真夜中のお話し仲間(2)

2020-11-02 08:58:13 | 童話
次の日、学校から帰って来た男の子は、宿題を終らせてから、物置から自転車を出して、友達と約束をしている公園へ行った。

ペダルは頑張って漕いで、ハンドルはグラグラしないように頑張って支えて、タイヤは頑張って地面の上を転がって、ベルは危ない時に頑張って音を出して、みんなで協力して、公園へ走って行った。

そして、公園に着いて、男の子が友達と野球をしている間、みんなでワイワイガヤガヤとお話しをしていました。
今度は友達が乗って来た自転車ともお話しをしたので、にぎやかでした。
『バイバイ、また明日。』
『うん、バイバ~イ。』

そして、またペタルは頑張って漕いで、ハンドルはグラグラしないように頑張って支えて、タイヤは頑張って地面の上を転がって、ベルは危ない時に頑張って音を出して、みんなで協力して、家に帰り始めた。

『今日の野球は楽しかった?』
とハンドルが男の子に話しかけた。
『えっ、君は話せるの? うん、野球は楽しかったよ。だけれど、いつから話しができるの?』
『ずっと前から話しができるのだよ。』
『それで、物置でもお話しをしていたんだね。』
『うん、そうだよ。』
『僕も話しができるよ。』
と、ペダルもタイヤもベルも話しました。
そして、ハンドル達が
『僕達は汚れてしまったので、きれいにしてほしいなぁ。』
と、男の子にお願いをしました。
『ああ、いいよ。家に帰ったら洗ってあげるね。』
そして、家に着いて、お母さんに
『ただいま。』
と言ってから、お水で洗っていると、お母さんが
『あらっ、えらいわね。』
と言ったので、
『自転車からきれいにしてほしいと頼まれたんだよ。』
『えっ、自転車から頼まれたの? そうね、ずいぶん汚れているわね。』

僕はきれいに洗ったあと、車輪の回転する所には油をさしました。
『これでいいや、きれいに洗った。』
すると、自転車は喜んで、ハンドルをブルブルブル、ペダルをクルクルクル、タイヤをポンポンポン、ベルをリンリンリンと楽しそうにしました。そして、いつものように自転車を物置にしまってから、僕も物置で、みんなと一緒にワイワイガヤガヤと、お話しをしました。
『もうすぐご飯だから家に帰って手を洗いなさい。』
とお母さんが言ったので、僕は
『バイバイ、また明日ね。』
と言って家に帰りました。