- ガリガリに痩せている人に、栄養はばっちりと言う医師の眼は節穴。
- 50歳代男性。肺癌で手術歴のある方が受診してきました。
胸の違和感、疲労感、動悸などで何度も色々な病院で検査をしてきましたが、一向に良くなりません。
心臓カテーテル検査、PET-CT、頭部MRIなど、あらゆる検査を、これでもかこれでもかと受けています。
優秀なはずの呼吸器内科、循環器内科達が、よってたかって検査しても、原因不明。
4~5か所の医療機関からそう評価されています。
私は一目で診断確定。
栄養失調。
だって、ガリガリであばらが浮き出ている。
治療を受けず、早く死んでくださいとはいえませんね。痛がってる患者を前に、何かの手当てをしないといけませんね。すべて医療費。高齢者の無制限の治療は考えないといけませんね。現役世代が破綻します。
夏井医師
- 【どこまで膨らむ?ついに「医療費が」40兆円を突破し物議に】
医療費がこの後もさらに膨れ上がる理由は,病院の高齢者の多い病棟をちょっと見学すれば一目瞭然です。
例えば,高齢寝たきりの褥瘡患者さんの処置をしていて,ふと,「この患者さんは来年の夏まで生きているのだろうか?」と思うことがあります。私のこれまで経験では,高齢寝たきりで褥瘡ができると1年後まで生きていらっしゃる患者さんは極めて少数です。2年後,3年後となるとほぼゼロです。万全の褥瘡治療をして褥瘡を完治させたとしても,生命予後は変わらない印象です。
でも,そういう患者さんを色々検査すれば異常値が見つかるし,医者としては異常値が見つかれば治療しないわけにはいきません。医者には「治療する」という選択肢しか許されないからです。その「治療」に意味があるのか,その治療は患者さんの何を改善するのか,なんて考えることもありません。「異常値」さえ「治療」できればいいからです。
個々の医者にとって治療対象が「検査データ上の異常」であり,その異常値に対して「放置する」は許されず「治療する」しか選択肢がない以上,高齢化率が上がれば医療費はどんどん膨れ上がります。異常値の見つからない高齢者は少ないからです。この記事のアドレス・・・http://www.wound-treatment.jp/new.htm#0915-4