ぽろろ、ぽろろ(1)

2016-04-20 21:12:10 | 童話
僕のいる窓の外から、
『ぱろろ、ぼろろ。ぽろろ、ぽろろ。』
と聞こえてくる。

『だぁれ?』
風が遠くで僕を呼んでいるのだ。

『なぁに、宿題が終ったら外で遊ぼうよと言っているの? 30分位で宿題が終るので待っててね。』
『宿題が終ったよ、何して遊ぼうか。よしっ、駆けっこをしようよ。だけど、1人だと寂しいから、いつも一緒に遊んでいる友達を呼んで来るね。』

3人の友達と僕の4人で風と競争をした。
ヨーイドン 。
『風君は速いなぁ、僕達4人は全然かなわないや。』

おしゃべり畑(4)

2016-04-19 21:24:01 | 童話
そして、また夏の暑い日の朝、学校へ行く時にあの畑から話し声が聞こえてきました。

『昨日は晴れていて暑かったので、お水を飲みたいね。』
『そうだね、畑の土がカラカラになってしまったからね。』
『畑の持ち主さんに頼んでみよう。』
『ねぇ、持ち主さ~ん、お水をちょうだい。』

畑の近くの家の中から
『ちょっと待ってて、すぐお水をあげるから。』
と聞こえてきた。

そして、また畑から
『ナスビやキュウリがたくさん実ったよ、みんなで食べていいよ。』
と聞こえてきました。

すると、畑の近くの家の中から
『いつもありがとうね。』
と声が聞こえてきました。

去年と同じだ、畑もみんなも元気なんだね。
来年の夏も同じかな?
きっと同じだよね。
     
おしまい

おしゃべり畑(3)

2016-04-18 21:24:22 | 童話
春の少し暖かくなって来た日の朝、学校へ行く時に畑から話し声が聞こえてきました。

『温かくなってきたね。』
『そうだね、お花も少しずつ咲き始めたね。』
『もう少したつと、きれいなお花でいっぱいになるね。そうするとチョウチョがたくさん飛ぶようなって、この畑がにぎやかになるね。』
『そうだね。みんなの心がウキウキしてくるね。』

『お~い、チョウチョさん、みんなとお話しをしようよ。』
『だめだよ、今はお花の蜜をもらうのに忙しいからね。たくさんの蜜をもらったら、またこの畑に戻って来るから、その時にいっぱいお話しをしようね。』

春は畑も気持ちいいし、忙しいんだね。
お話しもいっぱいだね。

おしゃべり畑(2)

2016-04-16 09:20:07 | 童話
秋のすがすがしい日の朝、学校へ行く時に畑から話し声が聞こえてきました。

『今年もおいしい柿の実がたくさん実ったから、たくさん食べていいよ。』
『栗もたくさん実ったから、栗ご飯にするとおいしいよ。』
すると、畑の近くの家の中から
『そうね、では今晩は栗ご飯にするわね。そして、デザートは柿にしようかしら。』
と声が聞こえてきました。

秋はたくさんの実が実るんだね。

冬の寒い日の朝、学校へ行く時に畑から話し声が聞こえてきました。
『今朝はすごく寒いね、霜柱が立っているよ。ブルブル、ブルブル。早く太陽が昇らないかなぁ。』
すると、畑の近くの家の中から
『もう少しでお日様が出て、暖かくなるから我慢していてね。』
と声が聞こえてきました。

太陽が昇ると温かくなるんだよね。

おしゃべり畑(1)

2016-04-15 21:41:42 | 童話
僕が学校へ行く途中には畑が有り、いろいろな種類の野菜が植えられています。

夏の暑い日の朝、学校へ行く時にその畑から話し声が聞こえてきました。

『昨日は晴れていて暑かったので、お水を飲みたいね。』
『そうだね、畑の土がカラカラになってしまったからね。』
『畑の持ち主さんに頼んでみよう。』
『ねぇ、持ち主さ~ん、お水をちょうだい。』

すると畑の近くの家の中から
『ちょっと待っててね、すぐお水をあげるから。』
と聞こえてきました。

そして、また畑から
『ナスビやキュウリがたくさん実ったよ、みんなで食べていいよ。』
と聞こえてきました。

すると、畑の近くの家の中から
『いつもありがとうね。』
と声が聞こえてきました。