春の到来を告げるかのように、この頃は晴れていても霞がかかることが多い。先月19日は、濃い春霞で西方向に位置している浅間山が全く見えなかった。それでも、落日のときに浅間山のシルエットが浮かび出ることを期待して、わたくしは市街地に近い山に向かった。夕日が浅間山の山頂に沈む場面を撮りたかったからだ。
日の入りの時刻が近づくにつれて、太陽が次第に赤く見えるようになった。しかし、シルエットが全く現れなかったので、山頂に赤い太陽が沈む場面は現れなかった。それでも、赤い太陽が沈んで行く場面は印象的であった。
市街地の西に浮かぶ赤い太陽。
太陽の明るさに、露出を合わせてみた(マイナス側に補正)。画像は望遠 200 mmで撮ったものをトリミングしたものである。現像での色温度は曇り(6500 K)に設定した。
くっくりと、赤い太陽が撮れた。しかし、黒点が写っていない。インターネットで公開されている太陽観測データには、3月6日から3月20日までの間、観測された黒点数はゼロであったと報告されている(宇宙天気情報センター・太陽観測データ)。
なるほど、赤い太陽を黒点の数がゼロであるときに撮ったことになるのか。Google Scholarにおいて「太陽 黒点 気象」をキーワードとしてを検索すると、国内で500 件強の学術報告や解説などがヒットする。
太陽が雲に沈み始めた。このときの願いは雲よ去れであった。
望遠 200 mmで撮ったものをトリミングする。
次第に、赤い太陽は見えなくなった。
3月19日午後6時頃、群馬県桐生市にて。
この空気感、この色彩は印象派の絵画のようです。
トリミングされた赤い太陽は鮮烈でしばし釘付けでした。
このときは、赤い太陽がある景色を魅入られたように眺めました。
印象派の絵画に例えていただきありがとうございます。
わたくしは絵を鑑賞することが好きですので、あの画家ならば
どのように描くだろうと空想しながらシャッターボタンを押しています。