こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

今年の花から、シコクカッコソウ

2019-12-19 | 

カッコソウ(勝紅草)はサクラソウ科サクラソウ属の多年草である。このものは、基本種であるカッコソウと変種であるシコクカッコソウに分けられている。前者は北関東のごく狭い地域(群馬県桐生市・みどり市)に、後者は四国の限られた地域(愛媛、徳島、香川など)に分布している。

今年は、北関東のあるスポット(山)で、偶然のことながら、シコクカッコソウの小さな群れに出会った。藪で囲まれた草地で、このものの花は木漏れ日を浴びていた。

 

カッコソウ(基本種)には保護地で何度も出会っているが、シコクカッコソウを山地で見たのは初めてのことであった。花の魅力に感動を覚えながらも、群れの出所については疑問を持たざるをえなかった。

 

群れでの花。どちらもシコクカッコソウである。

 

白花のクローズアップ。このものは雌しべが短い短花柱花である。雄しべは5個である。そして、花びらの付け根(花喉部)は黄緑色を帯びている。

 

ところで、シコクカッコソウ(四国勝紅草)は四国固有種であり、「特定希少野生動植物」に指定されている。そして、愛好家による採取が種の存続を脅かす要因となっている(愛媛県ホームページから)。私が出会ったシコクカッコソウは何らかの経緯で移植されたものであろう。しかし、採取されることなく、これからも美しい花を開いてもらいたいものである。なお、シコクカッコソウの撮影場所は記さないことを、お許し願いたい。

 

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こちらはカッコソウである(長花柱花)。みどり市の保護地にて。花喉部は濃赤褐色を帯びている。

 

 

カッコソウは、鳴神山の固有種として環境省「種の保存法」によって保護されている。このものの採取、移動、売買などは禁止されている。

 

撮影、2019年5月上旬。



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