僕達の小さくて大きな森(7)

2019-10-12 06:46:44 | 童話
気が付くと二人はお花畑にいた。
たくさんの種類の花が咲いている。
『きれいだね。』
『うん、きれいだね。』
僕達は、花を踏まないようにして、お花畑の中を歩いて行くと、盆栽の時のように広場に出た。

『やぁ、また人間がやってきた。』
前に会った時と同じように、動物達が集まっていた。
『動物さん達、みんな元気?』
『ああ、元気だよ。』
『今日も何か相談しているの?』
『前の森は古い森だったので引越したけれど、今のお花畑はお花が枯れると引っ越さないといけないので、いつ引っ越さないといけないのか相談しているのだよ。』
『引っ越さなくても良い方法は有るの?』
『ああ、梅の花が終ったら捨てないでどこかへ植えると枯れないで大きく育つんだ。そうすると動物みんなが引越ししなくてよくなるんだよ。』
『ふぅ~ん。家に帰ったらお母さんにお願いしてみようよ。』

『うわっ。』
『うわっ。』
僕達は花瓶を飾っているテーブルの前に戻って来ていた。
『ねぇ、お母さん。この梅の枝は、お花が枯れたらどうするの?』
『ゴミで捨てるわよ。』
『捨てないで植えておくと大きくなるの?』
『良く知っているのね。挿し木と言ってね、木を増やす時に挿し木をするのよ。』
『じゃぁ、僕達の梅の木にするから、挿し木にして頂戴。』
『ええ、いいわよ。』
『やったぁ、これで動物達が引越ししなくてよくなるね。』
『うん、そうだね。』