業がマイクロソフトの専門家に
ウォーターフォールとアジャイルの
メリットとデメリットを質問した時の答えは
「ウォーターフォールは一切メリットが無い」
(多田コメント)
ウォーターフォールとアジャイルの意味は
リンク先の説明を読んでください。
アメリカのソフトウエア企業がアジャイルなのに
日本はいまだにウォーターフォールでは
全く勝ち目がありません。
行政の仕事でも分野によってはアジャイル式が
より適切かもしれません。
4 失敗に寛容な職場がチャレンジ精神を生む
自分の能力を上回る領域にチャレンジするから失敗は起こる。
著者は日本にいる時は安全圏の外でチャレンジしてなかった。
(多田コメント)
未知の挑戦には失敗は起こりうる。
改善していけばよい。
行政では間違いはできる限り避けようとしますが、
初めての事業の場合、最初から完全なものはできません。
やりながら改善していく方法をとることにも
社会が寛容になる必要があると思います。
5 人生と仕事をエンジョイする
AIの発達でプログラマは職が無くなるのか?
著者の友人のシステムエンジニアの答えは、
「仕事がもはやおもしろくなくなったら、
そのときは何か新しくて挑戦的なものを探すだけだよ」
(多田コメント)
将来を憂いてうろたえるのではなく、
自分が人生の主役として前向きに取り組む
姿勢・人生観に共感します。
(参考ブログ)