健保のつぶやき

食事、トイレと他人様に頼る必要はないが、薬に頼る生活がソロソロ始まりました。当面は「親鸞さん」に照準。

ケトン体は味方だった!危険な物質ではなく臓器保護物質

2021-04-16 10:22:29 | 夏井医師
 山田悟 メディカルトリビューン「ケトン体は味方だった!危険な物質ではなく臓器保護物質」 というメールです。
 これで医療は変わるのでしょうか? 血糖降下剤屋さんとその手先の大先生の方々、特に日本糖尿病学会はどう動くのでしょうか? 現行の糖質まみれの糖尿病食と血糖降下剤の大量投与を続け、合併症を大量生産し、地獄医療を続けるのでしょうか? この世の地獄は終わりにしてもらいたいものです。

 『ケトン体は味方だった!危険な物質ではなく臓器保護物質』 山田悟、メディカルトリビューン2021年04月13日

 『そして遂に2021年、米国心臓病学会の機関誌に「心血管疾患患者に対するケトン体の治療ポテンシャル(Therapeutic potential of ketone bodies for patients with cardiovascular disease)」というセミナー論文が掲載され、ケトン体は味方だったという結論に至ったのである(J Am Coll Cardiol 2021; 77: 1660-1669)。』
 Journal of the American College of Cardiology, Volume 77, Issue 13, 6 April 2021, Pages 1660-1669
 Therapeutic Potential of Ketone Bodies for Patients With Cardiovascular Disease: JACC State-of-the-Art Review
http://www.wound-treatment.jp/new.htm#0415-4


思い5:時代は動いた
 振り返ると、2009年の暮れ、糖質制限食は血管内皮前駆細胞を減少させ、動脈硬化症を促進するとの解説論文が発表された(Proc Natl Acad Sci USA 2009, 106, 15418-15423)。同じ年にはマウスの実験結果を臨床医に知らしめようとする解説論文も出て(N Engl J Med 2009; 361: 2286-2288)、ケトン体産生食で血管内皮機能が低下するという論文(Hypertension 2008; 51: 376-382)との関連からも注目され、糖質制限食への非難に引用された。

 しかしその12年後、今回のセミナー論文でケトン体は血管内皮機能を向上させると解説されている。隔世の感がある。私自身は、これまで緩やかな糖質制限食・ロカボを糖尿病患者や肥満患者に推奨し、ケトン体産生食に対しては距離を置いてきた。そこには、ケトン体産生食には継続の困難さがあり、ロカボの継続の容易さ(Am J Clin Nutr 2006, 83, 1055-1061)を優先したいという大きな理由があったからなのではあるが、それだけではなく、ケトン体を危険物質視する風潮の中で、まずは緩やかな糖質制限食だけでも普及させたいという思いも存在したことは否めない。

 これからは(ごくまれな遺伝子異常がない限りは)「ケトン体産生食もやって構わない」とそれを希望する患者には言えそうだ。