『脂質異常症と動脈硬化』
動脈硬化と最も相関する脂質異常症は、Small dense LDL(SdLDL)であることはわかっている。
SdLDL∝中性脂肪*(TC−HDL)
それぞれの積分値を考えると、食事によって変化の大きい中性脂肪の関与が大きいことに気づかなければならない
ところが、薬を売る側の事情により、(TC−HDL)を低下させる作用のあるスタチンが広く市場に投入されている。
中性脂肪を下げる薬剤はあるのであるが、残念なことに、スタチンと併用すると、横紋筋融解症という厄介な副作用が出やすい。したがって、中性脂肪低下薬の処方は少なかった。
しかし、しかしである。ここにきて、中性脂肪を下げる大型新薬が登場である。売る側が特にこれを売りたいのである。
したがって、今後は、スタチンとの併用が安全であるという情報か、スタチンは体に良くないよという情報が流れる必要がある。
実は、中性脂肪を下げる薬がメインになることは、患者サイドにはとても大きな利益をもたらす。コレステロールを下げる薬は、ゼチーアが併用できる。最初の式を見てもらうと、この組み合わせは動脈硬化治療に直結していることがわかる。
今後は、新しい薬とゼチーアの併用が動脈硬化改善をもたらすというデータが流れてくるはず。
珍しく大衆に利益のあるいい流れとなるのである。