タヌキとキツネと人間と(3)

2020-05-15 08:38:57 | 童話
タヌキとキツネは、
「今度は2匹で、もう一度アイスクリームを買いに行ってみようよ。」
「そうしようか。」
そして、今度は2匹がそれぞれ左手に小さな石を2個持って、その上を右手でポンと叩きました。そうすると、手の中の石が、100円が1個と10円が1個になりました。
タヌキが、
「ここに110円有りますのでアイスクリームを1個ください。」
と言い、キツネも
「ここに110円有りますのでアイスクリームを1個ください。」
と言いました。
すると、お店の人が
「はいはい、ありがとうね。」
と言ってアイスクリームを1個ずつくれました。

そして、タヌキとキツネは2匹でアイスクリームを食べようとしましたが、キツネのアイスクリームだけが木の枝になっていました。また、キツネが
「あっ、人間に騙された。」
と言うと、タヌキが
「僕のはおいしいアイスクリームだよ。」
と言ってアイスクリームを食べました。
「どうして僕だけ人間に騙されるのかなあ?」
とキツネが言うと、
「どうしてかね?」
とタヌキが言いました。
しかし、なぜだか分かりません。
なぜ、神社の近くにあるお店ではタヌキが騙されて、お寺の近くにあるお店ではキツネが騙されるのか分かりません。