持続する夢

つれづれにふと気づいたことなど書き留めてみようかと
・観劇生活はえきさいてぃんぐに・日常生活はゆるゆると

速達区域外

2005-08-01 19:24:51 | だいじなこと
タイトルの「速達区域外」とは。過去に、郵便局で採用されていた制度。早くに廃止されているから、ご存知の方は本当に少ないと思う。それは。差出人から速達で送られてきた郵便物が、途中から速達でなくなる。最寄の郵便局によって赤いスタンプが押され、普通郵便と同じ扱いとなって自宅に届く。そんな制度。

子どもの頃、一時住まった田舎は。徒歩圏内に小売店すら無く。なにをするにも車を必要とする。逆に言えば、車がなければ住まうことのできないようなところだった。新聞でさえ、朝刊しか配達されなくて。夕刊を申し込むと、翌朝に朝刊と共に届いた(もちろんこれも早い時期に解消)。要するに。人を動かすには、ワリに合わない地域だということだ。

ちまたを賑わす『郵政民営化法案』。現在の使途不明金が明確になり、ドブに捨てているも同然の血税が。上手く運営されるのだと聞かされると、賛成したくなる。

しかし、民営化には採算というものがつきまとう。国鉄の民営化によって、田舎で廃線が相次いだのと同じこと。現在、郵便業務は負であって。貯金業務で補うからこそ成立しているのだという(どうりで民間の宅配代金は、田舎になるほど高額になる)。ならば、切り離される郵便業務が縮小されるのは明らかなこと。
今時、メールで事足りると人は言う。だが。高齢者のみで住まう過疎地で、そういう技術取得は難しく。やはり、通信手段は電話と郵便で。あいかわらず、年末には張り切って年賀状を購入する人々は多く。それを思うと反対したくなる。

企業が過疎地から撤退しないように、政府は助成金を出すという。それはそれで、どうなのだろう。現状ならば成立し得るものに、税金を投入するのはどうだろうと思ってしまうのだ。

そして、国会の論争はおかしい。当初、考え出された利益は何だったのか。この部分に対する、真っ当な反対意見を聞きたいのに。賛成派からは、すでに意地しか聞こえてこない。反対派からは、生活の不安をあおる言葉しか聞こえてこない。片方で、国会の混乱を質にとられ。もう片方で、田舎の両親を質にとられ。そんな審議は、おかしい。