てんから、てんから、てんからてん(5)

2020-04-15 09:20:05 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』

都会の小学校のイヌとネコが
『寒くなって、北風がピュ~ピュ~と吹くようになったので、外から帰ってきた時に、うがいと手洗いをして、カゼをひかないようにしています。』と発表しました。
村の小学校の動物達が
『僕達も、うがいと手洗いをしています。』と発表しました。
『それでは、質問のある方はいますか?』

『都会では、もう雪は降りました?』
『まだ降っていません。村では雪が降ったんですか?』
『うん、もう雪がたくさん降って積もったので、雪ダルマを作りました。』と言って、雪ダルマを月に映して見せました。
『大きな雪ダルマだね。すごいね。』
『みんなで仲良く作るので楽しいよ。』
『ダルマの他に何が作れるの?』
『イヌやネコやペンギンや、何でも作れるよ。』
『今度、ダルマではないのを作ったら見せてね。』
『うん、いいよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

てんから、てんから、てんからてん(4)

2020-04-14 09:54:33 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』

都会の小学校のイヌとネコが
『寒くなったのでノドがカラカラになり、カゼをひきやすくなったので、毎日うがいをしています。』と発表しました。
村の小学校の動物達が
『僕達も毎日うがいをしています。』と発表しました。
『それでは、質問のある方はいますか?』

『村では、これから雪が降りますが、都会でも雪は降りますか?』
『雪が降ることはほとんど無いです。』
『村ではたくさん降るので、みんなで雪合戦をしたり、雪ダルマを作ったりして遊びます。』
『えっ、雪合戦って何なの? それと、雪ダルマって、どんな形のダルマなの?』
『雪合戦はね、雪を固めてボールを作り、そのボールをぶつけて遊ぶんだ、とっても楽しいよ。』
そして、村の小学校の動物達が、雪ダルマを月に映して見せようとしましたが、まだ雪が積もっていないので、雪ダルマが有りません。しかたなく、雪ダルマの絵を月に映して見せました。
『ふぅ~ん。楽しそうだね。』
『うん、楽しいよ。』
『今度、雪がたくさん降った時の学級委員会の時に、月に映して見せてね。』
『うん、いいよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

てんから、てんから、てんからてん(3)

2020-04-13 08:57:08 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』
村の小学校の動物達が
『柿や栗の果物がいっぱいなったので、みんなで仲良く分けて食べています。』と発表しました。
今度は都会の小学校のイヌとネコが
『果物がいっぱい乗った甘いケーキを、みんなで仲良く分けて食べています。』と発表しました。
『それでは、質問のある方はいますか?』

都会の小学校のイヌとネコが
『村の小学校の動物のみんなは、虫歯が有りますか?』と聞くと、
『虫歯と言うのは何なのですか?』と、村の小学校の動物達が質問しました。
『えっ、虫歯を知らないの?』
『うん、知らないよ。』
『虫歯はね、甘い物を食べた後で歯を磨かないとなるんだよ。都会は虫歯の動物が多いんだよ。』
『痛いの?』
『うん、痛いよ。痛いから歯医者さんで直してもらうんだよ。』
『ふぅ~ん。痛いんだ。』

今度は、村の小学校の動物達が質問しました。
『秋になったので赤トンボがたくさん飛んでいますが、都会にも赤トンボはいっぱいいますか?』
『赤トンボって何なのですか?』
『えっ、赤トンボを知らないの?』
そして、村の小学校の動物達が、赤トンボがいっぱい飛んでいる所を月に映して見せました。
『わぁ、本当に真っ赤だね。』
『そうだよ。赤トンボはね、人差し指を上に向けて動かないでいると、その人差し指に赤トンボが止まるんだよ。』
『かわいんだね。』
『うん、かわいいよ。』
『村では、赤トンボは毎日飛んでいるの?』
『うん、秋には毎日飛んでいるよ。』
『都会では、公園で一度飛んでいるのを見たことがあるよ。』
『少ないんだね。』
『うん、少ないね。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

てんから、てんから、てんからてん(2)

2020-04-12 07:40:56 | 童話
そして、しばらくして、また満月の夜に
『てんから、てんから、てんからてん。』、
『てんから、てんから、てんからてん。』
と聞こえてきました。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』

村の小学校の動物達が
『村では、お米がたくさんできました。農家の人に感謝して、残さないように食べています。』と発表しました。
都会の小学校のイヌとネコが
『作っている工場の人に感謝して、ドックフードを残さないように食べています。』

『それでは、質問のある方はいますか?』
都会の小学校のイヌとネコが
『僕達の飼い主さんは、スーパーマーケットで透明な袋に入った白いお米を買いますが、お米は全部白いのですか?』
『できた時のお米は、モミガラの中に入っているので黄色に近い薄い茶色で、モミガラを取って、米ヌカも取ると、やっと白くなるんだよ。』と言ってお米がたくさん実った、刈り取ったばかりの稲穂を月に映して見せました。
『稲穂は重たそうだけれど、たくさんなるんだね。』
『そうだよ、重たいよ。農家の人が大切に育てているので、いっぱいなるんだよ。』

村の小学校の動物達が
『村の小川や池にはザリガニがたくさん住んでいますが、都会にもザリガニはたくさんいるのですか?』
『えっ、ザリガニって何? 都会には、小川も池も無いから、いないよ。』
村の小学校の動物達が
『これがザリガニだよ。』と言って金魚鉢に入れたザリガニを月に映して見せました。
『エビみたいだけれど、ハサミはカニみたいに大きいんだね。』
『うん、ハサミに挟まれると、すごく痛いんだよ。』
『ザリガニはどうやって捕まえるの?』
『竹の棒に付けた糸にスルメを結び付けて、小川や池の中に入れると、ザリガニがハサミでスルメをつかむので、そっと竹の棒を上げると釣れるんだよ。』
『ふぅ~ん、楽しそうだね。』
『うん、楽しいよ。』

『都会には楽しい生き物はいないの?』
『動物園や水族館にたくさんいるよ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』

てんから、てんから、てんからてん(1)

2020-04-11 08:15:59 | 童話
満月の夜、村の小学校の校庭に動物が集まります。
都会の小学校の校庭にも動物が集まります。
村の小学校には、イヌやネコ以外に、タヌキやキツネやイノシシや、たくさんの動物達が集まります。
都会の小学校には、イヌとネコだけが集まります。タヌキやキツネやイノシシはいませんし、カラスやスズメは、夜は目が見えないので、集まりません。

そして、二つの小学校で、お互いに自分達の姿を月に映して学級委員会をします。その学級委員会を始める時に、片方の小学校で『てんから、てんから、てんからてん。』と言います。
そして、もう片方の小学校でも『てんから、てんから、てんからてん。』と言います。そうすると学級委員会が始まるのです。
『これから、学級委員会を始めます。それでは、今やっている活動を話しあいます。』

村の小学校のみんなが
『ホタルが少なくなってしまったので、池や小川をきれいにする活動をやっています。』と発表しました。
都会の小学校のイヌとネコが
『交通事故にあわないように、信号を守る活動をしています。』と発表しました。

『それでは、質問のある方はいますか?』
都会の小学校のイヌとネコが
『ホタルというは何なんですか?』
と聞きました。
『えっ、ホタルを知らないの?』
と、村の動物達が、不思議そうに聞きました。
村の小学校の動物達が
『お尻が黄色く光りながらフワフワと飛ぶかわいい虫だよ。』
と、ホタルを月に映して、都会の小学校のイヌとネコに見せてあげました。
『やぁ、きれいな光りだね。』
『うん、きれいだし、かわいいよ。』

そして、また都会のイヌとネコが聞きました。
『村の小学校からゲロゲロ、ゲロゲロと聞こえてきますが、何が鳴いているのですか?』
『えっ、カエルを知らないの?』
『うん、知らないよ。』
『田んぼや小川にいて、みんなで夜通し鳴くんだよ。そして、カエルの子供はオタマジャクシと言うんだよ。』
そう言って、村の小学校の動物達が、カエルと、もう少しでカエルになるオタマジャクシを月に映して、都会の小学校のイヌとネコに見せてあげました。
『オタマジャクシはかわいいねぇ。』
『うん、かわいいよ。もう少し前だと、オタマジャクシは手も足も生えていないんだよ。』
『ふぅ~ん。都会には、田んぼも小川も無いから、カエルもオタマジャクシもいないよ。』
『へぇー、そうなんだ。』
『それでは、今日の学級委員会を終ります。また次の満月の夜に学級委員会をします。
バイバ~イ。』
『バイバ~イ。』