僕と、お父さんとボクとの約束(2)

2021-10-13 09:42:58 | 童話
『よ~い、どん。もっとヒザを高く上げて、もっと高く。そうそう、もっと高く上げて。』
『なんか、速く走ることができそうだ。』
『本当に速く走れているよ。』
僕は、その日から毎日、ヒザを高く上げて走る練習を続けていて、学校の徒競走で5人で走って3番目になった。

『今度は逆上がりをやってみようよ。』
『うん、頑張るよ。』
『分かった、手が伸びてしまっているからできないんだ。鉄棒を回り始める時にヒジを曲げて、体を鉄棒にくっつけるようにするんだよ。ボクがやってみるね。』
『本当だ、すごいね。』
『ボクと一緒にやれば君もできるようになるよ。』
僕は、その日から毎日、ヒジを曲げるようにして練習を続けていて、逆上がりができるようになった。

僕は速く走ることと、逆上がりができるようになる練習を続けていたので、ご飯を食べるのも、学校へ行くのも早くできるようになった。
僕は、ご飯を食べている時に、徒競走で3番になった事と、鉄棒の逆上がりができるようになった事を、お父さんとお母さんに話をした。
お母さんは『すごいわね。』と言ってくれて、お父さんは『どうしてできるようになったんだい?』と聞いたので、僕は『新しい友達が教えてくれたんだよ。』と答えた。

だけれど、ボクの事は話をしなかった。