僕の元気君(3)

2021-10-23 10:39:11 | 童話
そうだ、友達も友達だけの元気君ができるすればいいんだ。それにはどうすればいいの?
ふぅ~ん、学校での勉強や宿題をちゃんとやるだけじゃなくて、年寄りや小さい子に親切にしていると元気君が来るんだね。
そうだね、元気君が僕の所に来るようになる前に、僕は年寄りの人に電車の座席を代わってあげたし、迷子の子を交番に連れて行ってあげたし、妹が転んでケガをした時に薬を塗ってバンソウコウを付けてあげたりしたね。

でも、みんなやっている事じゃないのかなぁ。
そうか、1回だけではなく、いつも、ずっとやっていないといけないんだね。
僕は電車やバスの中ではいつも席を代わってあげているよ。よしっ、友達に教えてあげよう。友達にも元気君が来るといいんだけれどね。

だけど、友達の所に元気君が来たら、僕の元気君はどうなるの?
そうか、友達の元気君と僕の元気君とは別なんだね。元気君は何人くらい居るの?
そうか、数えきれないくらい居るのか。

元気君はいつまで僕の所に居ることかできるの?えっ、小学6年生までなの、もって永く一緒に居られないの?
そうか、元気君はたくさん居ても、子供の方がもっとたくさん居るから、次の子供の所へ行かないといけないんだね。

それでは後2年、僕と一緒に居られるね。
えっ、僕が悪い子になると元気君は直ぐ居なくなってしまうの?そんなのイヤだよ。良い子にしているから居なくなったらダメだよ。約束の指きりだよ。

僕の元気君(2)

2021-10-22 09:12:01 | 童話
それから、昨日、隣りの男の子が転んで足を擦りむいたので、元気君が行ってバンソウコウになっていたんだ。だけど、すぐ良くなったので、今日帰って来たんだ。
『元気君はすごいんだね。』
元気君は勉強も教えてくれるよ。勉強を教える時は先生に変わるんだ。

『ふぅ~ん。元気君は今どこに居るの?』
今はね、う~んとね、居ないね。
『僕はもう帰るから、元気君が来たら教えて。』
ああっ、いいよ。

なんだ元気君、そこに居たの。友達が会いたいと言っていたけれど、会えないのかなぁ。
えっ、会っても見えないし、声も聞こえないの。やっぱり友達には見えないのか、残念だなぁ。君は僕だけの元気君だから他の人には会っていても、見えないし声も聞こえないのだね。見えるようになるのには、どうすればいいのかなあ。

僕の元気君(1)

2021-10-21 11:30:51 | 童話
僕の元気君は、今はハムスターだけれど、昨日はカピバラだった。

『どうして変わるのか?』だって、
あのね、元気君は、僕が友達でいて欲しいものに何にでもなってくれるんだ。自転車だったこともあるよ。明日は滑り台がいいかなぁ。

『どうして僕には元気君が居るのか?』だって、
それはね、僕が元気君を大事にしているからだよ。

『元気君はどこからきたのか?』だって、
遠い所から来たらしいけれど、僕の知らない所らしいんだ。

『元気君はお話しするのか?』だって、
僕と居る時だけ、お話しをするよ。

『元気君を見たい。』だって、
お父さんもお母さんも見えないらしいから、君も見えないと思うよ。

『元気君はずっと一緒に居るのか?』だって、
いつも僕の所に居るけれど、時々元気の無い子の所へ行くんだ。
先月は病気で入院している女の子の所へずっと行っていたよ。
『その女の子は元気になったの?』うん、元気になって退院したから、また僕の所に帰って来たんだ。

『その女の子の所に居る時は、何になっていたのか?』だって、
最初は絵本になって、女の子のお母さんに読んでもらっていて、元気になり始めてからは上履きになって、足を優しく包んでいたんだって。

空のイルカ、夢のイルカ(6)

2021-10-20 09:18:37 | 童話
『まだ夢の中だよ。今度はどこへ行きたい?』
『写真で見たんだけれどオーロラがきれいだったので、オーロラが見える所へ行きたいなぁ。』
『いいよ。目を閉じていて。』
『もういいよ。』

僕が目を開けると、僕は北極にいた。
『少し寒いね。』
『今は夢の中だから、あまり寒くないけれど、本当はもっともっと寒いんだよ。』
『ふぅ~ん、そうなんだ。』
『空をみてごらん、オーロラがきれいだよ。』
『わぁ~、きれいだね。オーロラはじっとしていなくて、次から、次から形が変わるんだね。』
『寒いから、もう帰ろうか?』
『うん、いいよ。』

そして、目の前が急に明るくなった。
『もう夢の中から外に出たよ。』
僕とイルカは、さっきの海にいた。
『本当に夢の中に行けるんだね。』

『あっ、お家でお母さんが呼んでいる。もう帰るからね。またここで遊ぼうね。』
『いいよ、バイバイ。』
『バイバ~イ。』
僕は、宿題が終ると、今もイルカと仲良く遊んでいる。

     おしまい

空のイルカ、夢のイルカ(5)

2021-10-19 09:19:33 | 童話
僕が目開けると、僕はジェット旅客機の操縦席にいた。
『乗客のみなさん、これから離陸しますので、シートベルトをシッカリ締めてください。管制塔、管制塔、これから離陸します。』
僕の操縦するジェット旅客機がゴーと音をたてて空高く上がって行きました。
『こちらは機長です、上空に来ましたのでシートベルトを外しても構いません。』

僕の操縦するジェット旅客機はしばらく飛行して着陸の準備を始めました。
『乗客のみなさん、これから着陸しますので、シートベルトをシッカリ締めてください。』
『管制塔、管制塔、これから着陸します。』
『乗客のみなさん、空港に着きました。お疲れ様でした。』
そして、目の前が急に明るくなった。
『すごいね。僕は夢の中でジェット旅客機を操縦していたよ。』