タヌキとキツネと人間と(4)

2020-05-16 09:22:25 | 童話
ある日、タヌキが調べるために神社に行きました。
すると、神社の前にはキツネの石像が飾ってありました。
「そうか、キツネ君は神様のお使いなんだね。だから、人間はキツネを騙さないんだ。」

そして、キツネが調べるためにお寺に行きました。
すると、お寺に茶釜に入ったタヌキや和尚と腹ずつみを打っている絵がありました。
「そうか、タヌキ君は人間の友達なんだね。だから、人間はタヌキを騙さないんだ。」

そして、タヌキとキツネが自分達の見てきたことを教えて、
「タヌキ君はすごいんだね。」
「キツネ君は偉いんだね。」と言いました。
「これからは、キツネ君は神社の近くにあるお店で、タヌキの僕はお寺の近くにあるお店でアイスクリームを買うことにしよう。」
「それが良いね。」

キツネが神社の近くにあるお店でアイスクリームを買う時に、人間がキツネに手を合わせるのに気が付きました。

タヌキとキツネと人間と(3)

2020-05-15 08:38:57 | 童話
タヌキとキツネは、
「今度は2匹で、もう一度アイスクリームを買いに行ってみようよ。」
「そうしようか。」
そして、今度は2匹がそれぞれ左手に小さな石を2個持って、その上を右手でポンと叩きました。そうすると、手の中の石が、100円が1個と10円が1個になりました。
タヌキが、
「ここに110円有りますのでアイスクリームを1個ください。」
と言い、キツネも
「ここに110円有りますのでアイスクリームを1個ください。」
と言いました。
すると、お店の人が
「はいはい、ありがとうね。」
と言ってアイスクリームを1個ずつくれました。

そして、タヌキとキツネは2匹でアイスクリームを食べようとしましたが、キツネのアイスクリームだけが木の枝になっていました。また、キツネが
「あっ、人間に騙された。」
と言うと、タヌキが
「僕のはおいしいアイスクリームだよ。」
と言ってアイスクリームを食べました。
「どうして僕だけ人間に騙されるのかなあ?」
とキツネが言うと、
「どうしてかね?」
とタヌキが言いました。
しかし、なぜだか分かりません。
なぜ、神社の近くにあるお店ではタヌキが騙されて、お寺の近くにあるお店ではキツネが騙されるのか分かりません。

タヌキとキツネと人間と(2)

2020-05-14 07:14:09 | 童話
別な暑い日に、森のタヌキがお寺の近くにあるお店にアイスクリームを買いにやって来て、アイスクリームの値段を調べました。
「1個110円か、キツネに1個あげるから、2個で220円だね。」
そして、タヌキはお店の外に出て、左手に小さな石を4個持って、その上を右手でポンと叩きました。そうすると、手の中の石が、100円が2個と10円が2個になりました。
「ここに220円有りますのでアイスクリームを2個ください。」
「はいはい、ありがとうね。」
とお店の人がアイスクリームを2個くれました。
こうして、タヌキとキツネは仲良く美味しいアイスクリームを食べました。

タヌキが
「もう1本食べたいね。」
というと、キツネが
「今度は僕が買ってくるよ。」
と言って、また左手に小さな石を4個持って、その上を右手でポンと叩きました。そうすると、手の中の石が、100円が2個と10円が2個になりました。
「ここに220円有りますのでアイスクリームを2個ください。」
「はいはい、ありがとうね。」
とお店の人がアイスクリームを2個くれました。そして、キツネはタヌキの所に帰って、2匹でアイスクリームを食べようとしましたが、2本のアイスクリームは木の枝になっていました。
キツネが
「あっ、人間に騙された。」
と言うと、タヌキが
「僕の時はちゃんとアイスクリームをくれたよ。」
と言いました。

タヌキとキツネと人間と(1)

2020-05-13 09:34:43 | 童話
今日は暑いので、森のキツネが神社の近くに有るお店にアイスクリームを買いにやって来て、アイスクリームの値段を調べました。
「1個110円か、タヌキに1個あげるから、2個で220円だね。」
そして、キツネはお店の外に出て、左手に小さな石を4個持って、その上を右手でポンと叩きました。そうすると、手の中の石が、100円が2個と10円が2個になりました。
「ここに220円有りますのでアイスクリームを2個ください。」
「はいはい、ありがとうね。」
とお店の人がアイスクリームを2個くれました。こうして、キツネとタヌキは仲良く美味しいアイスクリームを食べました。

キツネが
「もう1本食べたいね。」
というと、タヌキが
「今度は僕が買ってくるよ。」
と言って、また左手に小さな石を4個持って、その上を右手でポンと叩きました。そうすると、手の中の石が、100円が2個と10円が2個になりました。
「ここに220円有りますのでアイスクリームを2個ください。」
「はいはい、ありがとうね。
とお店の人がアイスクリームを2個くれました。そして、タヌキはキツネの所に帰って、2匹でアイスクリームを食べようとしましたが、2本のアイスクリームは木の枝になっていました。
タヌキが
「あっ、人間に騙された。」
と言うと、キツネが
「僕の時はちゃんとアイスクリームをくれたよ。」
と言いました。

キツネとタヌキは、
「今度は2匹で、もう一度アイスクリームを買いに行ってみようよ。」
「そうしようか。」
そして、今度は2匹がそれぞれ左手に小さな石を2個持って、その上を右手でポンと叩きました。そうすると、手の中の石が、100円が1個と10円が1個になりました。
キツネが、
「ここに110円有りますのでアイスクリームを1個ください。」
と言い、タヌキも
「ここに110円円有りますのでアイスクリームを1個ください。」
と言いました。
すると、お店の人が
「はいはい、ありがとうね。」
と言ってアイスクリームを1個ずつくれました。

そして、キツネとタヌキは2匹でアイスクリームを食べようとしましたが、タヌキのアイスクリームだけが木の枝になっていました。また、タヌキが
「あっ、人間に騙された。」
と言うと、キツネが
「僕のはおいしいアイスクリームだよ。」
と言ってアイスクリームを食べました。
「どうして僕だけ人間に騙されるのかなあ?」とタヌキが言うと、
「どうしてかね?」
とキツネが言いました。
しかし、なぜだか分かりません。

犬の社長(2)

2020-05-12 07:36:17 | 童話
その夜の夢の中で、ペットショップの前で荷物を下ろしていた運転手さんが
『昼間は荷物が一杯で大変だったよ。』
と話しかけてきました。
その時、犬の社長がその運転手さんに
『お疲れ様でした。』
と言いました。
そして、僕も
『お疲れ様でした。』
と言いました。

その夜も、僕はトラックで配達が終わった朝に目がさめました。
そして、犬を連れて散歩している時に、また、あの運転手さんに会いました。
『君はもう配達が終わったのかい? 私はまだ荷物が一杯で終わっていないんだ。』
と言ったので、僕は、あの人はまた夢の中で荷物を運ぶのが終わらなかったんだね、と思いました。

何日かして、夢の中で犬の社長がみんなを集めた会議をしました。
犬の社長は
『みんなが頑張ってくれたので、たくさん売れました、ありがとう。』
と言ったので、みんなは、パチパチパチパチと拍手をしました。
僕は、その拍手の音で目がさめました。

僕が犬に
『たくさん売れて良かったね。』
と言うと、犬は
『ありがとう。』
と言いました。

そして、昼間は僕が犬を散歩に連れて行き、夜は僕が犬の社長の代わりにトラックで荷物を配達するのを続けています。
 
おしまい