健保のつぶやき

食事、トイレと他人様に頼る必要はないが、薬に頼る生活がソロソロ始まりました。当面は「親鸞さん」に照準。

差し入れはアルコールおねがいします。

2015-05-22 07:30:47 | 船木医師

一日の食事のカロリーが決まっている入院食。食べたいものも食べられず、地獄。だから入院しないように健康に気をつけているが、加齢になればいつの日には入院の羽目に。そのときは、アルコールの差し入れがほしいですね。少々のお酒は薬といいますが、西洋医学の医者は認めないでしょうね。舟木医師のようなかかりつけ医師もちたいですが、如何せん東京と富山では。残念。

 

 

 

 

【 一本の缶コーラ 】

私は、普段、自分で診療している患者さんが
さまざまな事情で入院となったとき、
入院先病院の主治医の先生との
打ち合わせを兼ね、患者さんたちの
お見舞いにたびたび行きます。

「Aさん、入院が長くなってきて、
機嫌が悪くて、ナースにも当たりまくりです。」

って、病棟の看護主任さんが言うので、
近くの自販機で売っていた「缶コーラ」を
一本買って、病室に行きました。

確かに、私の顔を見ても、いつもの快活さもなく
不満げな顔のAさん。

でも、

「Aさん。お土産持ってきたよ。」

と、コーラを見せたら、一瞬で
満面の笑みを浮かべて、

「ありがとう。まあー。うれしいわ。
私さー。コーラ大好きなの。
毎日一本は飲んでるの。」

普段の生活を知らない病棟の看護師さんたちは
不思議そうな顔をしてましたが、
私たちは、しょっちゅう自宅のお部屋、
ベッド周りをあたりまえに見ています。
その患者さんの好きなお菓子、飲み物、
好きな俳優から、欠かさず見ているテレビ番組も
知っています。

ひとりひとりの患者さんが「笑顔」になる
ポイントが、自然に見えてくるようになります。

Aさん。
渡した先から、コーラを飲み始めました。

入院中の主治医の先生にも話し、
入院指示に「コーラ飲んでよし」を
書いて頂きました。

もちろん、コーラをどんどん飲め、とは
患者さんたちには言うわけもないし、
糖分を摂ることは、私は自分の体を自分で
傷つけているようなものだと考えています。

けれど、衰えゆく自分の体の力が情けなく、
昨日までできていたことが、
できなくなってゆく現実を、
すぐに受け入れるには悲しすぎる。

コーラ一本で、ゆっくり、寂しさを
癒すことがあっても、いいんじゃないか、と
私はまた、思うのです。

~王子北口内科クリニック院長・ふなきたけのり

船木 威徳さんの写真