健保のつぶやき

食事、トイレと他人様に頼る必要はないが、薬に頼る生活がソロソロ始まりました。当面は「親鸞さん」に照準。

元朝青龍 糖質制限実施 痩せました。

2022-02-04 07:48:30 | 糖質制限体験記
https://news.yahoo.co.jp/articles/4590348b7f509c0b1ce5af15ef95409dfdbabf3e

https://promea2014.com/blog/?p=17484
ドクターシミズのひとりごと
食事と健康の関係について普通の医師に聞いても無駄である
2021/12/1 糖質制限, 糖尿病, 糖質過剰症候群, 病気, コレステロール, 製薬会社, 食事, スポーツ, 講演

我々医師は自分で勉強しない限り栄養については無知です。だから、通常の診療の中で普通の医師に食事と健康、食事と病気の関係について聞いても無駄です。私もまだまだです。それでも私自身は今でこそ、自信を持って患者さんの質問に答えることができますが、10数年前、食事に関して質問を受けたなら、

「バランスの良い食事を心がけてください」

「脂肪分控えめでね」

「コレステロールを摂り過ぎないでください」

「塩分控えめでね」

「カロリーの摂り過ぎで太るんですよ」

「朝ごはんちゃんと食べて、3食キッチリとね」

「汗をかいたらポカリで脱水予防してね」

などとアドバイスしていたでしょう。つまり、普通の医師の栄養の知識なんて所詮、テレビ番組の情報レベルです。その証拠に、多くの医師は昼ご飯をカップラーメンで済ませたり、喉が渇いたときに甘い飲み物やスポーツドリンクなどを飲んでいたり、お腹がポッコリと出ていたり、明らかに肥満であったりします。食事と健康、食事と病気が繋がっていないと思っているとしか思えません。

それはなぜかというと、医学部での授業では栄養学の授業は「ゼロ」なんです。20年以上前も栄養学の授業はありませんでしたし、今の医学部でもありません。全く栄養のことなど学びません。でも医師になり臨床の現場では、患者さんが食事について聞いてきます。知らないと答えると「プライド」が傷つくのか、「アホ」なやぶ医者と思われたくないのか、どこかで聞いたような根拠もわからない知識で答えてしまうのです。恐らく糖質ではなく脂質の摂り過ぎが皮下脂肪や内臓脂肪の増加を招くと本気で思っている医師も多いと思います。

医学部の学生は、医師になったとしても一生で一度も出会うこともないかもしれない、非常に珍しい病気の勉強はたくさんしますが、医療現場では頻繁に出会う「肥満」については、その治療の仕方、予防法はほとんど学びません。全く学ばないわけではありませんが、その内容は恐らく「カロリー制限」と「運動」だと教えられているでしょう。それがほとんど効果がないとは教えられませんが。

医学部教育の大きな問題は、治療至上主義に陥っていて、予防に関する教育がほとんどないことです。予防と言えば先ほどの「カロリー」と「運動」や「バランスの良い食事」レベルの話しかないでしょう。もちろん医師は目の前に来た患者を治すことが仕事なので、治療についての知識は非常に重要です。ビジネス的に考えれば、お客さんが来なければ仕事にならないので、お客さんが来ないような策、つまり予防は必然的に軽視されるのかもしれません。

現在の私の診療での食事に関する発言は、普通の医師とは真っ向から対立します。

「糖質をできる限り摂らないでね」

「脂質とタンパク質はたっぷりね」

「コレステロールは気にしないで良いよ」

「1日1食か2食で十分」

「汗をかいてもスポーツドリンクは必要ないよ。水で十分」

「カロリーなんて気にしなくていいよ」

などと話しているからです。糖質制限をすると、様々な症状に悩んでいて、内科などでも原因がわからず、良くならない方が、次の日から大きく改善し薬も必要なくなる、なんてことが珍しくありません。外来では原因が良くわからない症状で受診される方も多いですが、そのほとんどは食事が間違っているか、どこかで処方された薬の副作用であることが多いです。

2型糖尿病では、アメリカの糖尿病学会ではすでに認められている糖質制限をすれば、多くの人は薬が減らせたり、薬をやめられたり、寛解になることも難しくないのに、それを試してみることすらせずに、選択肢として提示すらせずに、自分がこれまで学んだ、もしくは製薬会社のセールスから(直接または学会や講演会などを通じて)得た治療法、薬物療法を選択します。もちろんガイドラインに沿った治療法なので、誰も文句は言わないでしょう。この方法は寛解に持っていける方法ではなく、糖尿病の進行を少し遅らせる治療であり、また食事療法は軽視され、いまだにカロリー制限で、脂質の摂取を減らせと言われるでしょう。さらに運動を増やせとアドバイスし、患者の状態が悪くなれば、患者の努力が足りないと思うでしょう。

薬物療法に関するエビデンスは、当然製薬会社がスポンサーとなり、研究費が出るので、多くの研究が行われるでしょう。ネガティブな結果はほとんど論文になりませんでの、メタアナリシスが正しいとは言えず、根拠は誰かの都合の良い内容になります。しかし、食事に関する研究は非常に難しい(ある食品を摂るグループと摂らないグループでランダムにブラインドで分けることはできないし、それを何年も行うことも非常に困難)だけでなく、研究費も出す企業はほとんど無いので、エビデンスがどんどん出てくることは今後も難しいでしょう。

食事も体型も個人の問題であるかもしれません。特に最近は肥満であることは「個性」だとしています。多くの医師はそこに踏み込みたくないのかもしれません。しかし、食事も体型も病気の原因であるのであれば、医師はしっかりと言及すべきです。食事が原因であったり関連する病気は恐らく90%を超えるでしょう。食べたもので体ができているのですから。ほとんどは糖質過剰症候群です。

医師は忙しいですし、そもそも栄養については専門外だから詳しく知らなくても良いと思っている人が多いのではないかと思います。食事や栄養に関しては栄養士に栄養指導を頼めば良いからです。しかし、この栄養士の知識も全くアップデートされていません。厚労省が変わらないから仕方がないかもしれませんが、栄養学が古典栄養学から進歩しないので、栄養指導も効果のないバランスの良い、カロリーを気にした食事となっています。医師は恐らく変わりません。しかし、栄養学がもっと進歩して、変化して、栄養士が医師に間違いを指摘できるレベルまでになってほしいと思っています。

栄養の専門であるはずの栄養士が、バランスの良い食事やカロリー計算が本当に効果的なのか、糖質を50~60%も摂取している人の食後血糖値や体重変化がどうなのか、など自分や患者さんでちゃんと確かめてほしいです。そうすれば、自分たちが学んだ栄養学がどれほど間違っていたのか、どれほど根拠が乏しいのか、どれほど患者さんに有害なのかがわかるからです。

糖質過剰摂取がもたらす有害性を無視した栄養学は存在価値がありません。