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御殿場駅(0合目)からの富士登山 [前編]

2009-12-20 18:21:01 | 登山
右京さんの件で富士山が注目されてるようなので、
富士山に過去10回登ってきた中で一番過酷だった登山記録でも
掘り返してみようと思う。
 
 
2005年8月20日 晴れ
富士山(御殿場駅~剣が峰) 単独行
 
 
== 23:30 御殿場駅(標高455m) ==

駅から新5合目まで15kmくらいのつもりでいたのだが、
御殿場駅の名所案内に
 「新五合目まで約22.3km バス45分
と書かれていた。


 
 
思ったよりかなり遠くていきなり計画の
破綻を感じたものの、とりあえず行くしかないので
歩き始めた。浅間神社に行ってみようと思ったのだが、
どこから入るのかよくわからなかったし暗かったので断念。
しばらく歩いたところにあったセブンで飲料とおにぎりを
買って、軽く準備運動をして0時ごろアタックを開始した。

天気は晴れ。風が強いのがちょっと気になる。

特に目印があるわけでもないので、ゆるやかに登り続ける
道をただ黙々と歩き続けること1時間。自衛隊滝ヶ原駐屯地
近くにあるセブンに到着したので、駐車場で小休止をとった。
これから富士宮新5合目まで車で行って登山するのであろう
人達がいた。車に乗るでもなく突然富士に向かって歩き
出した当方の姿はさぞや不思議に見えたに違いない。
 
 
 
== 1:00 自衛隊滝ヶ原駐屯地 ==

自衛隊駐屯地を越えると街灯がなくなり、道は急に暗く
なってくるが、ちょうど満月で空には雲の一片もなかった
ので、月明かりでかなり見通すことができた。これから
登る富士山の姿も月明かりに照らされて暗闇に浮かび
上がっており、なかなか幻想的な光景だった。


 
 
道はしばらく真っ直ぐな上り坂が続くのだが、このあたりで
早くも足に痛みが出始める。先行き不安である。くねくね
道に差し掛かると傾斜も急になってきて、歩くペースも
かなり落ちてくる。ずっとTシャツ一枚で歩いていたのだが、
道端の気温表示は16度になっており汗が冷えて寒く感じる
ようにもなってきた。ますます不安がつのる・・・。
 
 
 
== 2:30 馬返し(標高1040m) ==

この行程はとにかく目標物がないので、どこまで来ている
のかよく分からない。自衛隊演習地の中を進む道の周りには
木々以外はひたすら何もなく、時折顔にからみつくクモの巣
くらいしか変化はない。MP3プレイヤーでいろいろ聴きつつ
黙々とただ歩くしかない道のりだ。初めて現れた目標物は
馬返し」(いわゆる一合目)を示す立て札だったのだが、
歩き始めて2時間半でまだ標高600m しかかせげていないと
いうか、まだこの高低差的に1/5 だからこれまでの4倍は
登っていかなければならないかと思うと気が遠くなる思い
だった。




馬返しを過ぎると、「標高1100m」とか「御殿場口登山口
1km 先右折」とかいろいろ看板が出てくるようになって、
少し元気が出てくる。太郎坊トンネル(この手前で御殿場口
新5合目に分岐する)が見えたときにはかなり嬉しかった。
太郎坊トンネルの前で荷物を降ろして夜食をとり、ついでに
2週間前の登山時にも飲んだ「ハブアタック」を注入。
防寒用に雨ガッパを着てさらに歩いていった。
 
 
 
== 4:00 御殿場口新5合目 ==

これまで延々歩いてきた道を右に曲がって、御殿場口
新5合目にいたる道はかなりの急斜面だった。曲がってから
それほど距離はないはずなのだが、新5合目の駐車場に
着くまで30分近くかかっていた。

振り返ると、御殿場の街の灯りと日の出前の徐々に赤く
なってきている空が見え、もうここで帰ってもいいんじゃ
ないかというくらい達成感があったが、まだまだここからが
本番である。トイレ(ここのトイレは無料)と少々の
休憩を済ませて、再び登り始めた。
 
 

== 5:00 ご来光 ==

実はこの時点でかなり足にきていたので、帰りは5合目からバス
またはタクシーで帰ろうとすでに心に決めていたし、山頂に
着く前に引き返す事態も考えていた。しかし、アスファルト
舗装を抜けて踏み固められた砂地の登山道を歩いていると
足の痛みを特に感じなくなり、やはりアスファルト道が足に
かける負担は相当なものだと改めて感じることができた。

そんな具合で快調に歩を進めていき、空がだいぶ明るくなって
きたころに、まだ開いていない大石茶屋の前を通過。ご来光
までに少しでも高度を稼ごうと、ギザギザの登山道ではなく
下山道の方を直線的に登っていった。そして5時過ぎごろに
雲の中から昇ってくる黄金色に輝く太陽を拝むことができた。
富士で見るご来光はいつでも雲間から昇ってくる印象なのだが、
遠くの山の陰から昇ってくるような景色も一度拝んでみたい
ものだ。それでも上空には一片の雲もなく、薄着で登山できる
ような素晴らしい天気が期待された。
 

 
 
しかし、、、この日はどうにも風が強く、日差しはあるのだが
体感的にいつまで経っても暖かくなってこなかった。カッパの
中に汗まみれのTシャツしか着ていないという状態だったので、
脱いだらさらに寒いことは想像にた易く、とにかく歩き続ける
しかなかった。

 
 
後編に続く・・・

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