
市議会建設水道委員会の視察
今回は高松市の都市計画事業について報告します。
視察先の高松市におかれましては、
お忙しい中視察を受け入れてくださり
誠にありがとうございました。
心より御礼申し上げます。
訪問日 令和6年6月18日(木)
訪問先 香川県高松市役所
内容 都市計画区域の線引き廃止について
1 調査ポイント
高松市は都市計画法の線引きを廃止。
伊勢崎市は線引き区域と非線引き区域が混在しているので、
高松市の取り組みを学びたい。
高松市 人口40万7千人 面積375平方キロ
都市計画区域指定面積 240平方キロ
2 線引存在時の課題
・市街化調整区域を飛び越えて区域外へ人口が流出
・市内の都市計画区域外地区で宅地の乱開発
・区域外地域と比べ調整区域の強い規制に不満
3 区域区分廃止理由
・合意形成の困難から周辺地域を調整区域に編入できなかったため
モータリゼーションの進展により郊外へ人口が移動した。
その結果、市街化調整区域がドーナツ状に取り残された。
・市中心部を除き平野部に広く分散して居住する形態なので
区域区分の考えか方が馴染みにくい。
・長期人口減少が続く予想なので市街化拡大の圧力弱い。
・高速道路や港整備などの大規模事業が終息。
・市街化調整区域内住民を中心に線引きへの不満が高まり
各種団体、議会、首長等から知事へ廃止要望が出された。
4 廃止スケジュール
平成12年 都市計画法等が改正され線引きは県の選択制になった
平成13年 県民アンケート、市町長との意見交換
平成15年度 県及び高松市の都市計画審議会開催
高松市条例制定
平成16年 都市計画決定告示
平成17年度 高松市は6町と合併
5 見直しの概要
・都市計画区域の拡大
・用途地域の拡大
・線引きに代わり特定用途制限地域を指定
・旧調整区域の開発許可面積を3千平米以上から千平米以上に引き下げた
6 郊外の大型店に対する規制強化
・高松旧市街は地価が高く、新規住宅は郊外に建設が進んでいる。
・郊外の人口目当てに、スーパー、ホームセンター等大型店の
郊外へ進出が進んでいるが、市はそれを抑えるため
特定用途制限地域の店舗面積を規制強化している。
・現存する大型店は同規模での建て替えは不可能となり、
将来的には一定規模以上の店舗は地域からなくなる。
・郊外への無秩序な市街地の拡散を防止するのが目的。
(多田コメント)
・現実に郊外に住宅がたくさん進出して人口が増えているので、
それをあてにしてスーパーなどが郊外へ進出している。
(幹線道路沿い)
・郊外の住民にとっては、生活に必要な店が近くにあることは便利。
・それが規制され店が無くなったら、郊外の住民はすべて
市中心部まで買い物に行かないといけないのでしょうか?
生活の利便性、多くの人の時間のムダ、燃料の無駄になると思います。
・いったい誰のために、何のために郊外大型店を規制するのか?
・市街地の郊外拡大を禁止して喜ぶのは中心部の商店主だけでは?
・郊外大型店は市場原理で動いているので、郊外にニーズが無くなれば
自然と撤退すると思います。
・市場経済に基づく活動と、都市計画法の調和が必要と感じました。
・高松市の方のお話では、都市計画法は鉄道駅を中心とした
まちづくりの考え方なので、車が移動手段の中心になった
現代社会や地方都市にはマッチしないようです。
・伊勢崎市においても、インフラ整備と用途指定のバランスを考え、
都市計画法に盲従しない将来計画を考える必要があると感じました。