持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

ラスト・ファイブ・イアーズ 3/5

2005-08-11 01:09:37 | 演劇:2005年観劇感想編
8/10のつづき> 足りないピースのお話。
いろいろを補うと、きっと次には涙がこぼれる。そう言ったら。こんな応えを貰ってしまった。「補って観なければならないのって、舞台としてはどうなの」と。・・・指摘の、あまりの的確さに絶句して。いまだに返す言葉がみつからない。。

ひねりの加わった作品だからこそ。高度な芝居が求められる。そして、それは特に。時間軸を逆行する女優さんに求めたい。なのに。なぜだか、その役に新人さんがキャスティングされている。それも女優志願の方でもないという。

Nao氏の、一曲目。舞台のオープニングに高揚する姿は美しかったけれど。欲しいのは、愛の破綻に身をよじって嘆く姿だった。おそらく、突然の展開に客席からは戸惑いしか返せないけれど。そこをねじ伏せても聴かされていれば。強烈な記憶として、ラストの別れを観るときによみがえるはずなのだ。彼女の、舞台での緊張感が伝わってくる。その硬さは、ややもすると感情の揺れない「お高い女」と錯覚し。感情移入がしづらくなっていく。

誤解の無きよう。Nao氏を責めているのではない。彼女のことはとても好き。
透明な歌声は心地よく、真っ直ぐな演技は、観ているこちらの気持ちまで綺麗にしてくれる。たった1ヶ月前に初舞台を踏んだなんて思えないくらいの安定感もみた。
できれば(出来ないことは百も承知で)彼女が順当に時を刻み、彼が逆行すれば良かったのに、と思ったりする。この舞台に要求される力量には、経験値の不足はいかんともしがたくて。あげく、ふたり芝居では。軽く崩れることすら許されず。どれだけの重責だったことか。せめて。もう少し演出で楽にしてあげられなかったものかと思ったりもする。

願わくば、彼女にとって。この舞台が辛いだけのものでなく、素敵なものであってくれますよう。歌い手さんでありつつ、お芝居もする女優さんになってくれればなと、心から思う。

あぁ、書き始めたら尽きないし・・・。えぇい。明日(←たぶん)に続けます。